「東京モーターショー」から名前が変わり、4年ぶりの開催となった「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー2023)」(2023年10月28日~11月5日・東京ビッグサイト)。
新たなショーとなった今回は、自動車業界だけでなく他産業やスタートアップも参加し、過去最高の475社が出展。日本RV協会も初出展し、キャンピングカーエリアが設けられたのも記憶に新しい。
そんなさまざまなモデルが展示される会場を、SUV・RV生活研究家の山崎友貴氏が「車中泊目線」でチェック。注目の3台を挙げてもらった。
選者/山崎友貴
SUV・RV生活研究家。四輪駆動車で車中泊をしながら、柴犬と全国を探訪中。究極のオーバーランダーの製作を追い求めているが、最近はかなりバンコンの方に気持ちが傾きつつある。シンプルモダンなものが好み。
ダイハツ ユニフォーム カーゴ
レジャーも意識した近未来の“美”軽バン
2024年に、トヨタ・ダイハツ・スズキ3社が共同開発する軽商用BEVが市場に投入される予定だが、それに先駆けてお披露目されたのがコンセプトカー「UNIFORM Cargo(ユニフォーム カーゴ)」だ。
近未来の軽商用BEVという位置づけで、そのデザインから機能と美しさがにじみ出ており、なかでもインテリアはスカンジナビアデザインを彷彿とさせる。
そして、何よりもBEVゆえの低床で広い車内空間、室内の機能を簡単に変えられるユーティリティナットは、車中泊派を惹きつけてやまない。
日野 デュトロZ EV
商用目的のBEVトラックはキャブコンシャシーにもなる!
展示車のなかで、多くのキャンパーやビルダーの目を奪ったのは、日野「デュトロ ZEV」ではないだろうか。2トントラックのBEVだが、すでに販売実績がある。
最大空間長2975mm、幅1590mm、高さが1795mmのカーゴ内は、従来の半分という床の高さが特徴だ。さらに運転席下のエンジンがモーターになったことで、ウォークスルーが可能になっている。
その形状を見れば、同モデルがキャブコンのシャシーとして適していることが分かる。トヨタ・カムロードを日野が製造していることを考えれば、実現も夢ではない。
トヨタ JUNO
トヨタが本気を出した!? シエンタの車中泊仕様登場か
自動車メーカーが既存車のインテリアをリノベーションするという手法においては、日産が一歩抜きん出ている感があるが、トヨタがショーにおいて本気モデルを出してきた。まだコンセプト段階だが、「JUNO(ジュノ)」というシエンタ用のパッケージは、市販の可能性大だ。
家具モジュールとクッションを自由に組み合わせることで、くつろぎ空間、ワークスペース、そして車中泊空間に変えられる。しかもシンプルモダンなデザインは秀逸。パッケージをインストールすることで2名乗車、4ナンバーにできるというメリットも見逃せない。
※記事の内容は2023年12月の雑誌発売当時のものになります
文:山崎友貴
写真:中里慎一郎
初出:カーネル2024年1月号vol.64