【概要】キャンプ用品のメンテナンス方法について紹介。テントやタープ、バーナー、ランタン、ファニチャーなどの手入れの方法など20+αを解説。

キャンプ用品メンテナンスの基本は「乾燥」と「汚れ落とし」

画像: キャンプ用品メンテナンスの基本は「乾燥」と「汚れ落とし」

テントも寝袋もファニチャーも、メンテナンスの基本はシンプルで「汚れを落とす」「よく乾かす」の2点のみ。

日本は湿気が多いので、濡れたまま収納するとカビが発生しやすく、また、長く放置すると加水分解により劣化が進む。よく干して、湿気の少ない場所に収納しよう。

とはいえ雨キャンプの後も雨が続くと、干すこともままならない。そんなときはせめて水分を拭き取っておこう。

また、軽さと強度を両立させるテクニカルな素材を使った素材が多く、これらは紫外線によって劣化が進みやすい。よく乾燥させることは大切だが、干すときは直射日光が当たらない場所に広げたい。

①テントはフロアも乾燥させる

画像1: ①テントはフロアも乾燥させる

乾いているように見えても、地面にはわずかに水分が含まれている。そのため一晩たてば、テントのフロア裏はしっとり濡れている。

フライシートの裏側にも、呼気と地面の湿気の影響で水滴がびっしり付着するので、よく乾かしてから片付けよう。

画像2: ①テントはフロアも乾燥させる

ペグを抜いてテントをひっくり返すとフロアを乾かしやすいが、半面、風で飛ばされてしまう危険がある。2カ所ほどペグで仮止めして飛ばないようにしておくと安心だ。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

②紫外線を避けて陰干しを

画像: ②紫外線を避けて陰干しを

アウトドアで使うキャンプ用の道具であっても、紫外線は繊維を傷める原因。使ったあとはしっかり乾燥させたいが、日なたではなく陰干しのほうがダメージは少ない。乾燥機の使用は、生地の素材によるので説明書を確認しよう。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

③汚れを落としてから拭く

画像: ③汚れを落としてから拭く

キャンプの後は泥やほこりがたまりがちなので、かたく絞ったぞうきんで拭き取る。ひどい汚れは薄めた洗剤を使うのも効果的だ。あとは乾いた布で水気を拭き取り、乾燥させてから収納して。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

\余裕があれば/
テント&タープの汚れ落とし+はっ水剤の塗布

テント、タープ、防水バッグなどは何度も使っているとはっ水効果が薄れてくるので、定期的にはっ水剤をかけておこう。自宅でメンテナンスするなら、専用の洗剤で汚れを落としてからはっ水剤をかけると効果大。

画像1: \余裕があれば/ テント&タープの汚れ落とし+はっ水剤の塗布

専用洗剤で汚れを落とす
テントやタープの素材を確認し、専用の洗剤を薄めて汚れを落とす。洗剤を使うので、洗う場所には十分配慮して。

画像2: \余裕があれば/ テント&タープの汚れ落とし+はっ水剤の塗布

専用はっ水剤を吹き付ける
素材にあったはっ水剤を吹き付けることも重要だ。コットン製テントにはコットン用はっ水剤、化繊テントには化繊用はっ水剤を使おう。

テント&タープのメンテナンス

画像: テント&タープのメンテナンス

撤収のついでにメンテナンスを

キャンプ道具の中でももっともビッグなテントとタープ。自宅で広げるのはかなり大変なので、できる限りキャンプ場での撤収時に手入れをしながら収納袋に詰めたいもの。

ペグの曲がり修正、オイルアップなどはさほど時間がかからないし、はっ水剤を吹き付けるのもすぐに終わる。次に使用することを考えながら撤収しよう。

④ポールやフレームの泥詰まりを取り除く

画像: ④ポールやフレームの泥詰まりを取り除く

地面に置いた拍子に、ポールの中に泥が詰まってしまうことがある。乾いた泥は、ポールを軽く振るだけでぽろっと落ちる。湿った泥は掻き出して。接続部の汚れはきれいに拭き取っておこう。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

⑤金属ペグの曲がりを修正

画像: 一度曲がったものは強度が落ち、曲がりやすくなる。なお、T型やX型のペグは修復できない。

一度曲がったものは強度が落ち、曲がりやすくなる。なお、T型やX型のペグは修復できない。

硬い地面に力づくでペグを打つとペグがぐんにゃり。プラスチック製では無理だが、アルミ、鉄、ステンレスのペグは少しの曲がりであれば修正可能。平らな石に載せてハンマーでたたけば復活する。

画像1: ⑤金属ペグの曲がりを修正
画像2: ⑤金属ペグの曲がりを修正

【メンテナンス目安】気づいたら

⑥接続部をオイルアップ

画像: ⑥接続部をオイルアップ

ポールの接続がきっちりできないと、破損の原因になりかねない。ポールの汚れを落としたら、確実に奥まで接続できるよう潤滑油を塗布しておく。余分な油は拭き取っておくこともお約束だ。

【メンテナンス目安】2~3カ月に一度

⑦ロープはからまないように1本ずつまとめる

画像1: ⑦ロープはからまないように1本ずつまとめる

張り綱や予備ロープは、1本ずつまとめておくとテント設営時にイラッとしない。ほつれや自在金具の割れに気づいたら取り替えて。テントやタープに結んだままでもいいが、そのときも1本ずつ結んでおこう。

画像2: ⑦ロープはからまないように1本ずつまとめる

手のひらを使い、八の字を描くようにまとめれば、次に使うときにからまりにくい。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

⑧ファスナー部分に潤滑油を塗布

画像: ⑧ファスナー部分に潤滑油を塗布

テントの出入り口にあるファスナーの動きが悪いと、それだけでストレスになる。生地やメッシュをかむ原因にもなりかねない。定期的に専用の潤滑油を塗っておこう。固形のろうそくを薄く塗っても同様の効果あり。

【メンテナンス目安】2~3カ月に一度

バーナー&ランタンのメンテナンス

画像: バーナー&ランタンのメンテナンス

汚れをしっかり落としてOリングも確認

ガスバーナーとガスランタンは、ほぼメンテナンスフリー。油汚れやゴミを拭く程度で大丈夫だ。

ただし、メンテナンスフリーではあるが、ガスカートリッジの接続部にあるOリングはいつの間にか劣化しているので、気づいたら交換を。そのほかの不具合に気づいたら自分で修理しようとせず、メーカーに連絡しよう。

ガソリンを用いるバーナーとランタンは、不純物の少ない純正ホワイトガソリンを使い、定期的にリュブリカントを差しておくだけでトラブルを防げる。

とはいえいずれジェネレーターやポンプカップの交換時期はやってくる。自分で分解、交換できるのでやってみて。

⑨薄めた洗剤で油汚れを拭き取る

画像: ⑨薄めた洗剤で油汚れを拭き取る

バーナーで調理すると、風防には油はね、汁受けには細かな野菜くずが付着しているもの。水拭き(ひどい汚れは薄めた洗剤で拭き取ってきれいに)し、から拭きをして清潔をキープ。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

⑩ゴトクの錆びは真ちゅうブラシで

画像: ⑩ゴトクの錆びは真ちゅうブラシで

ゴトクの錆び、汚れに気づいたら、柔らかな真ちゅう製ブラシでゴシゴシ磨く。汚れが落ちたら防錆スプレーを吹きつけて、から拭きすればピカピカになって気分もいい。

【メンテナンス目安】気づいたら

⑪ Oリングとネジ山を確認

画像: ⑪ Oリングとネジ山を確認

ガスバーナー、ガスランタンは扱いやすいが、長く使っていると燃料の口金についているOリングが劣化してくる。Oリングのひび割れや乾燥に気づいたら取り替えよう。

【メンテナンス目安】気づいたら

⑫リュブリカントをさして動きよく

画像: ⑫リュブリカントをさして動きよく

ポンピングが必要なストーブやランタンは、定期的に専用リュブリカントをさす必要がある。動きがなめらかになるし、その奥のポンプカップの乾燥を防ぐためだ。

【メンテナンス目安】1~3カ月に一度

⑬グローブの汚れ落とし

画像1: ⑬グローブの汚れ落とし

ランタンのグローブは、きれいに見えていても指紋やススが付着して、いつの間にかうす汚れてくるものだ。たまには柔らかな布でグローブの内側と外側を磨く。たったこれだけで明るさが一段変わる。

画像2: ⑬グローブの汚れ落とし

白いくもりがあればグローブ交換! マントルが破れているのに気づかず使うと、ガスが噴き出してグローブが白くくもってしまう。そのまま使うと水滴がつくなどちょっとしたことで割れてしまうので交換を。

【メンテナンス目安】気づいたら

⑭マントルの補充をしておく

画像: ⑭マントルの補充をしておく

ランタンによって使うマントルは異なる。必ずしもキャンプ場の売店で販売されているとは限らないので、キャンプ後には自分のランタンにあったマントルを補充する。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

⑮虫やゴミを取り除く

画像: ⑮虫やゴミを取り除く

ランタンのグローブを取り除くと、思いのほかゴミがたまっているもの。ゴミを吹き飛ばし、柔らかな布でから拭き。余裕があれば、ネジなどを増し締めしておこう。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

\余裕があれば/
ポンプカップとプッシュオンナット、ジェネレーターを確認

画像: \余裕があれば/ ポンプカップとプッシュオンナット、ジェネレーターを確認

ポンプノブの先についているポンプカップとプッシュオンナット。ポンプカップはひび割れ、プッシュオンナットもゆがんでいることがある。調子が悪いときは、取り出して確認。また、ジェネレーター内部には、いずれカーボンがたまる。不具合に気づいたら自分で取り替えよう。

その他のギアのメンテナンス

画像: その他のギアのメンテナンス

キッチンまわりの道具は衛生面に配慮

ファニチャーは地面に直接置くので汚れがたまりやすい。汚れがたまったままにしておくと可動部の動きが渋くなり、きちんとセットできなくなる。そんな状態で体重をかけると壊れかねない。きちんと洗うことは、清潔さを保つ以上に、破損防止のためにも大切なのだ。

また、キッチン周りの道具は洗うだけでなく、一歩進んで除菌もしておきたい。除菌スプレーが手に入らなければ、漂白剤を薄めた液で拭き取ってもいい。

寝袋は20~30泊ごとに洗濯すればいいが、意外に重労働。家族分を1日で洗濯するのではなく、1日1個、順番に洗濯しよう。

⑯クーラーボックス&ジャグを洗って除菌

画像1: ⑯クーラーボックス&ジャグを洗って除菌

底にたまった水には雑菌が繁殖しやすいし、また知らないうちに汁がこぼれているなどクーラーボックスの内側は汚れやすい。使用後は水洗いして細部までよく乾燥。仕上げに除菌スプレーを吹き付けておきたい。

画像2: ⑯クーラーボックス&ジャグを洗って除菌

底にある排水用の溝やドレンプラグは特に汚れがたまりやすい。気づいたら汚れを拭っておく。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

⑰ドレンの汚れをかき出す

画像: ⑰ドレンの汚れをかき出す

クーラーボックスなどのドレンは、歯ブラシなど細いブラシを使ってドレン内部の汚れをかき出す。分解できるものであれば、分解して洗えばスッキリ! ここも仕上げに除菌スプレーを吹き付け、乾かしておく。

【メンテナンス目安】キャンプ後毎回

⑱ファニチャーの可動部にオイルを塗布

画像1: ⑱ファニチャーの可動部にオイルを塗布

テーブルやチェアの可動部には潤滑油を吹き付ける。潤滑油が付着したままだとかえって汚れがたまる。雑巾をあてて汚れを吹き飛ばしながらオイルアップし、余分な油は拭い取っておこう。

画像2: ⑱ファニチャーの可動部にオイルを塗布

ポールを接続して組み立てるテーブルやチェアは、テントと同じく接続部に潤滑油を吹き付ける。

【メンテナンス目安】2~3カ月に一度

⑲寝袋はバスタブで押し洗い

画像: ⑲寝袋はバスタブで押し洗い

バスタブにぬるま湯をはって押し洗いするのが基本。脱水はしぼらず、上から手で押さえて水分を押し出し、最後にタオルに挟んで水分を吸い取る。同じ要領ですすぎ、脱水を繰り返して陰干しする。

【メンテナンス目安】20~30泊に1回

\注意!/
説明書の指示に従って洗濯を

寝袋は洗濯の表示を確認。洗濯機や乾燥機の使用、水温の指示に従うことで機能を維持できるのだ。また、洗う時はファスナーやベルクロを閉じておくことも重要。

⑳マット類はギアクリーナーで汚れを落とす

画像: ⑳マット類はギアクリーナーで汚れを落とす

マットは素材にあったクリーナーで汚れを落とし、直射日光が当たらない場所に広げてしっかり乾燥。エアマットは内部に湿気がこもりやすいので、できるだけポンプでふくらませるほうがいい。

【メンテナンス目安】気づいたら

文:大森弘恵 
出典:GARVY2020年6月号 

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