2021年1月16、17日に静岡で開催された「ふじのくにキャンピングカーショー」の注目キャンピングカーと車中泊旅に役立つテントやタープなどのキャンプ用品を紹介。レポート(1)では「居・食・寝」のうち調理台やダイネットに特色のあるキャンピングカーと、アウトドアエリアに展示していたモンベル、コールマンのキャンプ用品をレポート。

車中泊旅に行きたくなる、こだわりのキャンピングカー

画像1: 車中泊旅に行きたくなる、こだわりのキャンピングカー

コロナ禍で俄然注目を集めているのが車中泊。

県をまたぐ大移動ではなく、必要最小限の道具で近くのキャンプ場やRVパークへ行き、休日を家族だけで静かに過ごそうというのだ。

画像2: 車中泊旅に行きたくなる、こだわりのキャンピングカー

車中泊ができる車は、決して8ナンバーのキャンピングカーである必要はなく、なんなら軽自動車でもできるわけだが、利用できる空間は無限ではない。限られた車内で、車中泊に必要な装備は何? キャンピングカーのビルダーはどんな風に設計しているのだろうか? 

画像3: 車中泊旅に行きたくなる、こだわりのキャンピングカー

1月16、17日、静岡・ふじさんめっせで開催された「ふじのくにキャンピングカーショー」で、車中泊旅にぴったりなキャンピングカーのこだわりを見学してきた。

また会場の「アウトドア・テントエリア」に展示されていた、車中泊旅をサポートするキャンプ用品もじっくり紹介しよう。

料理好きは広い調理台を備えたキャンピングカーに注目

ハイエースクラスのバンコンなら熱源はカセットコンロが主流だ。パワフルなコンロが必要なら大型キャンピングカーにかなわないが、そのかわり広い作業台と電子レンジ付きなら調理がずいぶん楽になる。

人工大理石の作業台が使いやすい!/カスタムワールドハタナカ「ラフィネ」

画像1: 人工大理石の作業台が使いやすい!/カスタムワールドハタナカ「ラフィネ」

ゆったり過ごせることにこだわった「ラフィネ」は、運転席・助手席を区切るように調理台を設けている。

画像2: 人工大理石の作業台が使いやすい!/カスタムワールドハタナカ「ラフィネ」

広々とした調理台は人工大理石を採用しており、熱い鍋を置いても大丈夫。下部には電子レンジと冷蔵庫を装備。

画像3: 人工大理石の作業台が使いやすい!/カスタムワールドハタナカ「ラフィネ」

後部座席は回転させれば家族みんなでテーブルを囲める。小さめではあるが脇にも棚があるので、広い調理台で下ごしらえしたものを置き、対面座席で鍋をつつくなんてこともスムーズにできる。

【問】カスタムワールド ハタナカ

 

ミニポップアップルーフ付きで立って調理/キャンピングカー長野「スペースキャンパーC」

画像1: ミニポップアップルーフ付きで立って調理/キャンピングカー長野「スペースキャンパーC」

ミニポップアップルーフを搭載しており、車内で立って調理できる。座ったままでも調理はできるが、立っている方が振り向いたり遠くのものを取ったりするのがしやすく、ストレスがない。

画像2: ミニポップアップルーフ付きで立って調理/キャンピングカー長野「スペースキャンパーC」

運転席の後ろ側に電子レンジとシンク、その脇に冷蔵庫を装備。シンクの周りを作業台として使えるほか、電子レンジの上、冷蔵庫のカバーを閉じればそこも食器のちょい置きOK。高さの違う台が複数あるので子どもがお手伝いしやすいという面も。

画像3: ミニポップアップルーフ付きで立って調理/キャンピングカー長野「スペースキャンパーC」

ダイネットはコの字型で全体に背が低く抑えられている。圧迫感を解消していると同時に、奥に座っている人が移動して調理作業をしやすそう。ベッドメイクも楽にできる。

【問】キャンピングカー長野

圧迫感がないダイネットに注目したいキャンピングカー

食事や就寝前のくつろぎ時間に必要なダイネットだが、いくらステキな装備でも窮屈なのでは不満が残る。座り心地のいい対面ダイネットがベスト。

ポップアップで広々!/ホワイトハウス「N-BOX キャンパー NEO ポップアップパッケージ」

画像: ポップアップで広々!/ホワイトハウス「N-BOX キャンパー NEO ポップアップパッケージ」

運転席が回転するスイベルシートを搭載しており、コンパクトなN-BOXの中に対面ダイネットが登場。ポップアップルーフ付きなら上部がゆったりしているおかげで圧迫感がなく、よりくつろぎ度が高い。

【問】ホワイトハウス

 

快適なレイアウトが魅力/ナッツRV「リークⅡ」

画像: 快適なレイアウトが魅力/ナッツRV「リークⅡ」

走行時は全員が進行方向を向くので、長距離移動が楽で、宿泊時は2列目を回転させて対面ダイネットに。

ドア付近に冷蔵庫とシンクが装備されているので、ダイネットからも、屋外からもアクセスしやすい。車中泊はもちろん、キャンプ場でオーニングを広げて屋外で過ごすときにも便利なレイアウトだ。

【問】ナッツRV

クルマ旅をサポートする、設営簡単なテントを発見

画像: クルマ旅をサポートする、設営簡単なテントを発見

今回の「ふじのくにキャンピングカーショー」では話題のキャンピングカーを見学するだけが楽しみではない。テントやチェアを並べたキャンプエリア兼休憩所を用意しており、来場者はここで自由に過ごせるのだ。

このエリアに並べられているテントは、どれも設営が簡単でクルマ旅を助けてくれるものばかり。車中泊も、天気がいい休日はテント泊も楽しみたい……そんなわがままスタイルに応えてくれるテントを紹介しよう。

単独でも組み合わせてもよしのドームテント&シェルター/モンベル

画像1: 単独でも組み合わせてもよしのドームテント&シェルター/モンベル

山岳テントのイメージが強いモンベルだが、近年は居住性の高いキャンプ向きも展開している。前室の背が高く、ゆったりしたベースキャンプ用テント「クロノスキャビン」シリーズもそのひとつ。

会場では4人向きの「クロノスキャビン4」と自立式タープ「ソレイユ スクリーン」を展示し、軽いテントで生み出すゆとりの空間を提案していた。

画像2: 単独でも組み合わせてもよしのドームテント&シェルター/モンベル

モンベル「クロノスキャビン 4」(4万9800円・税抜)。ポールを2本クロスさせて作る「クロノスドーム」に、リッジポールを追加して背の高い前室を生み出しており、本体重量はわずか6kg。コンパクトカーへの積載も余裕でできる。

写真はパネルを巻き上げているが、付属ポールで張り出せば最大高さ185cm、幅160cm、奥行き205cmのビッグなリビングスペースが生まれる。パネルを地面までおろしたまま、両脇(写真の白い部分)パネルを巻き上げておくなんてことができるので、雨の日に重宝しそう。

ちなみに、ファニチャーは軽くてコンパクトなのに驚くほどタフなヘリノックス「テーブルワン ハードトップ」(1万4500円・税抜)とヘリノックス「チェアワン」(1万500円・税抜)。

画像3: 単独でも組み合わせてもよしのドームテント&シェルター/モンベル

モンベルの自立式タープ「ソレイユ スクリーン」(7万3000円・税抜)は、トンネル型テントのように3本のポールを平行に並べ、最後にサイドのポールを通して組み立てるというもの。

ポールとポールの間には設営用テープがあるので、フロアレスでも一発でペグを差し込む位置が決まるので苦労知らずに設営できる。

画像4: 単独でも組み合わせてもよしのドームテント&シェルター/モンベル

できあがりは幅390cm、奥行き400cm、高さ215cmで前後パネルはメッシュ付きで別売ポールを使って張り上げ可能。サイドは出入りできないものの、大型メッシュウインドウが装備されているので開放的だし、マッドスカート付きだから秋冬にも対応するなど1年中快適なリビングを生み出す。

3段階に高さを変えられるモンベル「マルチ フォールディング テーブル ワイド」(1万9500円・税抜)と、ヘリノックスのハイバックチェア「サンセットチェア」(1万6000円・税抜)を置いても、全方向にかなりゆとりがあることがわかるだろう。

おもしろいのが別売でインナーテントを用意されていること。クロノスキャビンと接続してもいいし、4人就寝のインナールームで大型ドームテント、2人就寝のハーフインナーで2ルームにするなど多彩な使い方ができる。

画像5: 単独でも組み合わせてもよしのドームテント&シェルター/モンベル

軽くて割れにくく、口当たりのいいポリプロピレン製「アルパインスタッキングプレート 20」(380円・税抜)、「アルパインスタッキングボウル 14」(380円・税抜)、断熱材が入って保温性・保冷性のある「サーモマグ200モンベルロゴ」(750円・税抜)は、キャンプでも車中泊でも重宝しそう。

【問】モンベル

 

ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

画像1: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

自立式のドームテントは軽くてとてもたてやすいがリビングスペースがないので、タープが別途必要だ。しかし、タープと接続すると張り綱やポールでキャンプサイトの中がごちゃついてしまい、夜、張り綱につまずいて転ばないか不安。

コールマンの新作「タフオープン2ルームハウス」(4万9800円・税込)は、ロングセラーの「タフドーム/3025」にヘキサタープをくっつけた意欲作。ドームテントと開放的なヘキサタープをシームレスに行き来できる気持ちよさを提案していた。

画像2: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

インナーテントは「タフドーム/3025」と同じ300×250×H175cm。パネル部分は最大幅420cm、奥行きは370cm。重量14kgなのでテントとタープを別に用意するよりも軽量だ。

ちなみに、定番タープ「XPヘキサタープ/MDX」が460×435cmなので、「タフドーム/3025」のドアパネルと接続したときと似たようなサイズ感。

「フォールディングリビングテーブル 120」(1万5800円・税込)、「レイチェア」(9980円・税込)、「ツーウェイキャプテンチェア」(7980円・税込)を一脚ずつ、「クーラースタンド」(5980円・税込)に載せた「54QT ステンレススチールベルト クーラー」(2万8800円・税込)を置いてもタープ部分を行き来しやすいほどにゆとりがある。これなら、「ツーウェイキャプテンチェア」を4脚置いてもよさそう。

ちなみに、タープ部分のメインポールは高さ220cm、外側のサブポールは180cm。N-BOXやソリオ、デリカD:2など全高180cm以下の車両なら外側のサブポールを使わず、クルマのキャリアにくくりつけてもよさそう。

画像3: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

タープを広げたまま、ドアパネルの巻き上げができるので就寝時も安心だ。また、タープとテントの接続部分は三角形の布が取り付けられており、風に煽られてもねじれにくそう。

画像4: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン
画像5: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

「レイチェア」は背もたれを大きく倒せる。「タフオープン2ルームハウス」のタープ部分で使うなら背もたれを起こせば4脚置けるが、そのまま背もたれを倒すと場所をとるので頭がはみ出る。かなりリラックスできるが、レイアウトには工夫が必要だ。

画像6: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

オープンタープ型なので、リビングにいながらタープの外で焚き火をしている家族を見守れる。
「ファイアーディスク」(6980円・税込)の周りに「コンパクトフォールディングチェア」(5980円・税込)、「ステンレスファイアーサイドテーブル」(7980円・税込)のような少し低いファニチャーをセットすれば、どこからでも焚き火の状態を確認できるのが安心だ。

画像7: ドームテントの建てやすさにタープをプラス/コールマン

乾電池を入れたまま収納しても液漏れの心配がない「バッテリーガードLEDランタン/1000」(5980円・税込)は明るい暖色の光が心地いい。食卓がエレガントになるホーローの「エナメルディシュウェアセット」(6980円・税込)とウッドハンドルの「カトラリーセットⅣ」(5980円・税込)とともに、車中泊でも活躍しそう。

【問】コールマン ジャパン

 

ふじのくにキャンピングカーショーレポ(2)では、ベッドルームに注目したいキャンピングカーとロゴス、キャプテンスタッグのキャンプエリアを紹介します。

写真・文:大森弘惠

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