【概要】焚き火の薪に着火し、燃え続ける際の温度変化や、燃える仕組みなどを解説。
焚き火に必要な温度は260℃
![画像: 焚き火に必要な温度は260℃](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2023/02/16/3e6667d07c14601d570309df89388cff5deb4c7d.jpg)
乾いた薪に火がつかない、安定して燃えないときがある。焚き火をはじめるとまず煙が出るが、これは薪の水分や可燃ガス。
可燃ガスが燃えてはじめて薪が安定して燃えるわけで、引火する温度は260℃〜。
焚き火はじめにむやみにいじると温度が下がるので、薪同士が広がりすぎないよう調整するにとどめ、風を送るのもやめたほうがいい。
焚き火の温度変化
①100℃~ 薪から可燃性ガスが放出される
![画像: ①100℃~ 薪から可燃性ガスが放出される](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2023/02/16/c5dc9386a924235192a5e4ebcf66606135063117.jpg)
火に当てると薪の表面から水分が蒸発していく。薪の水分が抜けて乾燥したら、200℃近くから木材の成分であるヘミセルロース、セルロースなどが分解。このとき、可燃性ガスが放出されはじめる。
②260~300℃ 薪が燃えはじめる!
![画像: ②260~300℃ 薪が燃えはじめる!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2023/02/16/19ec4f9031135d095bf3b2bdbe5673cfccdad9e5.jpg)
260℃を超えると薪から放出された可燃性ガスに火がつく(青い炎)。この状態をキープすることで薪の炭化が進み、炭素の酸化反応で発熱(赤い炎)。さらに温度が高まり燃焼を続けていく。
③500~600℃ 薪が炎を上げる
![画像: ③500~600℃ 薪が炎を上げる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2023/02/16/8f91a4765bd50d670e99cdfc62b377c261f8ec4b.jpg)
煙もなく、炎を上げてよく燃える状態は500℃くらいから。ここまでくると安定して焚き火を続けられるので、焚き火の次の段階、より太い薪を追加しても大丈夫だ。
④700℃~ 炎が落ち着き熾き火となる
![画像: ④700℃~ 炎が落ち着き熾き火となる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783346/rc/2023/02/16/5f69caae6470d8430d20cd621f2a39c80f768bde.jpg)
炎が出ずに、赤くテラテラと燃える熾きの状態。少しくらい雨に当たっても消えることはなく、料理にも暖をとるにもいい感じ。ただ、炭よりも燃え尽きる時間は早い。
写真:逢坂 聡
文:大森弘恵
初出:GARVY2020年12月号