【概要】焚き火の着火から自然消火するまでの手順と各工程の目安時間を解説。

火口から焚き付け、薪へと順調に火が移り、静かにテラテラと燃える熾き。そのまま放置する
と勢いが弱まり消えてしまうが、自然に消火させるにはどうすればいいのだろうか?

薪の種類と環境によるので余裕をもった時間を

画像: 薪の種類と環境によるので余裕をもった時間を

焚き火の準備から着火、焚き火の利用、そして消火へと至るのが焚き火の一生だ。

ガスの炎とは違い、薪の種類や量、気温、風の有無、そして焚き火台の大きさや形によって、焚き火が安定するまでの時間も灰になって消火するまでの時間も異なる。そこが焚き火のおもしろさであり難しさ。

なかなか数値化できないが、無風でよく乾燥した薪であっても、火口に火をつけてから太い薪が燃えて安定するまで20分ほどかかる。調理など焚き火を利用する30分ほど前には焚き火に取りかかりたいものだ。

寝る前は完全に消火させるわけだが、市販の針葉樹が燃え尽きるのは60〜90分、火持ちがいい広葉樹なら90〜120分くらい。最後の薪1本をくべる時間の目安にしてほしい。

火の粉が飛んだり、薪が折れて焚き火台からこぼれると火災の危険があるので、くれぐれも火がついたまま眠ったり、目を離したりすることのないように。燃えかすを手で持てる状態にしてから眠りにつこう。

焚き火の時間割

①火口集め・焚き付けの準備

画像: ①火口集め・焚き付けの準備

キャンプ場探検がてら、火口と焚き付けを集めに出発。秋冬キャンプ時は、初心者はちょっと多めに用意しておくと安心だ。

②薪を組んで着火

画像: ②薪を組んで着火

少しずつ太い薪を加えていく方法もあるが、あらかじめ薪を組んで着火すれば太い薪がどんどんあたたまるし、寒い時期でも熱をためやすい。

③調理はじめの30分前に焚き火スタート!

気温が低いと、安定した熾きになるまでは結構時間がかかる。夏であっても調理をはじめる20〜30分前、冬や雨の日なら30〜40分前には焚き火をはじめるとスムーズ。

④調理向きの熾きになる

画像: ④調理向きの熾きになる

はじめに組んだ薪に、状態を見ながら焚き付けや細い薪を追加して火を育てていく。熾きになったら料理と焚き火を楽しもう。

⑤最後1本の薪は終わりの1時間に

焚き火を楽しんだら、就寝や撤収の時間にすべての薪が灰になるようコントロール。

焚き火の組み方、薪の種類と量、風の有無など条件によって異なるが、消火には時間がかかるので、少なくとも就寝・撤収の1時間前から焚き火しまいの準備に取りかかりたいものだ。

薪1本が燃え尽きる時間の目安は、
・針葉樹 60分
・広葉樹 90分

薪と薪の距離を離すと早く消火できることも知っておきたい。

⑥消火を確認

画像: ⑥消火を確認

薪が燃え尽き、素手で触れられることを確認。灰になっても焚き火台は熱いままのことがあるので冷えるまで、やけどには十分注意したい。

全体に灰になったように見えても、風を送ると赤い種火がちらほら。これでは火災の危険がゼロではない。ファイヤースターターのわずかな火から焚き火を生むように、小さな火も侮ってはダメ。

⑦火種が残っているなら一本ずつ水に浸ける

画像: ⑦火種が残っているなら一本ずつ水に浸ける

片付けしたい場合はバケツにたっぷり水を張り、薪を1本ずつ浸して消火。焚き火台に水をかけるとギアが傷むので×。

⑧焚き火終了 

完全に火が消えたのを確認してから就寝する。

写真:逢坂聡 
文:大森弘恵 
初出:GARVY2020年12月号 

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