2021年1月にオープンしたキャンプ場「オガワプラムガーデン」と、2022年10月~11月末と年末年始にプレオープン、2023年春の開業を目指す「-be- 北軽井沢キャンプフィールド」。
2カ所のキャンプ場について、開業までの道のりや運営について取材したところ、共通する特徴やポイント、注意点などが見えてきた。キャンプ場開業に重要な8カ条として紹介しよう。
キャンプ場開業に重要な8カ条
その1 どんなキャンプ場にしたいか、ビジョンを決める
ゼロから開業するにせよ、居抜きのキャンプ場でスタートするにせよ、利用してもらいたいキャンパー像を考えておく。そのイメージがないと、どのくらい施設を整えるべきか不透明で時間が足りなくなる。また、利用者から不満が出て、イメージダウンにつながる。
その2 運営はひとりでは難しく、最低2名で一緒にする
-be- 北軽井沢キャンプフィールドは佐久間さんと山口さんのふたりが協力。プラムガーデンオガワは青沢さんをサポートしてくれる友人がいる。一緒に運営する人がいれば、万が一体調を崩したときや私用があった際に交代でき、仕事を分担することができる。
その3 土地探しは、地域に住む人と一緒に探すのがベター
青沢さんは移住者向けのイベントに参加し、地主さんと出会って土地を借りることに。佐久間さんと山口さんは、スウィートグラスのスタッフが土地探しを手伝ってくれた。不動産会社に相談する手もあるが、地元の人との関係づくりをするのが一番かも。
その4 オープン日を大まかに決めて計画的に進める
土地が見つかって整備に取り掛かるところで、スケジュールを組むことが重要。オープン日を決めれば手順が見え、気持ちが引き締まる。GW前の4月あるいは夏休み前、シルバーウィーク前の9月の開業が、キャンプ場探しをする人が多く、集客しやすいという。
その5 ライフスタイルに合わせた運営方法を決める
キャンプ場を開業すると、しばらくは収入が不安定になり、ほかの仕事をしながら経営する人が多い。私用もあるので、無理して年中無休で運営せず、休業するのも大事。ちなみに、青沢さんは夏場に世界を巡る旅をするため、夏季は休業するとのことだ。
その6 草刈りと土地の整備、管理棟の準備は時間がかかる
キャンプ場の準備でもっとも時間がかかるのが、管理棟とサイトの整備。草刈りや土壌管理は道具も必要で、場合によっては人手もいる。両キャンプ場とも、休日を返上して草刈りと泥取りに時間を費やしたそうだ。おおむね半年はかかると心得たほうがいいだろう。
その8 位置情報は、事前にGoogleマップに設定しておく
キャンプ場の集客方法はいくつかあるが、両キャンプ場ともに共通していたのが、Googleマップの登録。最近のキャンパーは、行きたい地域を決めた後に、地図アプリで近くのキャンプ場を調べるとのこと。広告資金があまりない場合は、参考になるアドバイスだ。
その8 最初の集客はSNS、あとはリピーターによる口コミ
Googleマップに登録しても、それだけで人が集まるとは限らない。オープンしてからはSNSなどで発信し続け、利用した人たちを大切にして、リピーターになってもらう。リピーターがいれば口コミで広がっていく。メディアへの広告は状況に合わせて考える。
文:小川迪裕
写真:中里慎一郎ほか
初出:GARVY2022年12月号