宮本芽依さん
昭和女子大学国際学部で中国語を学ぶ大学生。バンライフの世界観に憧れ、自身でも実践してきた行動派。そして、2022年に本格的なバンライフのためにクルマを改装。現在はこのクルマに住みながら勉学に励んでいる。
IKEAが彩るVANLIFEスタイル
大学生の宮本芽依さんの一日はこのクルマの中からスタートする。そう、彼女は実際にこのクルマで寝泊まりしながら、日々生活しているのだ。
そもそも、大学の授業がリモートになったこともあって、全国を旅しながら、全国各地でリモート授業を受ける予定だったという。
「バンライフという言葉を知ったのは高校生の時でした。インスタグラムなどで見て、憧れてはいたのですが、まだ自分には早い、と思っていました」
「でも、コロナの影響で大学生活も大きく変わって、このままの生活を送っていていいのか? と考えるようになり、バンライフに挑戦してみたくなったのです」
「キャンピングカーは大人が持つもの」というイメージがあり、実現できるか疑問に思うときも。しかし、大学生が全国をめぐりながらリモートで授業を受けるライフスタイルができたら「やりたいことに年齢も性別も関係ない」ことが証明できる。
そう思い、バンの改造費を集めるクラウドファンディングに挑戦した結果、約120万円の資金が集まった。
クルマは自分のお金で購入し、集めた資金でカスタムをスタート。そして、クルマが完成すると、お披露目会も行われた。
しかし、今度は大学の授業が対面に戻り、リモート授業の計画が当面白紙になってしまった。そこで、シェアハウスの駐車場にクルマを止め、クルマでの生活を始めた。
現在はインテリアの最終仕上げをしながら、次なるバンライフへの準備を進めている。
フロントとリアの2ルームが心地よいライフスタイルをつくる
エントランス部分にキッチン、リアにリビングスペースを設けた2ルーム仕様の室内は全面を木材で覆い、鮮やかなブルーカラーで塗装されている。
そして、ふたつの部屋を隔てているのが、特徴的なスライド式の扉となる。リアの天井に続く格子のデザインが日本的な雰囲気だ。
どこか日本的でかつ北欧風なインテリアに仕上がっているが、これも宮本さんが求めたスタイルだった。
「デザインのコンセプトはジャパンディというものでした。日本と北欧のデザインをミックスさせたデザインで、海外では人気のあるカテゴリーです。そのイメージを大切にして、まず最初にこの日本的な格子を取り入れようと考えていました」
壁の色は全体のカラーを見てプロのアドバイスがあったという。「R.T.Hemmaのインテリアディレクター・竹川倫恵子さんにたくさん意見をいただきました」
「イケアでインテリアデザイナーをされていて、北欧のインテリアの知識をたくさんお持ちの方です。ただ空間をおしゃれにするのではなくて、ライフスタイルに合った内装を作ることの大切さを学びました。壁のカラーも提案があり、車内全体の調和が取れて、素晴らしい仕上がりになりました」
家具類や雑貨はイケアでそろえたという。キッチンもイケアのシステムキッチン。小物まで、ほとんどがイケアのアイテムでそろっている。
「北欧デザインが好きなので、イケアでそろえましたが、クルマを見た人へ商品を紹介しやすいのもいいと感じています。みんなで理想のバンライフを楽しんでもらえたらうれしいですね」と笑顔の宮本さんであった。
イケア雑貨でDIY 北欧と日本のデザインが融合したジャパンディを求めて
イケア雑貨が彩る、洗練された車内インテリア。注目のポイントを紹介していこう。
ベース車両はキャラバンの福祉車両で上部にルーフガラスが装備されている。その窓から、リアのリビングエリアに光が降り注ぎ、室内は非常に明るく開放感のある空間になった。
リアはベンチシートがコの字になっていて、センター部分にマットを敷き詰めれば、ベッドエリアになる。マットは畳で作られていて、畳店にオーダーして作ってもらったという。テーブルを設置すれば、大人数でテーブルを囲む掘りごたつスタイルも可能だ。
天井は木材が格子状になったテクスチャー。日本的なデザインを採用するために、宮本さんが当初から考えていたデザイン。黒く塗った板に木が張られている。
リア左サイドには既存の窓を利用して、木の枠を取り付けたシネマティックウインドーをイメージ。窓から見える景色をピクチャーフレームのように切り取り、車内のインテリアとして活用する。
上部のルーフガラスとのサイズ比率に白銀比が採用されていて、日本人が心地よく感じる景色をつくり出している。
はがきサイズの穴はメンテナンスホールとして壁に開けられたもの。
小物収納のためにイケアの有孔ボード「スコーディス」を使うことにした。いろいろなオプションパーツがあって、拡張性の高い収納システム。
リア左側にはホワイトボードが取り付けられた。これもIKEAのアイテム。勉強をするときに活用されているという。
本を入れているのはイケアの収納ボックス「ウップダテラ」。現在進行中のプロジェクトのため、本にたくさんの付箋が挟んである。