ユニフレームの新作焚き火台はらしさ満点!
※記事の内容は2023年4月の取材当時のものです
“ユニークなフレーム(炎)を創造する”という理念のもとに誕生した「ユニフレーム」は、緻密な作りなのに手にしやすい価格を維持する新越ワークスのアウトドアブランドだ。
新越ワークスはもともと厨房用金網や家庭用キッチン用品のメーカーとしてスタートしており、ユニフレームでも「ライスクッカー」や「コーヒーバネット」といった独創的な調理器具がそろってるが、ユニフレームらしさが光るのはなんといっても焚き火台&BBQ製品だろう。
一度は手に取るロングセラーの「ファイアグリル」、エコな焚き火おもちゃ「ネイチャーストーブ」、折りたたみ式のカマド「薪グリル」など名作ぞろいで、どれもよく燃える!
例えば「ネイチャーストーブ」は煙突効果を利用し、枯れ枝でも湯沸かしができるし、「ファイアグリル」は、わずかなすき間すら空気取り入れ口として計算されていることはよく知られた話。
そんな焚き火台作りに並々ならぬこだわりを持つユニフレームより、ついに二次燃焼モデルが発表された。その名は「バーンストーブ」(1万2100円)。
各地のアウトドアイベントでお披露目している新作ストーブを、特別に試させてもらうことになった。
「バーンストーブ」は2つのパーツから構成されており、面倒な組み立てはなし。
写真左は三角の火床が付いた1面(背面パネル)で、右側が折りたたみ式の2面でこちらにも底板が付いている。
写真ではわかりづらいが、広げた2面の縁に溝があるので、これに沿って背面パネルをスライドさせるだけ。
火床が底に沿うようにおろせば完成だ。
ルックスはフォールディングタイプの火起こし器「チャコスタⅡ」とよく似ている。「チャコスタⅡ」の使用サイズが19×24.5(ハンドル含む)×H28cmなのでサイズ感も激似。
サンプルなので収納ケースはまだなかったが、別売の「ユニセラケース」にぴったり収まるという。
脚が短いので芝生での使用は不安だったが、底板の上にも火床があるため思ったよりも熱が伝わりにくい。
薄手の焚き火シートを2つ折りにして、その上に「バーンストーブ」を載せて数時間燃やしてみたが草地に焦げ跡は見られなかった。
折りたたみ式の二次燃焼焚き火台は、二面のみ壁が二重になっているモデルが多いけれど、「バーンストーブ」は三面が二重の壁。
よく見ると、上部は鍋を載せやすいよう少し口が狭まっており、穴の上を覆うようになっている。
二次燃焼焚き火台は熱風が壁上部の穴から噴き出し、未燃焼ガスを燃やすわけだが、「バーンストーブ」では穴の上部を覆うようにすぼまっていることで未燃焼ガスがたまり、熱風によって二次燃焼らしい印象的な炎が生まれるのだ。
もちろん、「チャコスタⅡ」で定評のある煙突効果も得られ、少ない薪でもよく燃える。
焚き火始めや、湿気がある薪を投入すると煙がたつけれど、一般的な焚き火台よりも煙も匂いも少ない。
五徳は横方向に大きなスリットが入っている。これは大きめの鍋を載せても空気を取り入れやすくするためのものだ。
オプションなしで調理にも対応しているのがユニフレームらしさ。小型の鉄鍋を載せられるほどタフなのもさすがだ。
コンパクトだけど、長い薪を立てて投入できることも好印象だ。あまりに長い薪だと倒れないか不安だが、安定性の高い三角柱なので、市販の30〜40cmの薪だとそのまま入れても大丈夫。
ただし、直径8cmほどの極太薪は2本入らなかったが、あまりによく燃え、薪の消費スピードは速いので、太い薪を1本ずつ投入できるくらいでいいのかも。
サイズ的にはソロ&デュオキャンプ向きだが、きれいに灰になるので、ファミキャンやグルキャンではほかの焚き火台を利用した後に薪を燃やし尽くすなんてことにも使えそうだ。
満を持して作り上げた二次燃焼焚き火台「バーンストーブ」はユニフレームらしさ満点。発売は2023年6月よりスタートしている。
※記事の内容は2023年4月の取材当時のものです
【問】新越ワークス
執筆:大森弘恵
キャンプを中心としたアウトドアや旅の雑誌、ウェブメディアなどで活動するフリー編集者&ライター。キャンプの仕事に携わること約30年、ソロキャンプ歴は36年のおひつじ座 。
文:大森弘恵
写真:大森弘恵、SOTOBIRA編集部
撮影協力:オートキャンプ・フルーツ村