絶品の海の幸に出合った北海道クルマ旅
キャンピングカーや車中泊愛好家に向けて、新たなクルマ旅の楽しみ方や遊びを提案している一般社団法人「キャンプジャパン」。
これまでも個性的なイベントやツアーを行なってきたが、その最新ツアーは北海道の穴場観光地ともいえる釧路周辺エリアを旅したもの。北海道釧路町昆布森がその舞台だ。
昆布森は自然がとても豊かな地域。今年新たに指定された「厚岸霧多布昆布森国定公園」にも含まれている。その名のとおり昆布の名産地で、豊富な海産物はとてもおいしい。
ちなみに昆布の漁期は主に7~9月。広い作業場一面に、きれいに洗った小石が敷き詰められている。海から獲ってきた昆布を地面に並べて、天日干しするためだ。これが良質な昆布づくりには欠かせない作業。
しかし、過疎化に悩む地元としては、この作業量が増える期間だけ、労働力を確保できないものか? と模索しているという。
そこでキャンプジャパンが提案したのが、車中泊で滞在中に昆布干し作業を手伝い、昆布森で育まれた海産物を食すというツアー企画。
おいしいものが食べられて、地元漁師の貴重な話を聞ける! さらに昆布干し作業によるアルバイトも兼ねられ、お小遣いを得ることができるなんて! まさに一石三鳥の企画なのだ。
実はこのイベント取材時(8月)、昆布森漁港から徒歩5分もかからない番屋をRVパークにする計画がすすめられていた。
隣接する昆布干し作業場の一部を整地して、車中泊施設にしてしまおうというわけだ。仕掛け人は地元の小松 浩さん。
自らの手で番屋を改装し、外部電源や温水シャワーが使えるようにして、登録の段取りを着々と進めていたのだ。そしてこの10月、満を持して「RVパーク昆布森番屋」がオープンしている。
そんな普段はなかなか味わえない、貴重な体験をした1泊2日の北海道・釧路のクルマ旅。さっそくその模様をお届けしよう
ツアー1日目 昆布森で昆布干しを手伝って地元の海産物に舌鼓!
初日に体験した昆布干しを教えてくれたのは、番屋を管理する小松 浩さんのご両親・小松福造さんと文子さん。
「昆布だけじゃねぇ、魚獲りもやる。アキアジ、ハタハタもな」。漁師歴80年の福造さんに、番屋で食べた昆布のお菓子がおいしかったことを伝えると「そうか? うん」と満面の笑み。
昆布の種類や部位によって、利用方法が違うことなど知らないことばかり! 午後にはクルマを使って難読地名を当てるオリエンテーリングも。
夕食は仙鳳趾(せんぽうし)で獲れた、牡蠣とツブ貝と花咲ガニに舌鼓! 参加者全員が笑顔になる食材ってすごい!
昆布のねじれを取って形をそろえる。裏返した昆布が乾いたら専用設備に重ね、目の細かいノコギリで切って束ねる……というのが昆布干しの一連の作業。
まさに食の宝庫の北海道! 昆布を主食に育つ花咲ガニ、脂肪を取り出すほど大きいツブ貝も美味。