キャンプのプロがたどり着いた快適スタイル

ミッドシップ4WD を採用したホンダZ。生産終了モデルだが、その形と機能性に憧れ手に入れた。
キャンプ場に到着したホンダZから現れたのは、アウトドアブランド「38エクスプロー」を主宰する宮崎さん。

タープの設営は一方をクルマに、もう一方はポールを使って立ち上げる。ポールを2本使うより簡単だ。
サイトを眺めて、風や日の向きを確認すると、クルマの位置を少し移動して、ラゲッジから荷物を降ろし始めた。サイトに並べられたアイテム点数は驚くほど少ない。

クルマに取り付けられたラックとタープをロープで接続。特別な金具を使わなくても簡単に接続できる。
「昔はたくさん荷物を積み込んでキャンプに行っていましたが、徐々に荷物が少なくなってきて、今ではこの小さなクルマに積み込める量になりました」という。

タープの張り綱に自在金具を使うことなく、ハーフヒッチを組み合わせたロープワークでテンションをかけている。
もちろん、最初はテント泊をしていたというが、最近では、テントを使わない車中泊キャンプのスタイルが多いそうだ。

アイテム点数が少ないが、なかでも目立っていたのは、大きく頑丈そうなボックス。
その中にキャンプ道具をまとめ、クルマにボックスを積み込むだけで、キャンプの準備が完了するようになっている。海外キャンプ旅行も、このボックスを飛行機に持ち込んで完結しているほどだ。

コットと蚊帳をセットして、いつでも昼寝できるようにしている。蚊帳は風が抜けて気持ちいいという。
宮崎さんは登山などをしていて、キャンプに目覚めてからは、自身で道具を集めて楽しむようになった、根っからのキャンプ好き。そのアイテム選びにもこだわりがある。

焚き火セットも定番となっている。キャンプ料理をするというよりは、焚き火を純粋に楽しむためのアイテムだ。
「派手なカラーは選ばないようにしています。また、欲しいと思ったものは本物を買うことにしています。妥協して手頃なアイテムを買うと、後で買い直すことになるので」
そして、今ではアウトドアブランド「38エクスプロー」を立ち上げて、こだわりのアイテムを作り出している。

コンパクトに収納できるパッキング性能、いろいろな使い方ができる拡張性など、機能性を追求したギアがラインアップされている。
自作のベッド板で軽の車内でも快適な車中泊

キャンプ道具を収納した車内の様子。コンパクトな軽自動車でも、後方を確認できるほどスペースに余裕がある。

シートカバーはOGC。エーモンがアウトドア&クルマをコンセプトに展開するブランドだ。

車内のベッドは板とエアマットを組み合わせている。シートを倒して、リアにスペーサーを入れて水平を保つ。

ベッド用板は自作で折り曲がるようになっている。

この状態が就寝スタイル。

リアのラダーはRVR用を利用して加工。

ベッド用板は桐で作っているので軽量設計。全身をカバーする大きさながら、片手で持てる重量。

車中泊では車内でもくつろげるようにテーブルをセッティング。
※「38explore 宮崎さんの車中泊キャンプスタイル②」ではキャンプ編を紹介します。

ーVAN CAMPER PROFILEー
宮崎秀仁さん
子どもの頃から登山を始め、アウトドアを楽しんできたプロフェショナル。アウトドアプロダクトデザイナーとして「38explore」を主宰する。
写真:中里慎一郎
文:渡辺圭史
出典:カーネル2021年秋号 vol.51