【概要】車中泊専門誌『カーネル』のUSAブランチによるアメリカ大陸横断1万2000kmロードトリップレポート第13弾・帰路編。キャデラック・ランチやニューメキシコの教会などを紹介。アメリカ・クルマ旅のコツも。

以前もお伝えしたとおり、アメリカ大陸にはいくつもの州間フリーウエイが走っている。I-40はノースキャロライナ州の東の海岸ウィルミントンから、西はカリフォルニア州の内陸の街バストウまでを東西に結ぶ、全長4118kmの主要幹線高速道路。

画像: カウボーイの看板で有名なキャデラックランチ・ギフトショップ。近隣にはダイナミックなテキサス・ステーキを楽しめるレストランも多数あり。

カウボーイの看板で有名なキャデラックランチ・ギフトショップ。近隣にはダイナミックなテキサス・ステーキを楽しめるレストランも多数あり。

テキサスの大都会ダラスを後にした我々は再び北上しI-40を目指す。I-40はその昔ルート66として使われていた道路と平行したり交差する場所も多く、そのカルチャーに触れることもできる。

画像: 広い大地に年代ごとに10台のキャデラックを並べ、そのテールフィンの進化を表したというのがこのアートのテーマだ。

広い大地に年代ごとに10台のキャデラックを並べ、そのテールフィンの進化を表したというのがこのアートのテーマだ。

I-40に入りまず立ち寄ってみたのが、アマリロという街にあるルート66のアイコンのひとつでもあるキャデラック・ランチ。大きなテールフィンを持つ50年代のキャデラック10台の、前半分が地中に埋められて仕上げられたパブリック・アート。

画像: もともともう少し街の中心部に近い場所に1974年に作られたが、街の拡大に伴い1997年に現在の場所に移設された。

もともともう少し街の中心部に近い場所に1974年に作られたが、街の拡大に伴い1997年に現在の場所に移設された。

埋められたときにはピンクやスカイブルーだったオリジナルカラーのボディは、何十年もの間に訪れたビジターによって、スプレーペイントが施され、サイケデリックないでたちとなっている。現場を訪れると家族連れがペイントしていて、周囲にはラッカー臭がするほどだ。

画像: おそらく近くでペイント用のスプレーが売られているのだと思う。大半の観光客は、自分たちの名前など、思い思いのペインティングを楽しんでいる。

おそらく近くでペイント用のスプレーが売られているのだと思う。大半の観光客は、自分たちの名前など、思い思いのペインティングを楽しんでいる。

世界のあちこちで歴史的なアイコンに落書きをして問題になるという事件は時折ニュースで見かける。ここも州法では落書き禁止なのだが、私有地であるため事実上、容認されているとのことだ。 

画像: I-40を西に進み、テキサス州からニューメキシコ州に入るとゲート状の看板に歓迎される。もちろん反対車線にはテキサスの看板がある。

I-40を西に進み、テキサス州からニューメキシコ州に入るとゲート状の看板に歓迎される。もちろん反対車線にはテキサスの看板がある。

アマリロを出て数時間西に走ると、ニューメキシコ州に入る。その名のとおりメキシコ的な文化が色濃く残る州で、アドビ様式の優しいカーブを描く建築物がたくさんあり、ヒスパニック系の陽気な人々が数多く暮らす、個人的に大好きな州だ。

画像1: マツダ・MPVでアメリカ大陸横断ロードトリップ⑬ ルート66のカルチャーに触れテキサスからニューメキシコへ
画像: 外観は土壁のシンプルな造りでも、中は美しく仕上げられた聖堂も少なくない。敬虔なカトリックの人たちが巡礼に訪れる。

外観は土壁のシンプルな造りでも、中は美しく仕上げられた聖堂も少なくない。敬虔なカトリックの人たちが巡礼に訪れる。

ニューメキシコ州に行ったら訪れたいのがすてきな教会などの建物が並ぶ街。特にサンタフェやタオスにはミッションと呼ばれるキリスト教の巡礼ルートがあるため、美しい街という印象だ。

画像: 土壁で造られた柔らかい表情の建築物が多い。キリスト教の巡礼地でもあるので、教会施設が非常に多い。

土壁で造られた柔らかい表情の建築物が多い。キリスト教の巡礼地でもあるので、教会施設が非常に多い。

画像: ターコイズカラーがマッチするニューメキシコの建物。このカラーは州のイメージカラーのひとつで、ライセンスプレートにも採用されている。

ターコイズカラーがマッチするニューメキシコの建物。このカラーは州のイメージカラーのひとつで、ライセンスプレートにも採用されている。

土色の壁にターコイズブルーの縁取りがされた窓枠を持つ建物など、まばゆい太陽の光に照らされたこの街からは、常に新鮮なエネルギーを感じ取れる。

アメリカ50州の中でも、個人的にはトップクラスに入るフェイバリットステートであるニューメキシコ。皆さんにもぜひ一度立ち寄ってほしい場所だ。

画像: 土壁と青空のコントラストが非常に美しい。宗教や建築物に興味がなくても飽きることなく散策できるスポットが多数ある。

土壁と青空のコントラストが非常に美しい。宗教や建築物に興味がなくても飽きることなく散策できるスポットが多数ある。

画像: 軒先に吊るされた大量のチリペッパー。写真のものはまだ赤くフレッシュな状態で、時間がたつと黒褐色になっていく。

軒先に吊るされた大量のチリペッパー。写真のものはまだ赤くフレッシュな状態で、時間がたつと黒褐色になっていく。

画像: サンタフェの街を案内してくれるツアーバス。1日4回運行しているようだ。

サンタフェの街を案内してくれるツアーバス。1日4回運行しているようだ。

画像: 世界中で人気のオレオ、メキシカンなテイストのピナコラーダ味を発見。ちなみにオレオの製造メーカーであるNABISCOは、National BiscuitCompanyが略された名称って、知ってた?

世界中で人気のオレオ、メキシカンなテイストのピナコラーダ味を発見。ちなみにオレオの製造メーカーであるNABISCOは、National BiscuitCompanyが略された名称って、知ってた?

画像2: マツダ・MPVでアメリカ大陸横断ロードトリップ⑬ ルート66のカルチャーに触れテキサスからニューメキシコへ
画像: ニューメキシコからアリゾナ、ユタ州などでは、赤い岩山などが多く、ユニークな地形のものもたくさん。こうした地形を生かしたドライブインなどもある。まさにリアルCARSの世界だ。

ニューメキシコからアリゾナ、ユタ州などでは、赤い岩山などが多く、ユニークな地形のものもたくさん。こうした地形を生かしたドライブインなどもある。まさにリアルCARSの世界だ。

Check!① スマートフォンをベースにしたCarPlayは長距離ロードトリップに欠かせないパートナー

画像: メインスクリーンにはALPINEが設定したメインメニューが並ぶ。スマートフォンをつなげば自動的にCarPlayが立ち上がる仕組み。

メインスクリーンにはALPINEが設定したメインメニューが並ぶ。スマートフォンをつなげば自動的にCarPlayが立ち上がる仕組み。

今回ロードトリップに使ったクルマはナビが装着されていないので、アップルCarPlayが使える、後付けのALPINE製オーディオを使うことで快適なロードトリップを実現できた。ここではその便利な使い方をお伝えしたい。

画像: スマートフォンがネットワークにつながれば、世界中どこでも使えるのがCarPlayの大きな魅力。

スマートフォンがネットワークにつながれば、世界中どこでも使えるのがCarPlayの大きな魅力。

画像: メインスクリーンは常時使用する地図アプリと音楽プレイヤーを表示可能だし、切り替えてそれぞれを大きく表示することもできる。ナビのメモリも使用できるので、自宅やほかのメモリ地点にも簡単アクセス。

メインスクリーンは常時使用する地図アプリと音楽プレイヤーを表示可能だし、切り替えてそれぞれを大きく表示することもできる。ナビのメモリも使用できるので、自宅やほかのメモリ地点にも簡単アクセス。

まずはiPhoneに内蔵されているMapsやGoogleMapを使えるので、検索情報がリアルタイムなのが抜群に便利。たとえば前方で渋滞が発生したときには迂回ルートも表示される。さらに自分の場合はBGMが欠かせないので、iPhoneに内蔵している数千曲の音楽をいつでも再生可能。メインで使いたいマップとミュージックプレイヤーが同時に表示できるのもイイ。

画像: アップルの純正地図アプリMapsの進化がすごい。建物の形状も正確だし、時間に合わせてライトアップの表情が変化するなどの表現も加えられた。

アップルの純正地図アプリMapsの進化がすごい。建物の形状も正確だし、時間に合わせてライトアップの表情が変化するなどの表現も加えられた。

また言語が対応していればテキストメッセージなどを読み上げてくれるし、その返信はボイスコントロールで入力から送信操作までできるので、ハンズフリーで使えるからとても安全。さらにMapsを使っている場合はアップルウォッチと連携して、音声だけでなくバイブレーションで次の交差点などを教えてくれるのも、かなり気に入っている。

画像: 前後2台のカメラ映像を切り替えて任意で確認できる。ガイドラインはカメラ位置に合わせて微調整が可能。

前後2台のカメラ映像を切り替えて任意で確認できる。ガイドラインはカメラ位置に合わせて微調整が可能。

ボクが選んだALPINEの機種はマルチカメラに対応しているので、フロントにもカメラを装着した。普段もギリギリの場所に縦列駐車をすることが多いアメリカのクルマ事情もサポートしてくれる。

Check!② ロードトリップのガスストップはこまめな給油が必須

画像: ガソリン残量が半分を下回らないように癖をつけるのがおすすめ。体とクルマの休息にもなる。

ガソリン残量が半分を下回らないように癖をつけるのがおすすめ。体とクルマの休息にもなる。

日本でもそうだが、知らない場所に出かけるときにはこまめな給油が絶対条件だ。実際にアメリカの郊外に行けば、100マイル(160km)以上ガスステーションがないという場所もあるので要注意。自分の場合、ロードトリップ時にはガソリン残量が半分になったら入れるように気をつけている。

画像1: Check!② ロードトリップのガスストップはこまめな給油が必須

アメリカの場合、ガソリンのグレードは3種。グリーンのノズルは軽油。ガソリンエンジン車にディーセルガスを入れると故障の原因になるので、軽油のノズルはガソリンエンジンのタンクに入らないようになっているが、逆は入ってしまうので要注意。

画像: クレジットカードを読み込ませZIPコード(郵便番号)を入れるのが一般的。

クレジットカードを読み込ませZIPコード(郵便番号)を入れるのが一般的。

基本的にはクレジットカードを先に登録する。最近は非接触のカードにも対応しているので、アップルウォッチなどでも支払えるので便利。現金しかない場合は、事前にカウンターに行って入れたい金額分を先払いする。その量が入らなければお釣りを返してもらえる仕組み。

画像2: Check!② ロードトリップのガスストップはこまめな給油が必須

アメリカはカードの不正利用かなりが多いので、ボクは入れた金額が.00セントで終わるように調整している。こうしておけば月末にガソリンスタンドでの利用明細をチェックしたときに、不正利用を発見しやすい。

不正利用は一定期間内にクレジットカード会社に申告すれば、保険でカバーされる。ちなみにこの金額だと単価が1ガロン 3.29ドル。これは地元カリフォルニアの半額以下! アメリカは州によって驚くほどガソリン価格が違う。

※記事中で紹介しているルートや場所は、事前に安全を確認し行動しています。慣れない場所でのトリップには、治安面を含めた安全をしっかりご確認のうえ、計画行動する事をおすすめします。

写真、文:Yusuke Makino, June(カーネルUSAブランチ) 
取材協力:ミシシッピ・リバー・カントリー、カリフォルニア観光局 
初出:カーネル2023年11月号vol.63

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