沖縄をのぞく全国46都道府県に1200店以上を展開するホームセンター「コメリ」には工具「K+GEAR」、家庭菜園用品「Breezy Green」、ペット用品「Pet ami」など10ほどのプライベートブランド(以下、PB)があるのをご存じだろうか。
もちろんアウトドア&レジャーのPBも用意されており、その名は「Natural Season(ナチュラルシーズン)」。黄色に黒文字、1本の木立をあしらったロゴが目印だ。
PBは小売店や流通業者らが企画・開発した独自ブランドで、製造は名の知られたナショナルブランドが行っていることも多い。
品質は他ブランドと遜色なし。それでいてユーザーの好みを的確にとらえたデザインや機能を搭載し、リーズナブルなのが特徴だ。
大手ホームセンターの多くはアウトドア系PBを展開しており、近年のアウトドア人気の影響で大注目されている。
そんなコメリの「Natural Season」ではなんと、過去10年で売り上げは約2.5倍に伸びているという。
「『Natural Season』のテーマは手軽に自然を楽しもう。世界のベストソースから一括発注、一括仕入れを行うことで低価格を実現しています。
また、コメリはご自宅にも、バーベキューをする川原、そしてキャンプ場のそばにも店舗があります。つまりお客さまにもっとも近いキャンプ用品を購入できる店。
身近で手軽に購入していただこうと商品開発しています」(コメリ 日用品・家電・カー・レジャー用品商品部ゼネラルマネージャー 鶴巻寿和さん)
「Natural Season」の注目アイテム
現在発売されている製品のなかで、ヒット中のアイテムを教えてもらった。
昨夏から販売されている「フラットトップ クーラーボックス」は、手頃な価格とテーブルになるフタが受けて大ヒット。
扱いやすい4サイズでソロ〜ファミリーまで満足するサイズ展開も魅力となっている。
今年は継ぎ目のない一体成形、厚さ4.5cmほどの分厚い断熱材を用いた「ハードクーラーボックス」で追い打ちを掛ける模様。
「ハードクーラーボックス」には角を利用した栓抜きが。
よく見ると底には小さな脚が付いている。底が地面にべったりつかないので汚れにくく、衛生的でもある。
「Natural Season」ではクイックアップテントシリーズを発表しており、初心者を中心に評判となっている。
インナーと一体型のフレームで、だれもがフレームを持ち上げるだけの簡単設営なのが人気の理由。
フレームを伸ばす必要がないから、狭いサイトや混雑したフリーサイトでも設営しやすい。
今年の新作、ファミリー用の2ルームテント「Q-UPツールーム DXファミリーテント K4P+V」で2万9800円。インナーテントには両サイドにも大型のメッシュ窓があり涼しく過ごせそう。
ソロ用の「ソロドームテント 1人用 KSOLO-B」はクイックアップ式で7980円、ポールを通すタイプならなんと5980円。1万円でおつりがくるのはスゴイ。
後部にも大型メッシュドアを装備し、涼しいうえに荷物の出し入れをスムーズに行えるようになっている。
2020年頃から力を入れているのが焚き火用品。
なかでも二次燃焼型の「ステンレス焚き火ストーブ」はソロ用で2480円、φ36cmの大型サイズでも1万9800円と手に取りやすい。
アカシアの薪は長さによって3種類。累計75万個を販売している大ヒット商品だ。
国産薪では全国1200以上の店舗に流通させるだけの量を安定的に確保できないため、ベトナムのアカシア材を利用しているという。
石混じりの硬い地面でもグングン入っていく「スチールソリッドペグ」は4本セットで20cm798円、30cm998円。
頭に蓄光リングを取り付けており、日が沈んでもぼんやりペグの位置をアピールしてくれると話題のペグだ。
秋冬キャンプのあったかギア
会場には8月デビューの秋冬キャンプ向け新製品も展示していた。
外側は難燃素材、内側は起毛、そして内側にはアルミの保温シートを入れており、焚き火のそばでも安心して使える保温性の高いブランケットに仕上げている。
肩からすっぽり覆ってもいいし、広げて寝袋にかけてもいい。
昨年12℃の寝袋がデビューしたが、“もっと寒い時期に対応する寝袋がほしい”というユーザーの声にこたえ、待望の5℃対応「連結できる寝袋」が誕生。ファミリーキャンプや車中泊を助けてくれる。
今やキャンプの必需品、オリコン(折りたためるコンテナ)。
重ねられて、使わないときはたたんでおける便利なケースだが、積み重ねると下段のモノを取り出しにくい。
秋の新作では4つの側面に窓を設けており、簡単に中にアクセスできるのだ。
それぞれのサイドドアにはロックが付いているので、不意にドアが開いて中身が散らばることはない。
サイドドアを開けた状態でも、しっかりしていて上段のオリコンをしっかり支えてくれる。
取り外し自由な木製天板付き。オリコンとして小物を収納するだけでなく、テーブルとしても活用できる。
燃料・日用品の補充やDIYの材料集めのために立ち寄ることが多いホームセンター「コメリ」。今後はキャンプコーナーをチェックして、良質な新作を探すのも楽しみになりそうだ。
※掲載している情報は2023年6月中旬時点のものです。仕様や価格は変更になる場合があります
写真、文:大森弘恵
大森弘恵プロフィール
キャンプを中心としたアウトドアや旅の雑誌、ウェブメディアなどで活動するフリー編集者&ライター。キャンプの仕事に携わること約30年、ソロキャンプ歴は36年のおひつじ座 。