絶品の海の幸に出合った北海道クルマ旅

ツアー開催日時:2021年8月7日(土)~8日(日)
エリア:北海道釧路郡釧路町昆布森番屋
キャンピングカーや車中泊愛好家に向けて、新たなクルマ旅の楽しみ方や遊びを提案している一般社団法人「キャンプジャパン」。
これまでも個性的なイベントやツアーを行なってきたが、その最新ツアーは北海道の穴場観光地ともいえる釧路周辺エリアを旅したもの。北海道釧路町昆布森がその舞台だ。

昆布森は自然がとても豊かな地域。今年新たに指定された「厚岸霧多布昆布森国定公園」にも含まれている。その名のとおり昆布の名産地で、豊富な海産物はとてもおいしい。

ちなみに昆布の漁期は主に7~9月。広い作業場一面に、きれいに洗った小石が敷き詰められている。海から獲ってきた昆布を地面に並べて、天日干しするためだ。これが良質な昆布づくりには欠かせない作業。
しかし、過疎化に悩む地元としては、この作業量が増える期間だけ、労働力を確保できないものか? と模索しているという。

そこでキャンプジャパンが提案したのが、車中泊で滞在中に昆布干し作業を手伝い、昆布森で育まれた海産物を食すというツアー企画。
おいしいものが食べられて、地元漁師の貴重な話を聞ける! さらに昆布干し作業によるアルバイトも兼ねられ、お小遣いを得ることができるなんて! まさに一石三鳥の企画なのだ。

RVパーク昆布森番屋が10月にオープン。
実はこのイベント取材時(8月)、昆布森漁港から徒歩5分もかからない番屋をRVパークにする計画がすすめられていた。
隣接する昆布干し作業場の一部を整地して、車中泊施設にしてしまおうというわけだ。仕掛け人は地元の小松 浩さん。
自らの手で番屋を改装し、外部電源や温水シャワーが使えるようにして、登録の段取りを着々と進めていたのだ。そしてこの10月、満を持して「RVパーク昆布森番屋」がオープンしている。
そんな普段はなかなか味わえない、貴重な体験をした1泊2日の北海道・釧路のクルマ旅。さっそくその模様をお届けしよう!
ツアー1日目 昆布森で昆布干しを手伝って地元の海産物に舌鼓!

地元漁師の小松文子さん。笑顔がとてもチャーミング!
初日に体験した昆布干しを教えてくれたのは、番屋を管理する小松 浩さんのご両親・小松福造さんと文子さん。
「昆布だけじゃねぇ、魚獲りもやる。アキアジ、ハタハタもな」。漁師歴80年の福造さんに、番屋で食べた昆布のお菓子がおいしかったことを伝えると「そうか? うん」と満面の笑み。

昆布森の加工品はやみつきになるかも!?
昆布の種類や部位によって、利用方法が違うことなど知らないことばかり! 午後にはクルマを使って難読地名を当てるオリエンテーリングも。

仙鳳趾の牡蠣は生でも焼いても絶品。
夕食は仙鳳趾(せんぽうし)で獲れた、牡蠣とツブ貝と花咲ガニに舌鼓! 参加者全員が笑顔になる食材ってすごい!


昆布のねじれを取って形をそろえる。裏返した昆布が乾いたら専用設備に重ね、目の細かいノコギリで切って束ねる……というのが昆布干しの一連の作業。


まさに食の宝庫の北海道! 昆布を主食に育つ花咲ガニ、脂肪を取り出すほど大きいツブ貝も美味。

RVパーク施設情報|RVパーク昆布森番屋(北海道)|くるま旅サイト
日本RV協会とくるま旅クラブがおすすめする車中泊施設。RVパーク昆布森番屋(北海道)のご案内です。
www.kurumatabi.comツアー2日目 キャンピングカー神社で安全祈願後、北海道ならではの隠れ名スポットへ

川上神社は二輪神社としても有名で、祀られている燃料タンクには「KAWAKAMI」の文字が!
標茶町にある「川上キャンピングカー神社」は、車中泊ができるだけでなく、初穂料を納めると、愛車も含めた交通安全祈願をしてくれる。

本殿の正面にクルマを配置し、車検証を持った人間だけが本殿に入ると安全祈願が始まる。祈願は粛々と進められ、参加者もクルマも無事終了。

「せっかく遠くから来ていただいているので、まずは楽しんでほしい。そして安全に旅行してほしいという思いがあった」とは宮司の長尾さん。ていねいな話し方に、人との縁を大切にする優しさが伝わってくる。

「安全なクルマ旅を願っています!」 川上神社宮司の長尾式宮(のりたか)さん。

施設利用および祈願希望の場合は、前日までに電話で予約を。

川上神社の境内にある車中泊スペースは、クルマの大きさを気にすることなく止められる。

ランチは宮司おすすめの「ビストロ カフェ デ サングリア」のラクレット。目の前でチーズを焼いてくれる。
写真&文:轟 省吾(カーネル編集部)、轟由里子
取材協力:キャンプジャパン事務局、宮重正存
出典:カーネル2021秋号 vol.51
構成:SOTOBIRA(ソトビラ)編集部