そのまま車中泊! 軽キャンパーのベース! 軽バンに首ったけ!
車中泊に向いたクルマはカテゴリーごとにいろいろある。だが軽バン&軽ワゴンほど「リーズナブル」「高機能」「ジャストサイズ」がそろっているクルマはほかにはないだろう。
そのままでも車中泊ができ、軽キャンパーのベースにもなる軽バン&軽ワゴン。購入前、選ぶ前に知っておきたいあれこれを紹介しよう。
1.「軽バン」と「軽ワゴン」の違いは?
見た目はほぼ同じだが、このカテゴリーには「軽バン」と「軽ワゴン」が設定されている。軽バンは自家用貨物・4ナンバー、軽ワゴンは自家用車・5ナンバーにカテゴリーされている。
具体的に何が違うのかというと、まず自動車税。ナンバーが違うことからわかるように、軽バンは年額5000円に対して、軽ワゴンは1万800円と約2倍。その差額は、後部座席の「快適性」にあるといっていい。
軽バンの後部座席はシートバックのリクライニング機能がなく、ほぼ直角な状態。
対して、軽ワゴンはリクライニングはおろか、シートスライドが可能で足元空間が圧倒的に広い。外観もゴージャスだ。
軽バンのいいところ
◉ 4ナンバーで税金が安い
◉ 荷室が完全フラットになる
◉ 車両価格が安い
軽ワゴンのいいところ
◉ 後部シートが快適
◉ 外装がゴージャス
◉ レジャー用オプションが豊富
2.エンジンの違いで装備が変わる
1の説明だけだと、バンは簡素と誤解を与えかねないが、軽バンでもエンジンの違いで装備の充実度が変わってくる。
搭載エンジンについては、660cc直3のNAとターボの2種類をラインアップしているモデルが多い。
NAは廉価版のためいかにもバンの装備だが、ターボは自家用中心のため、まずミラー同色やホイールキャップの採用など、外観が多少よくなっていることが多い。
加えて後部座席の作りが違っており、ターボ車にはヘッドレストや左右二分割の機能が付いており、シート形状も立体的。リクライニング機能はないが、シートもより快適だ。
3.車種によって使い勝手が変わる
ボディサイズは軽規格のため、どのモデルも同じだが、車内寸法はモデルごとに違うことに注目したい。
現行型のエブリイとハイゼットを比較すると、すべての室内寸法がエブリイのほうが上。そのため、車中泊派にはエブリイのほうが人気は高く、軽キャンパーのベース車両に多い。
エブリイバン荷室寸法
長さ:1910mm
幅:1385mm
高さ:1240mm
ハイゼットカーゴ荷室寸法※2021年11月時点
長さ:1860mm
幅:1375mm
高さ:1235mm
※2021年12月に17年ぶりにフルモデルチェンジ。サイズアップしている。
長さ:1915mm
幅:1410mm
高さ:1250mm
4.使い方によっては仕様を考える
汎用性は標準的なボディが一番かもしれないが、マリンレジャーやトランスポーターとして考えるなら、ボディバリエーションも一考したい。
ハイゼット(現行型)には、デッキバンや2シーターカーゴも設定されている。
※新車は生産終了の場合があります。
5.軽バンは、じつは3モデルしかない
自動車メーカーからはそれぞれ軽バンが出されているが、じつは軽バンは3モデルしかない。ホンダのN-VANを除いて、ほかはスズキ・エブリイかダイハツ・ハイゼットのOEM車だ。
スズキ・エブリイ系
ダイハツ・ハイゼット系
ホンダ・N-VAN
文:山崎友貴
出典:カーネル 2022 冬号 vol.52
※当記事はカーネル 2022 冬号 vol.52・巻頭特集の内容を一部抜粋、再構成したものになります