以前もお伝えしたとおり、アメリカ大陸にはいくつもの州間フリーウエイが走っている。I-40はノースキャロライナ州の東の海岸ウィルミントンから、西はカリフォルニア州の内陸の街バストウまでを東西に結ぶ、全長4118kmの主要幹線高速道路。
テキサスの大都会ダラスを後にした我々は再び北上しI-40を目指す。I-40はその昔ルート66として使われていた道路と平行したり交差する場所も多く、そのカルチャーに触れることもできる。
I-40に入りまず立ち寄ってみたのが、アマリロという街にあるルート66のアイコンのひとつでもあるキャデラック・ランチ。大きなテールフィンを持つ50年代のキャデラック10台の、前半分が地中に埋められて仕上げられたパブリック・アート。
埋められたときにはピンクやスカイブルーだったオリジナルカラーのボディは、何十年もの間に訪れたビジターによって、スプレーペイントが施され、サイケデリックないでたちとなっている。現場を訪れると家族連れがペイントしていて、周囲にはラッカー臭がするほどだ。
世界のあちこちで歴史的なアイコンに落書きをして問題になるという事件は時折ニュースで見かける。ここも州法では落書き禁止なのだが、私有地であるため事実上、容認されているとのことだ。
アマリロを出て数時間西に走ると、ニューメキシコ州に入る。その名のとおりメキシコ的な文化が色濃く残る州で、アドビ様式の優しいカーブを描く建築物がたくさんあり、ヒスパニック系の陽気な人々が数多く暮らす、個人的に大好きな州だ。
ニューメキシコ州に行ったら訪れたいのがすてきな教会などの建物が並ぶ街。特にサンタフェやタオスにはミッションと呼ばれるキリスト教の巡礼ルートがあるため、美しい街という印象だ。
土色の壁にターコイズブルーの縁取りがされた窓枠を持つ建物など、まばゆい太陽の光に照らされたこの街からは、常に新鮮なエネルギーを感じ取れる。
アメリカ50州の中でも、個人的にはトップクラスに入るフェイバリットステートであるニューメキシコ。皆さんにもぜひ一度立ち寄ってほしい場所だ。
Check!① スマートフォンをベースにしたCarPlayは長距離ロードトリップに欠かせないパートナー
今回ロードトリップに使ったクルマはナビが装着されていないので、アップルCarPlayが使える、後付けのALPINE製オーディオを使うことで快適なロードトリップを実現できた。ここではその便利な使い方をお伝えしたい。
まずはiPhoneに内蔵されているMapsやGoogleMapを使えるので、検索情報がリアルタイムなのが抜群に便利。たとえば前方で渋滞が発生したときには迂回ルートも表示される。さらに自分の場合はBGMが欠かせないので、iPhoneに内蔵している数千曲の音楽をいつでも再生可能。メインで使いたいマップとミュージックプレイヤーが同時に表示できるのもイイ。
また言語が対応していればテキストメッセージなどを読み上げてくれるし、その返信はボイスコントロールで入力から送信操作までできるので、ハンズフリーで使えるからとても安全。さらにMapsを使っている場合はアップルウォッチと連携して、音声だけでなくバイブレーションで次の交差点などを教えてくれるのも、かなり気に入っている。
ボクが選んだALPINEの機種はマルチカメラに対応しているので、フロントにもカメラを装着した。普段もギリギリの場所に縦列駐車をすることが多いアメリカのクルマ事情もサポートしてくれる。
Check!② ロードトリップのガスストップはこまめな給油が必須
日本でもそうだが、知らない場所に出かけるときにはこまめな給油が絶対条件だ。実際にアメリカの郊外に行けば、100マイル(160km)以上ガスステーションがないという場所もあるので要注意。自分の場合、ロードトリップ時にはガソリン残量が半分になったら入れるように気をつけている。
アメリカの場合、ガソリンのグレードは3種。グリーンのノズルは軽油。ガソリンエンジン車にディーセルガスを入れると故障の原因になるので、軽油のノズルはガソリンエンジンのタンクに入らないようになっているが、逆は入ってしまうので要注意。
基本的にはクレジットカードを先に登録する。最近は非接触のカードにも対応しているので、アップルウォッチなどでも支払えるので便利。現金しかない場合は、事前にカウンターに行って入れたい金額分を先払いする。その量が入らなければお釣りを返してもらえる仕組み。
アメリカはカードの不正利用かなりが多いので、ボクは入れた金額が.00セントで終わるように調整している。こうしておけば月末にガソリンスタンドでの利用明細をチェックしたときに、不正利用を発見しやすい。
不正利用は一定期間内にクレジットカード会社に申告すれば、保険でカバーされる。ちなみにこの金額だと単価が1ガロン 3.29ドル。これは地元カリフォルニアの半額以下! アメリカは州によって驚くほどガソリン価格が違う。
※記事中で紹介しているルートや場所は、事前に安全を確認し行動しています。慣れない場所でのトリップには、治安面を含めた安全をしっかりご確認のうえ、計画行動する事をおすすめします。
写真、文:Yusuke Makino, June(カーネルUSAブランチ)
取材協力:ミシシッピ・リバー・カントリー、カリフォルニア観光局
初出:カーネル2023年11月号vol.63