キャンピングカーのオーナーは、ペット連れの割合が非常に高い。
ペットは大切な家族の一員。旅行も一緒に連れて行きたいと考える人は多いが、ペットと一緒に泊まれる宿泊施設が限られるため、ペット連れで気軽に旅行をすることは難しい……。
そんな悩みを持つペットユーザーにピッタリなのが、プライベート空間ごと移動できるキャンピングカーだ。
今回のコラムでは、快適にペット旅を楽しめるキャンピングカーの魅力や優位性についてお話する。
キャンピングカーならペットと一緒に自由な旅を満喫できる!
普通車でペットと旅行をする場合は、ペットと泊まれるホテルや旅館、ペンションなどを探して事前予約することが必須となる。
ただし、ペットを受け入れてくれる宿は少数派で、行きたい場所に必ずあるとは限らない。施設の数が少ないぶん、ゴールデンウイークやお盆、年末年始などの繁忙期は予約を取るのも大変だ。
そんなとき、「動く家」であるキャンピングカーがあればノープロブレム。車内でペットと一緒に生活や就寝ができるため、宿泊先を予約する必要がなく、ペット連れでも気軽に旅を楽しめる。
キャンピングカーにペットを乗せて出発し、行きたい場所に行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、眠くなったら眠る。
万が一、ペットの体調が悪くなったら旅を早めに切り上げればいいし、逆に時間が許すなら旅の期間を延長するのも自由だ。
キャンピングカーは動くプライベート空間
プライベート空間ごと移動できるのが、キャンピングカーの最大の利点だ。
キャンピングカーなら、家にいるときと同じような感覚で生活することが可能。ダイネットでペットと一緒に食事をとり、フラットなベッドスペースでペットと一緒に就寝する。
広い室内はペットにとっても落ち着いて過ごせる空間なので、食事や入浴などで留守番させておく際も安心だ。ほかにも、屋外シャワーで散歩後にペットの足を洗えるなど、さまざまな面でキャンピングカーとペットの親和性は高い。
エアコン装備は夏のペット旅の必需品
ここ数年、リチウムイオンバッテリーの採用やソーラー充電システムの大出力化で、サブバッテリーによるエアコンの長時間稼働を実現したキャンピングカーが増加している。
そうしたモデルなら、エンジンを停止した状態でも車内を快適な温度に保つことができ、夏場でもペットと一緒に快適に過ごせる。
食事や入浴などでペットを短時間、留守番させておく際も、エアコンで車内を適温にキープできるので安心感が高い。
エンジンストップ状態で使用できるエアコンシステムは、もはやペット旅の必需品と言っても過言ではない。
キャンプ場やRVパークを利用しよう
キャンピングカーを使った遊び方で、ワンコ連れにとくにおすすめなのがオートキャンプだ。一部にペット不可のキャンプ場もあるが、ペット同伴OKで場内にドッグランを完備したキャンプ場も多い。
なかには犬を放し飼いできる「ドッグランサイト」を備えたキャンプ場もあるので、ノーリードで愛犬をのびのびと遊ばせたいなら、そうした設備のあるキャンプ場を探してみるのも手だ。
観光メインの旅がしたいなら、RVパークの利用がおすすめだ。
AC電源が使えるので、サブバッテリーの容量を気にせずに長時間エアコンを稼働することができ、暑い夏のペット旅でも快適に車中泊を楽しめる。
ドッグランを完備したRVパークもあるので、そうした施設も積極的に活用しよう。
ペットにストレスを与えないキャンピングカーを選ぼう
キャンピングカーがあれば、ペットとの生活がより楽しく快適になる。
どんなキャンピングカーでもペット旅は楽しめるが、移動や車内生活でペットにストレスを与えないように、できるだけ室内スペースに余裕のあるモデルを選ぶのが重要だ。
ペット旅で使用することが前提なら、シートやベッドの生地は毛が付きにくく汚れが落ちやすいビニールレザーがおすすめ。
できれば、夏場でも涼しく過ごせるエアコン付きのキャンピングカーがベストだ。
最近では、防水・防汚素材のシート&ベッド生地やペット用ベッド、リードフック、ケージ収納スペースなどを完備した「ペット仕様」も増えているので、ペット旅がメインならそうしたモデルを選択するのもひとつの手。
キャンピングカーの利便性を武器に、大切なペットと安心・快適な旅を満喫しよう!
文:岩田一成
写真:岩田一成、中里慎一郎
岩田一成プロフィール
キャンピングカーライフ研究家/ライター。新車のキャンピングカーを3台乗り継ぎ、家族と一緒に1000泊以上のキャンプ・クルマ旅を経験。雑誌、書籍、新聞、WEB、イベント、テレビ、ラジオなど、様々な形でキャンピングカーの魅力を発信している。著書「人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門」(グラフィス刊)