プライベート空間ごと移動できて、宿の予約を取らずに気ままな旅ができる。そんなキャンピングカーの優位性が、幅広い層から注目を集めている。
ニーズの高まりに比例して、ここ数年キャンピングカーを扱うレンタカー店も大幅に増加。
キャンピングカーは車両価格が高額なので購入するとなると敷居が高いが、レンタカーなら誰でも気軽にキャンピングカーの魅力を味わうことができる。
キャンピングカーをレンタルするメリット
レンタカーのメリットは、「手軽にキャンピングカーライフを楽しめる」こと。キャンピングカーを所有する場合は購入費用のほかに保険や税金などの維持費もかかるが、レンタカーなら使用期間のレンタル料金だけでOKだ。
レンタル料金は店舗やシーズンによって異なるが、おおむね1日2万5000円~くらい。1泊2日でレンタルして、5万円ほどかかる計算となる。
それなりに費用はかかるが、キャンピングカーという特別なクルマを自由に使えると考えれば、決して高すぎる金額ではない。
料金をシェアすれば安上がりになるので、グループ旅行や学生の卒業旅行でレンタルキャンピングカーを活用するケースも増えているようだ。
もうひとつのレンタルキャンピングカーのメリットは、「購入前に使い勝手を体験できる」こと。
キャンピングカーを購入する際は、自分の使い方に合った車種を選ぶのがポイントだが、イベントや販売店で見学しただけでは走行性能やリアルな使い勝手はわからない……。そんな時に役立つのが、レンタカーだ。
購入前に候補車両をレンタルすれば、走行性能、積載性、居住性、ベッド展開の手順、ベッドの寝心地などを実際に使用しながら確認することができる。
事前にレンタカーで使い勝手を体験しておけば、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性は激減するはずだ。
キャンピングカーは購入orレンタル、どっちがいい?
キャンピングカーは、購入するのがいいのか? レンタルするのがいいのか?
キャンピングカーを購入するメリットは、「思い立ったときにいつでも出かけられて、自由に旅ができる」「所有欲を満たせる」「好みや使い方に合わせて快適化やドレスアップができる」こと。
ただし購入費用が高額で、税金、保険、車検、メンテナンス、月極駐車場代などの維持費もかかる。
レンタカーは手軽に使えるのがメリットだが、「予約や車両引き取り・返却の手間がある」「ハイシーズンは予約が取りにくい」「日程の前倒しや延長など自由な旅は難しい」といったデメリットもある。
キャンピングカーの使用頻度が高い人、所有欲を満たしたい人、何にも縛られない自由気ままな旅を求める人、自分流にカスタムやドレスアップを楽しみたい人は、購入するのがおすすめ。
逆に、キャンピングカーをたまにしか使わない人、所有することにこだわりがない人は、レンタルでも十分だ。
レンタル料金で判断! 購入vs.レンタル
キャンピングカーは、購入するのが得なのか? それとも、レンタルするのが得なのか? 参考までに、利用ペースによってかかる費用を計算してみた。
レンタルキャンピングカーの利用ペースが、2カ月に1回(年6回)の場合。
レンタル料金を1泊2日で5万円(1日2万5000円)と仮定すると、1年間にかかる費用は30万円。3年間同じペースで使用したら90万円、6年間同じペースで使用したら180万円のレンタル費用がかかる。
キャンピングカーを所有すると保険・税金・車検で年間23万円程度、月極駐車場を使用する場合は年間40万円前後の維持費が発生する。
2カ月に1回程度のペースなら、所有時の維持費とほぼ同じか、それ以下の費用でレンタルキャンピングカーを利用できる計算だ。
レンタルキャンピングカーの利用ペースが、1カ月に1回(年12回)の場合。
同じくレンタル料金1泊2日5万円(1日2万5000円)で計算すると、1年間にかかる費用は60万円。3年間同じペースで使用したら180万円、6年間同じペースで使用したら360万円の費用がかかる。
月1回以上利用する場合はレンタル費用がかなり高額になり、所有時の維持費をはるかに超えてくる。
ここまでくると、レンタカーに支払う金額で購入時のローンと維持費をまかなえてしまうケースも出てくるだろう。
長年レンタカーを利用するとそのぶん合計費用が膨れ上がるので、継続的に月1回以上レンタカーを利用するなら、思い切ってキャンピングカーを購入してしまうのもアリだ。
文:岩田一成
岩田一成プロフィール
キャンピングカーライフ研究家/ライター。新車のキャンピングカーを3台乗り継ぎ、家族と一緒に1000泊以上のキャンプ・クルマ旅を経験。雑誌、書籍、新聞、WEB、イベント、テレビ、ラジオなど、様々な形でキャンピングカーの魅力を発信している。著書「人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門」(グラフィス刊)