【概要】※2023.12.22改定 冬の車中泊で暖かく眠るためのテクニックを紹介。「車の防寒」と「体の保温」に必要なグッズやテクニックなど。

“対策を両立”させることで、暖かな冬車中泊を実践できる!

画像: 冬の車中泊は防寒対策が必須。

冬の車中泊は防寒対策が必須。

冬の車中泊は「車の防寒」「体の保温」が基本かつ最重要。つまり、この2項目の対策をしっかり行っていれば、冬車中泊のハードルはぐっと下がる。

まず、「車の防寒」とは、車外からの冷え込みを阻止すること。鉄のボディと大きなガラス窓がある車は、なんの防寒対策もしないでいると、車外からの冷気が伝わり、車内温度がどんどん下がっていく。

次に「体の保温」。これは自分の体から発する熱を逃がさず、保持するということ。

人間は100W程度の熱を発しているといわれており、自分自身を温めるのに、この熱を使わない手はない。このあたりは登山など、アウトドアの知恵やテクニックが役に立つ。

車中泊は登山ほどシビアにならなくてもいいが、基本的な考え方は同じだ。

ひとつ注意したいのが、冬車中泊の寒さ対策は、車の防寒、体の保温、どちらかだけを行えばいいというわけでない。

車も体も対策を両立させてこそ、快適な冬車中泊を楽しむことができる。難しいことは何もない。基本中の基本なので、各項目を参考に、暖かい車中泊旅を楽しんでほしい。

車の防寒対策の基本

ご存じのとおり、車は鉄のボディと大きな窓に囲われている。なんの対策もしないと、車内はどんどん冷えきってしまう。そうなる前に、できることはやっておこう。

冷気は窓からやってくる! 窓をふさぐのが最大の防御!

画像1: 冷気は窓からやってくる! 窓をふさぐのが最大の防御!

車の防寒対策として、必ず最初にやっておきたいのが「窓」の対策。冷気は窓ガラスから車内に伝わってくる。そこで、すべての窓の内側を断熱性の高いもので覆っておこう。

画像2: 冷気は窓からやってくる! 窓をふさぐのが最大の防御!

費用はかかるが手っ取り早いのが、市販のシェードを使うこと。写真は車中泊シェードの定番アイテム、アイズの「マルチシェード」。

車種専用設計に加え、自社生産のキルティング生地は断熱性が超優秀。寒い冬の季節、車内温度の低下を緩和してくれる。

また夏は車内温度の上昇を抑えるので、年間をとおして使用可能。車中泊旅に出かける機会が多いなら、購入をおすすめしたいアイテムだ。

画像3: 冷気は窓からやってくる! 窓をふさぐのが最大の防御!

車種専用設計のシェードが優秀だが、厚手の銀マットでシェードを自作してもいい。手間はかかるが車種専用シェードよりも安価に作れる。

画像4: 冷気は窓からやってくる! 窓をふさぐのが最大の防御!

上の写真は、車中泊雑誌『カーネル』&SOTOBIRAアンバサダーで軽キャンパー・テントむしで全国を旅する車中泊女子・まるななさんの窓対策。

フロント窓にはアイズ・マルチシェード。車内の窓は断熱ボードで壁ごとふさぎ、寝室のボディに伝わる冷気をシャットアウトしている。

また内張り全体をフリース布などで覆ってしまうのも効果ありだ。

画像5: 冷気は窓からやってくる! 窓をふさぐのが最大の防御!

最強の冷気遮断術は、シェード+フリース布の二重構造にすること。フリース布は窓枠上部から寝床の下部まで隙間なく覆っておけば、その効果は高い。

床冷え対策をしっかりと! 荷室就寝ならマットを活用

画像: 安価で気軽に買える銀マット。寝心地を重視するなら、車中泊用やキャンプ用のマットやベッドを買うのがおすすめ。

安価で気軽に買える銀マット。寝心地を重視するなら、車中泊用やキャンプ用のマットやベッドを買うのがおすすめ。

荷室フロアでの就寝は、床冷えに要注意だ。とくに商用車には鉄板むき出しのタイプも多くあり、床からの冷えに悩まされる。

車中泊用やキャンプ用の厚手マットを敷き、しっかり床冷え対策をしておこう。銀マットを使用する場合は、銀の面を体側にして寝ると、体の熱を反射して暖かい、という説もある(諸説あり)。

車内スペースに余裕があれば、キャンプ用のコットを使ったり、家庭用の羽毛布団を使うのも手。

羽毛布団はかさばるが、ダウン製寝袋よりも安く購入できる。車内スペースに余裕があるなら、活用するのもおすすめ。

ステップからの冷気侵入も見逃すな! 手荷物とビニールで防ぐ!

画像: 冬の車中泊はスライドドアのステップから這い上がってくる冷気を遮断しよう。

冬の車中泊はスライドドアのステップから這い上がってくる冷気を遮断しよう。

意外と見落としがちなのが、スライドドアのステップから這い上がってくる冷気。ここも抜かりなく防寒対策をしておこう。

簡単な方法としては、大きめのビニール袋に洋服などを詰め、ステップをふさいでしまうこと。中に詰めるものは柔軟に形状を変えられる、柔らかい布類がいい。出入りの際は外す必要があるが、ビニール袋が1枚あれば身近なものを流用でき、簡単に対策できる。

車中泊場所も「防寒」を心がけて選ぶ

画像: オートキャンプ場の電源サイトを利用するのも手。屋外延長コードで電気を引き込み、電気毛布などで暖まれる。

オートキャンプ場の電源サイトを利用するのも手。屋外延長コードで電気を引き込み、電気毛布などで暖まれる。

車中泊する地域、環境なども意識すれば、防寒対策につながる。例えば環境なら、風の通り道など、直接風が当たる所は避けよう。あっという間に車が冷えてしまう。

また、夏の暑さ対策とは反対で、冬はなるべく標高の低い地域で車中泊するというのもいい。防寒を意識して探してみよう。

体の保温対策

人間は100W程度の熱を発しているといわれている。この熱を逃さず、いかに体にとどめておくかが冬車中泊を乗り切るポイントだ。保温はもちろん、効果的に体を温めるコツを紹介しよう。

本格的なアウトドアメーカーの厳冬期用寝袋がベスト!

画像: カーネル編集部員は、モンベルのダウンハガー#0やバロウバッグ#1を冬車中泊で使用している。

カーネル編集部員は、モンベルのダウンハガー#0やバロウバッグ#1を冬車中泊で使用している。

アウトドアブランドの厳冬期用寝袋は、冬山登山での使用にも耐えうる機能を搭載。体から発する熱を逃がさず、大きな膨らみに暖かい空気を蓄え、寒い環境でも暖眠できるようになっている。

さらに、収納性が高いのも魅力。このアウトドアで培われた技術は、冬の車中泊でも存分に活用でき、しかも安心感が高い。冬車中泊の必須アイテムとして備えておこう。

「重ね着」で暖かい空気の層をまとう

画像: 車内は限られたスペースなので、ダウンベストなど腕周りが動かしやすいものが便利。

車内は限られたスペースなので、ダウンベストなど腕周りが動かしやすいものが便利。

自分の体温を逃がさずに蓄える方法のひとつが、服を重ね着すること。インナーは吸湿速乾素材や発熱素材のものを着用。体から出る水分(汗)を吸い取って、汗冷えを防いだり、その水分を熱に変換したりしてくれる。

その上には、暖かい空気の層をまとえるフリースやインナーダウンを。それでも寒ければ、さらにダウンなどを着ればOK。暑さや寒さによって、脱ぎ着して体温調整を行おう。

「3つの首」を温めると、体感温度がアップする!?

画像: ネックウォーマーで首を温めるのも効果的。加えて、体の熱を放出しやすい頭も、ニット帽などで保温。

ネックウォーマーで首を温めるのも効果的。加えて、体の熱を放出しやすい頭も、ニット帽などで保温。

首、手首、足首の3つの「首」まわりは、皮膚が薄く、寒さを感じやすい場所。だからここを温めることで、体感温度がアップするいわれている。ネックウォーマーや足首までカバーする靴下を着用し、積極的に3つの首を温めていこう。

画像: 就寝時は、ゆるめのソックスやレッグウォーマーなどで足首の保温を。

就寝時は、ゆるめのソックスやレッグウォーマーなどで足首の保温を。

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