自分たちで作りながら仕上げていくバンライフ車両「ditto」は、誰でも簡単・手軽に作れるキットです。
家具やフロアのカラーを数種類のなかからセレクトできるので、自分好みのクルマを作れるのが魅力。完成した後も、車内を飾りつければ自分たちの世界観を表現することもできます。

住友商事dittoプロジェクトチームの川添虹輝さん(左)、山内美優さん(右)。
そこで今回は、自らバンライフ車両をカスタマイズして楽しんでいるライター・渡辺圭史と住友商事dittoプロジェクトチームがタッグを組んで、「ditto」で製作したバンライフ車の車内アレンジに挑戦。
ちょっとしたアイテムを追加するだけで、まったくイメージの違う車内が完成しました。

ライター・渡辺圭史……自動車、アウトドア関連の雑誌やウェブに携わるフリー編集者、ライター。仕事の際はクルマでの移動がほとんど。車中泊をしながら取材先に向かうことが多い。DIYが好きで、休日はクルマの改造に時間を取られている。
ミニマムなレイアウトを自分らしくカスタムするアイテムたち

ワークショップでプロフェッショナルのアドバイスを受けながら完成するのが、上写真の状態です。
かわいらしいキャビネットがリア右側にあって、ベッドマットが敷かれた状態。そして、センターにテーブルがセットされたシンプルなレイアウト。少し殺風景に見えるかもしれません。
でも、それは当たり前のこと。この段階ではバンライフがスタートしていないので、必要なアイテムを入れ込んでいくと、すぐに自分たちのカラーが出てきます。
あまり追加しすぎてもゴチャゴチャになってしまうので気をつけましょう。まずは必要最小限のアイテムを選んでいきます。

バンライフを始めるにあたって、まず最初に装備したいのが照明です。
もちろん、車内ルームランプ、スマホのライトでも構いませんが、小さなハンディライトでもOKなので、専用アイテムがあると便利。クルマの中に明かりがあると、車内のQOLが一気に爆上がりします。
気をつけたいのは、狭い車内で使うので、自分が気に入ったデザインを必ず選ぶこと。便利、安いなどを基準に選んでしまうと、気分が盛り上がりません。

照明が付くと、特に夜間は周囲の視線が気になります。実際、クルマの中にいると気付きませんが、照明をつけたままトイレに行って戻ってくると、暗闇に車内の様子が煌々と浮かび上がっていたり……。
そこで、次にそろえたいのがカーテンです。カーテンもバリエーションが豊富なので、完成図をイメージして選びます。今回は通販サイトで販売されているリネンを使いました。
サイズは1.5×3m。横幅はハイエースの大きな窓にピッタリ。長さも十分で、クルマの窓3面をカバーするには余裕のサイズです。

dittoのクルマは木材の壁が多いので、アンティークな金物を取り付けたり、小物を飾ったり、アレンジしやすいのも魅力。
雑貨屋さんで気になるアイテムを見つけたら、少しずつストックしておいてもいいでしょう。

次は快適性を追求していきましょう。
やはり現代人にとって、電気が重要なポジションを占めるのではないでしょうか。スマホの充電など、電気があると安心材料にもなります。
最近ではポータブル電源もバリエーションが増え、選びやすくなりました。使いやすいポータブル電源があると便利です。
電源システムが確保できると、IHクッキングヒーターなども使えるようになります。車内で火器を使うのは危ないですが、IHであれば車内でも安心。
クルマで朝を迎えて、温かいコーヒーが飲めるだけでも、幸せを感じることは間違いありません。ヒーター系があると快適性が向上します。
用意したアイテムをクルマへインストール

ここからは実際に、車内アレンジのスタートです。
まずはビス打ち作業から。最初から車内の加工となり、スタッフは緊張でドキドキの様子。
取り付けたのはアンティーク調の金具。車内の雰囲気にちょうどいいフックを見つけました。美しいウッドウォールですが、ちょっとしたアクセントがあると雰囲気がガラリと変わります。

フックの準備ができたら、照明をセットしていきます。今回はガーデン用のLEDストリングライトを付けてみました。100V仕様でサイズが少し大きめ。
天井の板にS字フックを取り付けて、ライトを引っ掛けています。全部のライトがつながっているので、天井の周囲を囲むようにセットしました。
電池やモバイルバッテリーで光るLEDライトもあるので、もう少し目立たないタイプが好みの人は、そちらを選んでもOKです。

ライトの次はカーテン。とはいっても、布を窓のサイズに合わせてカットするだけ。車中泊するとき目隠しとなるカーテンは早めに付けたいアイテムです。

用意したリネン素材の布を、窓のサイズより少し大きめにカットします。ベース車両のハイエースは窓が大きいので、どのくらいのサイズが必要か分からない、という人も多いと思います。
今回は横幅1.5mの生地を使いましたが、ぴったりでした。高さだけ合わせれば大丈夫。

カーテンの取り付けには磁石を使いました。バン系のクルマは鉄の板がむき出しになっているので、磁石のフックなどがあると、いろいろなシーンで活躍してくれます。

カーテン取り付けには、上写真のようなフック付きクリップが便利です。
ボディに取り付けた磁石のフックに引っ掛けて、カーテンの布を挟みます。少しドレープをつけるようにすると、仕上がりがきれいになります。

ライトとカーテンを取り付けただけで、この雰囲気です。ほんの少しの装飾で車内はガラリと変わります。作業をしているスタッフも楽しそう。
車中泊必須アイテムがそろったら、次はテンションが上がるインテリア作りで完成です。
クルマ専用、アウトドアギア……バンライフのインテリアはボーダーレス

車内の空いている空間を埋めるように、小物を飾っていきます。クルマというよりは部屋を飾るようにデコレーションしていくイメージです。
クルマではありえない非現実的な装飾、例えばグリーンなどがあると面白いかもしれません。ランプ風LEDの「LOGOS ゆらめき・クラシコメタルランタン」もいい雰囲気。

ポータブル電源は800Wクラスをチョイスしました。大きすぎず小さすぎない、ちょうどいい大きさです。
セカンドシートの足元にセット。ここからAC100VやUSB電源を取って照明用に利用しました。

IHクッキングヒーターはカウンタートップのサイズに合わせて、ドリテックの超小型タイプをチョイス。
出力がWで調整できるので、出力が制限されるポータブル電源につなぐには都合がいいのです。
自分で作ったクルマを自らデコレーションしてバンライフを楽しむ

今回のデコレーションは、お昼から始めて夕方には完成しました。実際は一気に仕上げるのではなく、テンションが上がるアイテムを見つけたら、ひとつずつ追加していくのがおすすめ。
少しずつ自分の理想とするスタイルに近づければOK。あまり急いでクルマの中に詰め込むと、イメージしていたスタイルからどんどん離れていくかもしれません。

最初は足りないくらいのシンプルなインテリアでいいんです。車中泊の旅を繰り返して、必要なもの、自分のクルマに合うものを発見していきましょう。

夜になると外からの光はなくなり、自分たちが作り出した空間だけが浮かび上がります。このときの感覚はバンライフの醍醐味。いままで感じることのなかった、クルマの魅力に気づくはずです。
ライトとカーテン、そして少しの小物で、ここまで楽しむことができます。自分にできるかな? と思っている人も、まずはスタートしてみましょう!
簡単・手軽にバンライフ車が作れるキット「ditto」 サービス概要
セット内容
■ベース車両:ハイエースバン(200系)
サイズ/ロング・ナローボディ・標準ルーフ
グレード/DXまたはGLパッケージ(スーパーGLは不可)
■家具キット:板張り(天井・壁)、床張り、棚、マットレス、セカンドシートカバー、ミニテーブルetc. ※レイアウトは1種類。カラー、素材は数種類のなかから好みのものを選択可能)
■ワークショップでのDIYサポート(1泊2日の宿泊費込み)
価格目安
340万~510万円(車両価格によって変動)
公式HP問合せフォーム
ditto (ditto-liberty.com)
メールアドレス
ditto-liberty@sumitomocorp.com
▼詳細はdittoのInstagramでチェック!▼
写真:瀧渡尚樹
文:渡辺圭史
撮影協力:RVランド、ロゴスコーポレーション