岩手県遠野市は「民話の里」ともいわれいて、数々の妖怪伝説が残る場所。遠野の民話や伝承を記録した、民俗学者・柳田国男の『遠野物語』でもおなじみです。
そんな遠野には現在でも、その伝承を伝えるスポットが多数!
こちらの記事では車中泊雑誌『カーネル』が発行した『車中泊スポットガイド1000』で、北海道&東北のおすすめ車中泊スポットを紹介してくれたうめのさんが登場。
「ココをめぐればあなたも東北マスター⁉ 秋におすすめ妖怪編」として、ディープなスポットを紹介します!
紹介してくれたのは……うめのさん
2017年から自身でカラフルにレストアしたキャンピングカーに住み、全国をめぐる旅行インフルエンサー。地域色の強いグルメやユニークなスポットに強いご当地マニアで、年間300日以上旅をすることも。登山や釣り、狩猟などアウトドアもおまかせ。
まずは妖怪を知ってみよう!
遠野市立博物館
『遠野物語』をたんに民話集としてではなく、歴史と照らし合わせながら知ることができる学術的に価値の高い博物館。山伏の生活の様子や当時の道具などを見ることができ、東北の里山の暮らしがよくわかります。
大画面のシアターでは、『遠野物語』の民話を題材にした映像が。特に人気なのは、アニメーション「水木しげるの遠野物語」。大人も子どもも楽しいエピソードが、妖怪ごとに日替わりで上映されています。
民話の舞台になったスポットもマップで展示されているので、まずはここで基本を知り、その後お目当てのスポットを決めると、ワクワクして妖怪スポットをめぐれることまちがいなし。
精力的に行っている企画展示も妖怪や呪物を題材にした個性的なものが多いので、それに合わせての再来もおすすめ!
伝承園
『遠野物語』から生まれた民間信仰の世界を、当時の家屋を再現した空間で体感することができるスポット。
園内を散策するだけでどこか懐かしい気持ちになれます。そして囲炉裏を囲みながら、語り部の遠野物語を聞くことをおすすめします。
ここで聞ける『遠野物語』は「オシラサマ」。種族違いの恋をした若き娘の話です。現地の言葉や訛りにもゆっくりと耳を傾けて、風土を感じてみるといいでしょう。
奥に進めば、その民話から生まれた家の神「オシラサマ」が無数に並ぶ部屋へとたどり着きます。旅程に余裕がない人でも、ここにさえ来れば遠野物語の民話の世界を肌で感じられるはず。
また、1週間前までに予約をすれば藍染や裂き織り(さきおり)を体験できます。ここに来ずして『遠野物語』は語れないでしょう!
さっそく妖怪に会いにいってみよう!
カッパ淵
「伝承園」から徒歩圏にある穏やかな小川。カッパ伝説の舞台となっており、河童を祀った祠やかわいい像が。
キュウリのついた竿が常に川辺にセッティングされているので、訪問時に運がよければ、竿にかかった河童がみれるかもしれませんよ。
狢堂(むじなどう)
遠野市上郷町「曹源寺」の奥にある小さなお堂。遠野物語拾遺187にて、荒れ果てた寺に住み着いた人食いの狢(ムジナ)を退治する舞台となっています。
いまはきれいに整備されており、実際に民話の空気を感じられる場所です。
座敷童子のいる宿
遠野に限らず、座敷童子の出る宿は東北を中心に点在しています。宿自らがうたっている所から、口コミでひっそり広まっている所までさまざま。
筆者が行ったのは岩手県二戸市の「仙養館」。座敷童子に会えるかどうかは、座敷童子の気分と運次第。
名物! かっぱおじさん
河童捕獲のプロと言われている遠野の名物おじさん。なんと2代目だとか! 主に伝承園に出没しますが、河童センサーが反応しないと表に出ないことも。会えたらラッキー♪
写真、文:うめの
初出:車中泊スポットガイド1000