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【概要】信州の車中泊旅ガイド① おすすめの信州そば、焼き肉の街・飯田の焼肉店、名所を車中泊の旅人・ruiが紹介。

車中泊年間300日以上の達人・ruiがめぐる信州の旅。夏でも涼しい標高1000m以上のスポットを中心に旅したが、こちらでは標高1000m未満でも立ち寄りたい長野の名所や、そば、焼肉の名店を紹介。

※信州・車中泊旅② 標高1000m以上の旅は近日公開予定です!

信州そば攻略ガイド

昼夜の寒暖差が激しく、水はけのいい山の土地がそば栽培に適していた信州。そば店の数ももちろん日本一の信州まで来たなら、やっぱり本場で信州そばを食べたいところ。

とはいえ「信州そば」とひと口に言っても、そば粉の種類や産地、ひき方や作り方、さらには時期や食べ方によっても名前が変わり、ざっと調べても40 種類以上に分類される。

ここでは、ほかではなかなか食べられない厳選そば7種類+αを紹介しよう。

戸隠そば「うずら家」

画像1: 戸隠そば「うずら家」
画像2: 戸隠そば「うずら家」

戸隠神社の山門前にある「うずら家」はすぐに予約でいっぱいになる老舗。甘皮を取らずにひく「挽きぐるみ」のそばを使い、薬味に辛味大根が使われる。

高遠そば「ますや」

画像1: 高遠そば「ますや」
画像2: 高遠そば「ますや」

かつては福島県会津で受け継がれてきたそばの食べ方が発祥の地・高遠に逆輸入して帰ってきたもの。辛味大根の搾り汁と焼き味噌で食べるのが特徴。

韃靼(だったん)そば「黒耀」

画像1: 韃靼(だったん)そば「黒耀」
画像2: 韃靼(だったん)そば「黒耀」

ルチンの含有量が普通そばの120倍の韃靼そば。苦そばとも呼ばれるが、ここで使用している長和町産の韃靼そばは苦くなく、芳醇な味と香りが特徴。

どうづきそば「そばきり道玄」

画像1: どうづきそば「そばきり道玄」
画像2: どうづきそば「そばきり道玄」

石臼を使用せず、日本に4台しかない特殊な機械で作られるどうづきそば。そば本来の香りと甘みを最大限に引き出し、水そばや藻塩などで食べる。

霧下そば「花屋」

画像1: 霧下そば「花屋」
画像2: 霧下そば「花屋」

野尻湖畔の「花屋」では100%地粉を使用。黒姫山麓で霧に包まれて育つ霧下そばは風味、甘みがとにかく豊かだか、どこかなじみのある懐かしい味わい。

行者そば「梅庵」

画像1: 行者そば「梅庵」
画像2: 行者そば「梅庵」

修験道の開祖・役小角がそばの種子をもたらした伝説に由来する。辛味大根と焼き味噌で食べるのは、畑にあるものだけでそばを食べていた名残らしい。

とうじそば「福伝」

画像1: とうじそば「福伝」
画像2: とうじそば「福伝」

寒さの厳しい奈川の郷土料理とうじそばは、野菜や鶏肉を味噌で煮込んだ鍋にとうじカゴで蕎麦を温めて食べる。最後はお米と玉子でおじやにすると温まる。

+α 伊那のご当地グルメ・ローメン

画像1: +α 伊那のご当地グルメ・ローメン
画像2: +α 伊那のご当地グルメ・ローメン

ローメン発祥の店「萬里」でスープタイプ、「うしお」で焼きそばタイプ、同じローメンでもまったく違う味わい。どちらも試してみよう。

日本一の焼肉の街・飯田

画像: 信州飯田焼肉研究所には、ギネスにも認定されている世界で一番長い鉄板が展示されている。

信州飯田焼肉研究所には、ギネスにも認定されている世界で一番長い鉄板が展示されている。

何をもって「日本一」かというと「人口1万あたりの焼肉店の数が全国最多」。

昔から一家にひとつ焼肉のタレのレシピがあったり、どこの家にも鉄板があるなど焼肉文化が盛んだった飯田市。

画像: 信州飯田焼肉研究所では数少ない文献などを調査し、なぜ飯田が焼肉の街になったかの考察が詳細に書かれた展示や、焼肉そのものの販売も行っている。

信州飯田焼肉研究所では数少ない文献などを調査し、なぜ飯田が焼肉の街になったかの考察が詳細に書かれた展示や、焼肉そのものの販売も行っている。

市内に焼肉店が異常に多いなと違和感を感じていたところ、同じく焼肉の街として有名な北海道北見市が平成24 年に調査した結果、飯田市が全国1位だったことが判明し、連絡があったらしい。

地方都市にもかかわらず市内に55軒の焼肉店が軒を並べる飯田市は、コンビニより焼肉店のほうが多いという。

やきにく徳山

画像1: やきにく徳山
画像2: やきにく徳山

創業70年、飯田で最古の「やきにく徳山」。老舗感満載のガスコンロでサガリやマトンを焼くのが地元流。

のんきや

画像1: のんきや
画像2: のんきや

飯田でおすすめの店を聞くと高確率で出てくる「のんきや」はファミリー向け。カルビのうま味が絶品。

ろくなもんじゃねぇ

画像1: ろくなもんじゃねぇ
画像2: ろくなもんじゃねぇ

駅前にある「ろくなもんじゃねぇ」は飯田では珍しく七輪で焼くスタイル。おひとり様でも入りやすい。

標高1000m未満だって立ち寄りたい長野の名所

長野の魅力は高原だけにとどまらない。寺社で一番有名なのは善光寺だが、駐車場が少なく一方通行も多いので、行きやすいのは断然諏訪大社だ。

標高1000m以下の都市部といえど、市役所の所在地でいえば、松本市役所は592m、諏訪市役所は761m、日本一標高の高い市役所である茅野市役所で801m。

3000m級の山々を市街地から見上げても富士山を見上げたときほど高く見えない理由は、じつは長野県が全体的に標高が高いからなのだ。

諏訪大社は全部で4つ! 四社めぐりで御利益アップ

画像: 諏訪大社は全部で4つ! 四社めぐりで御利益アップ

上社本宮(左上)、上社前宮(右上)、下社秋宮(左下)、下社春宮(右下)はすべて諏訪湖周辺に位置するので1日で全部めぐるのも容易である。

7年に一度執り行われる御柱祭は平安時代から続く神事で、祭りのハイライトである巨木を山から曳き下ろすダイナミックな「木落し」を見に、全国から多くの観光客が訪れる。次回の開催は2028年。

まるで『テルマエ・ロマエ』の世界 一度に1000人入れる「千人風呂」

画像: まるで『テルマエ・ロマエ』の世界 一度に1000人入れる「千人風呂」

大正から昭和にかけて製糸業で栄え、「シルクエンペラー」と呼ばれた片倉財閥。

地域住民の厚生と社交の場として昭和3年に建設した片倉館には「千人風呂」と呼ばれる大浴場があり、現在でも日帰り入浴できる国の重要文化財として人気がある。

深さが1.1mある底には玉砂利が敷き詰められており、立って入浴する変わったスタイル。実際に『テルマエ・ロマエⅡ』ではロケ地に使われた。

現存天守12城、かつ国宝5城のひとつ 長野観光では外せない漆黒の城

画像: 現存天守12城、かつ国宝5城のひとつ 長野観光では外せない漆黒の城

現在まで天守閣が残っている12城で、さらに国宝に指定されている5城が姫路城、彦根城、犬山城、松江城、そして松本城。

現存天守12城のなかで唯一平地に建てられた平城で、そのため幅の広い三重の堀で囲まれている。

黒漆で塗られた壁面が特徴的で、白鷺城と呼ばれる姫路城に対し松本城は「烏城」とも呼ばれることがあるが、「文献にそんな記述はない」と公式に否定されている。

黒澤映画にも登場した原風景 安曇野に広がる日本一のわさび農場

画像1: 黒澤映画にも登場した原風景 安曇野に広がる日本一のわさび農場

わさびの生産量全国一位の長野県、そのなかでも特に生産量が多い安曇野市に広大な敷地をもつ大王わさび農場。

冷たく清らかな北アルプスの雪解け水を利用し、東京ドーム10個分の広さを誇る農場を無料で見ることができる。

黒澤明監督の『夢』のロケ地にもなった水車小屋や、さまざまなわさびグルメを楽しむことができる。特にわさびソフトは食べたあと一日中わさびの香りが鼻に残るほど香り豊か。

rui プロフィール

画像2: 黒澤映画にも登場した原風景 安曇野に広がる日本一のわさび農場

ホンダN-VANをDIYして、年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅する人。もともとサウンドデザイナーだったが、旅の風景を写真や映像で撮るようになり、現在はライターとしても活動中。

写真、文:rui 
初出:カーネル2023年7月号vol.61 

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