【概要】クルマ旅専門家・稲垣朝則さんに聞いた車中泊キャンプのポイント。クルマ旅の手段として車中泊キャンプを行う稲垣さんの車中泊キャンプの活用例、ギアの紹介など。

「+キャンプ」のアイテムを構築 ギアの基本は「少数精鋭」

画像: 「+キャンプ」のアイテムを構築 ギアの基本は「少数精鋭」

クルマ旅の場合は、毎日キャンプ場で車中泊ができるとは限らない。ゆえに「すべての荷物を積んだまま寝られる」ことが不可欠だ。そうなると、見栄えのよさより「収納性」「機能性」「汎用性」に優れた装備とキャンプギアが必然的に求められる。

画像: 現在のファニチャーは、このクルマの収納スペースに合わせて再構築した。

現在のファニチャーは、このクルマの収納スペースに合わせて再構築した。

車中泊キャンプは明日に備えてするもの。連泊以外は、寝る前に荷物を撤収

画像: 焼き肉もガスグリルを使えば、後始末が簡単。

焼き肉もガスグリルを使えば、後始末が簡単。

「クルマ旅の車中泊」はキャンプサイトに滞在する時間が短いため、要領が悪いと忙しいだけでなく、周囲のキャンパーにも迷惑がかかる。その典型例が撤収作業だ。

撤収を要領よく行う秘訣は2点あり、ひとつは片付けやすいギアを数少なく使うことだ。炭よりもガスのグリル、トレーはランチプレート使うといえばわかりやすいだろう。

画像: ランチプレートはお皿の使用枚数を劇的に減らせる。

ランチプレートはお皿の使用枚数を劇的に減らせる。

もうひとつは段取りにある。筆者は日が暮れる前に食事を済ませ、早々と撤収を始めるようにしている。一番の理由は明るい時間のほうが、作業がはかどるからだ。同じ薄明かりでも早朝は周囲のキャンパーに迷惑がかかる。

サイドオーニングは必要? 水には強いが風には注意

画像: サイドオーニングは必要? 水には強いが風には注意

サイドオーニングは雨はもちろん、夜露でキャンプギアが濡れるのを防ぐほか、カラスなどからもテーブルの上の食材を守ってくれる有能な装備。

濡れても簡単に収納できる点がカーサイドタープとの大きな違いだ。またボディに固定できるアタッチメントを付けておけば、アスファルトの上でも使える。

ただし装着に費用や加工が必要。また、風の強い日には使用しないほうが無難。下からあおられると破損しやすく、最悪時は外さないと動けなくなる。

バイクキャリアは万能 ゴミや濡れ物もキャリアへ

画像: バイクキャリアは万能 ゴミや濡れ物もキャリアへ

バイクキャリアは本来は自転車を積むための外付け装備だが、車中泊キャンプにおける使いみちは万能だ。

持ち帰りのゴミや雨で濡れたシェルターなど、車内に入れたくないものを運ぶだけでなく、駐車時に雑巾を干したり、食器乾燥用のネットをぶら下げるのにも役に立つ。

ただしフェリーに乗船するときはたたむほうがいい。車長が車検証の数値をオーバーすると、追加料金を請求される。

予約時にキャンプ場に伝えるべきこと

区画化された高規格オートキャンプ場には、その駐車場での車中泊を想定していないところも多い。

水はけをよくするために多少の傾斜があるのは仕方がないが、バックから入庫するとスライドドアがサイトと反対側に……。なかには縁石が出っ張っているため、前からは駐車できないという最悪の施設もあった。

それを避けるには予約時に車中泊であることを告げ、サイトが選べないにしても、できる限り車中泊に適した区画を充てがってもらうことだ。

これはキャンプ場の設計がきちんとしていれば必要のない行為なので、わがままには当てはまらず、利用者が遠慮をする必要はまったくない。

車中泊時のキャンプ場でのマナー

画像: 車中泊時のキャンプ場でのマナー

クルマに比べてテントは防音性が弱く、道の駅での車中泊とは違う配慮が必要になる。具体的にはドアの開閉音が挙げられるが、さらに冬場はFF ヒーターの音も騒音の要因になる。ただしそれは、電源サイトなら小型のセラミックヒーターでの代用が可能だ。

写真・文:稲垣朝則 
出典:カーネル2022年5月号vol.54 

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