キャンプのプロがたどり着いたのは「車中泊キャンプ」スタイルだった
▼前回記事「キャンプのプロがたどり着いた 「車中泊キャンプ」スタイルとは① 38exploreさん」▼
クルマから荷物を降ろし始めると、あっという間にサイトが完成。
クルマにキャンプ用のタープを接続して、テーブル、チェア、焚き火台、そして、休憩用のベッドまで並べられた。
コンパクトなテーブルA38grateの上にセットされているのはコーヒーセット。
三脚だと高さを調整できるので、コーヒーを淹れるのもスタンディングスタイルとなり、姿勢が楽。ドリッパーにはコンパクトに収納できるMUNIEQ のTetra Dripを使っている。
こちらのマグは、カタパルトファクトリーとアシモクラフトのコラボレーションモデルFIKA12_A。手になじむ造形が美しい。現在ではレアアイテムとなっている。
サイト設営もルーティーン化されているようで素早い。
「準備には時間がかからないように気をつけています。道具選びでも、簡単にセッティングできるモノが優先されるかもしれません。セッティングが早いと、時間に余裕が生まれて、ゆっくりできますから」
サイトでのんびりするために、セッティングの時間も短くなっていったという。その過程で、車中泊を取り入れ、キャンプスタイルも大きく変わった。
移動で利用するクルマがテントとなり、準備時間と荷物を同時に減らすことができたのだ。
食事の時間になると、シングルバーナーとホットサンドメーカーで次から次へと調理をしていく。
「あまり料理にこだわることはありません。手元で焼くだけで完成するメニューが多いです。肉を焼いたり、このレトルトの餃子なども定番メニューになっています」
RidgeMonkeyコネクトコンパクトサンドウィッチトースターは分割でき、2つのフライパンとしても利用可能。肉を入れて、両面をしっかり焼けば、こんがりとしたおいしそうな焼き目がつく。
アウトドアでの料理は簡単なものが多いという。焼いた肉などを大皿に盛り付けて完成するワンプレートスタイル。あっという間に豪華な食事が準備された。
すべてが終わると、イスに座ってのんびり。宿泊する場合は、早めにビールを手にすることもあるそうだ。
イスのベースはカーミットチェアだが、オールドマウンテンのパーツでカスタマイズしたモデル。背もたれの生地などが交換されていて、肘掛けも木製の大きなタイプに変更されている。
背もたれの後ろにはポケットが付いていて、座り心地、使い勝手が向上した。
昼寝を挟んだり、自由に過ごすことを大切にしているのが分かる。そして、クルマに乗り込んで就寝。
車内にも小さなテーブルがセッティングされ、くつろぎスペースが広がる。
車中泊になって後片付けも楽になった。雨が降ってきても、テント撤収の憂うつがない。
おかげでキャンプにも行きやすくなった、とその効果を実感している様子だった。
38explore Gear pick up
多くのファンに支持されている宮崎さんが作ったブランド「38 エクスプロー」。その一部を紹介しよう。
ブランドの定番モデルA38grate。組み合わせによって、色々な使い方ができる。天板のウッド部分はオフセットでき、天板部分を広く使うことも可能。ワイヤ部分はロストルにもなる。
38 エクスプローとThe Arthのコラボレーションモデルとなるミル男。単体でも、カメラの三脚をセットしてもテーブルになる。本体に付属されているアルミパイプを使って両サイドの拡張も可能。
A38grateにSOTOのシングルバーナーST-310をインストールするアタッチメント38GT310。風防などもすべてセットになり、収納ケースはCB缶のカバーとしても使えるアイデア商品。
Goal Zero LIGHTHOUSE microに装着して使うランタンスタンドZEROPOD38。3本脚のスタンドとして利用したり、テーブルサイドに取り付けて高さのあるライトスタンドとしても使用できる。
ーVAN CAMPER PROFILEー
宮崎秀仁さん
子どもの頃から登山を始め、アウトドアを楽しんできたプロフェショナル。アウトドアプロダクトデザイナーとして「38explore」を主宰する。
写真:中里慎一郎
文:渡辺圭史
出典:カーネル2021年秋号 vol.51
※当記事はカーネル2021年秋号 vol.51を再編集したものです