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【概要】車のタイプ別に車中泊に使う場合のメリット、デメリットを紹介し、車中泊向きかどうかを検証。ワンボックスカー、ミニバン大・中・小サイズ編。

車内の仕様によって寝心地は大きく変わる!

画像1: 車内の仕様によって寝心地は大きく変わる!

アウトドアブームだけでなく、ペットや旅行といったムーブメントもあって、車中泊をすることがひとつのレジャーになっている。

そのため、各自動車メーカーも車中泊を意識した性能をインテリアに反映。それをそのモデルの特徴のひとつとして、カタログや公式サイトにビジュアルとして載せることが多くなっている。

車中泊といえば、シートがフルフラットになればOKと思っているユーザーもいると思うが、実際にはそう簡単ではない。

シート形状はもともと、座ったときに最大の快適性、安全性が発揮できるよう設計されており、寝るという性能はさほど考えられていない。

画像2: 車内の仕様によって寝心地は大きく変わる!

そのため、全席を平らに近づけたとしても凹凸、傾斜が残り、人によってはそれが安眠を邪魔する要因となってしまうのである。

こういったファクターが、グレードごとの仕様、カテゴリーの差異などによってあるため、それをよく理解しないで新車を購入してしまうと、あとで「こんなハズでは……」ということになってしまう。

この企画では、カテゴリーごとにそのタイプのクルマのメリットやデメリットをつまびらかにすると同時に、はたして車中泊に向いているかどうかを検証していこうと思う。まずはワンボックスカーとミニバンの大、中、小サイズを検証。

車内の仕様によって寝心地はガラリと変わる。大きなクルマ≠車中泊向きということはわかっていただけると思う。

なお掲載している車種は各カテゴリーの代表モデルであり、全ラインアップではないことを、あらかじめお断りしておきたい。

ワンボックスカー

ボディバリエーションで居住空間がまったく違う

ワンボックスカーは車中泊車の王道だが、実にグレードが細かい。

ハイエースを大別すると、4ナンバーで最もコンパクトな標準ボディのバン、1ナンバーでワイドボディのバン、ワイドボディでハイルーフのワゴンなどに分かれる。

それぞれに車内の広さ、シートレイアウトが違うのでよく確認したい。

ピックアップモデル

・トヨタ ハイエース バン

画像1: ピックアップモデル
画像2: ピックアップモデル

ワンボックスで最も人気が高いのが、ハイエースバンの標準ボディだ。スーパーロング&ハイルーフよりも室内は狭いが、運転しやすく、日常性も高い。

・トヨタ ハイエース ワゴン

画像3: ピックアップモデル
画像4: ピックアップモデル

乗車人数を重視したワゴンは、シート形状やレイアウトが車中泊に向いていないことも多い。

・日産 キャラバン

画像5: ピックアップモデル
画像6: ピックアップモデル

ハイエースの後塵を拝しがちのキャラバンだが、スタイリッシュで荷室はハイエースより少し広い。純正で簡易キャンパー仕様も用意されている。

〇 自由度の高い車内空間が魅力

ワゴンは多人数乗車の移動を考慮したボディだが、ハイエースならバンであってもロング(標準幅)とスーパーロング(ワイド幅)があり、ライフスタイルに合わせたチョイスができる。バンは荷物を積むことが前提なので、荷室がフラット。マットなどを敷けば、簡単に快適な就寝スペースにすることができる。

△ バリエーションが複雑すぎる

とにかくバリエーションが多いワンボックス車。ワゴンは3ナンバーだが、バンは1か4ナンバー。初回車検(2年)後は、1年ごととなる。スーパーロングは1ナンバーであるため、高速料金が普通車よりもかなり高くなってしまう。バンでも、後席が左右分割式と一体式があるが、一体式のほうが快適性が低い半面、折りたたんだときに荷室が広く使える。

ミニバン 大サイズ

快適に長距離移動できるインテリアが特徴

ミニバンとは本来、アメリカのフルサイズバンと比較して付けられた名前。いわゆる“アル・ヴェル”サイズともなれば、決して小さくない。

シートは7人乗りキャプテンシート仕様と、8人乗りベンチシート仕様が設定されているのが、どのモデルでもスタンダード。移動中の快適性と寝やすさは反比例となる。

ピックアップモデル

・トヨタ アルファード

画像7: ピックアップモデル
画像8: ピックアップモデル

日本を代表するミニバン。ハイブリッドシステムを採用するなど、燃費面でもアドバンテージがある。

・トヨタ ヴェルファイア

画像9: ピックアップモデル

アルファードの兄弟車。全長がわずかにアルファードよりも長い。スポーティな顔付きも特徴だ。

・日産 エルグランド

画像10: ピックアップモデル

360°セーフティアシストを採用し、快適性に加えて安全性も充実。走破性を高めるALLモード4×4の設定も特徴だ。

〇 多人数が快適に移動できる

7人乗りの2列目キャプテンシートは、まるで飛行機のファーストクラスのような快適性をもつ。多人数で移動する場合の快適性は、高級セダン以上。

荷室はワンボックス車ほどではないが、それなりに広い。シートアレンジを駆使すれば、かなりの大サイズのものを積むことができる。8人乗りシートも設定されている。

△ シートの凹凸があり寝にくい

シートアレンジにはフルフラットも含まれるが、移動中の快適性を考慮した形状のため凹凸が多く、決して寝やすいとはいえない。特にキャプテンシートはアームレストがあるため、寝返りを打つのも大変だ。

ボディサイズが大きいため、駐車スペースで苦労するのも、このカテゴリーのクルマの悩みといえる。

ミニバン 中サイズ

扱いやすさと居住性のバランスがいい車両サイズ

3ナンバーサイズに区分されるものの、日常生活で扱いやすい大きさがこのカテゴリーの特徴だ。各社とも燃費性能を重視しており、普段使いから旅行まで使い倒すことができる。

ピックアップモデル

・トヨタ ノア

画像11: ピックアップモデル
画像12: ピックアップモデル

2022年に、ついにヴォクシーとの台数比率が逆転し、人気の頂点に立った。

・トヨタ ヴォクシー

画像13: ピックアップモデル

スポーティミニバンの代名詞的モデル。ノアのほうが“オラ顔”になったため、昨今は人気逆転。

・ホンダ ステップワゴン

画像14: ピックアップモデル
画像15: ピックアップモデル

初代に原点回帰したスタイリングで、エアとスパーダふたつの顔が用意される。

〇 誰もが運転のしやすいサイズ感

3ナンバーとはいえ、1800mmを切る車幅で細街路などでも運転がラク。駐車スペースにも、苦労しないで入れることができるだろう。それでいて、ミニバン・大サイズにも負けない快適な居住空間を確保している。

メーカーによって、さまざまなハイブリッドシステムが用意されているのも美点といえるだろう。

△ 7人乗りシートは寝づらい

ミニバンには大抵、7人乗りと8人乗りが設定されているものだが、7人乗りシートの形状は、あまり車中泊に向いていない。

このサイズの場合、特に室内幅が小さくなるため、横幅が制限されるキャプテンシートはつらい。8人乗りシートも凹凸が大きいモデルが多い。荷室を最大サイズにして寝るのがベストな場合が多い。

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