日本一周旅の続きへ① 助手席のパートナー(前編)

訪れた地域を塗りつぶしていく日本地図。
アリとおかあさんは愛車のエブリイさんに乗って断続的に日本一周に挑戦中。
車旅をしようと思ったのは「アリもおかあさんも楽しい真ん中」にふたりで楽しい時間を作り上げたかったから。そして日本一周をしようと思ったのは、せっかくだからゲーム感覚の目標も付けちゃおうという出来心から(笑)
最初の日本一周旅は2018年8月。4歳になったばかりのアリを連れて、3週間で北海道、東北の11の地域をめぐった。

2018年8月、東北地方を塗るアリ。
車中泊初心者だったおかあさんは、2018年に反省だらけの初めての真冬の車中泊(vol.1)少し学習した2回目の雪中車中泊(vol.2)そして、3回目は振り出しに戻って、再び反省だらけの真夏の車中泊(vol.3)。
その後、数回の冬車中泊を経て、愛車のカスタムを決行!(vol.4)。いろいろ楽しくなってきて、車中泊熱急上昇中のおかあさん。
そして2019年3月。
いよいよ2回目のロングトリップ。日本一周旅の続きへ出発! ついに車内カスタム後初の車中泊だ。
今回から、この日本一周旅の様子をレポートしていきたいと思う。旅先での立ち寄り地、キャンプ場なども紹介!
2回目の日本一周旅は3週間、17地域へ

めぐった地域
東京→静岡→愛知→奈良→和歌山→大阪→兵庫→徳島→香川→岡山→広島→愛媛→高知→徳島→兵庫→京都→滋賀→岐阜→山梨→神奈川
前回の日本一周旅は2018年8月だったので、それから約8カ月後の2019年3月。旅はスタートした。
おかあさんは、出発してすぐにアリの様子が前回とかなり違うことを知った。8カ月でこんなに変わるものかと、それはうれしくも、面白くも、怖くもある。

今回の旅2日目の朝(アリが持っているドラちゃんはおかあさんの手作りなんだ)
具体的には、「いまどこにいるのか」「今後の予定」「ここから次の目的地まで何時間何分か」などがしっかりと分かるようになり、さらにはそれを把握したがる。要は話が通じる(笑)
そして何より、いまの気持ちを言葉にすることができて、“会話のキャッチボール”が続く! これは革命的なことだ。
前回は移動の車中、アリを飽きさせないようすることが最高に大変だったのだけど……今回は会話をしながら時を過ごすことができる!!
それによってお互いが快適に旅を楽しめるようになったのである。

8カ月前のアリ@秋田県。
毎日のルーティンのなかでは、その成長を感じ取るのはなかなか難しい。だから私の記憶のなかで助手席に座るアリは、8カ月前のイメージのまま止まっていた。
けれど、また旅に出たら、いきなり時計の針が急速回転して、助手席のアリが急に頼もしくなったように見えた。
テント設営より大変!? おかあさんの車中泊

港で海釣り、それから静岡県のピースをお友だちと一緒に塗ったよ。
今回の旅の初日は、東京を出発して静岡県で友だちに会い、夜は「道の駅掛川」で車中泊することに決めていた。

道の駅に到着したのは20時。さっそく車中泊の準備開始!……って、車内は荷物がぎっしり(汗)

今回の旅初日の積載(途中でイベント出店予定もあるので、ワークショップの材料なども積んでいます)。無計画丸出しのまとまりのない積載。洒落っ気一切ナシ。
まずは荷物の大移動……。助手席や運転席スペースに必死で詰め、ルーフキャリアに乗せられるものは乗せ……

コットの上に寝袋を載せ、

布団を広げてできあがり!
しかしその後もコットの下にもできる限り荷物を詰めて……、時刻は21時30分。この作業に1時間半もかかってしまった……。
これまでの反省と教訓から、とりあえずボックスに分けて積載! は意識していたけれど、車中泊仕様にするフォーメーションは車中泊するタイミングでやりながら考えればいいや〜って、あやふやにしていたため……この結果。
しかし実際に、荷物をあれこれ動かしながらやってみないと、よい方法を見出すことができないのも現実。この作業時間が少しずつ短くできるよう、この旅のなかでアップデートしていかなきゃ。
ただ、頑張った甲斐あって、準備の整った車内(内装カスタム後、初めての車中泊!)は疲れがぶっ飛ぶほど快適! アリも「いいねー!」と喜んでくれたので、まず無事に眠れる場所ができたことにオメデトウ!
はい! 今回も始まりました、アリとおかあさんの車旅!(ラジオ風)
「今回もよろしくね!」とアリの寝顔につぶやく1日目の夜。

道の駅掛川には、24時間営業のセブンイレブンと、その前で自由に使用できるカフェスペースがあった。明るいし、暖かし、店員さんがいて安心できるし、Wi-Fiも使えるし、なんてありがたいんだ! と、おかあさんは感動しながら、車中泊の未来は明るいな!と思った(笑)
「ただいまー!」がいいたいキャンプ場

静岡県を出て愛知県に立ち寄り、名古屋城をバックにパシャリ♪

奈良県に入り、今日はキャンプ場に泊まる。宿泊地はカントリーパーク大川。
東京ではまだ花開いていなかった桜が、ここでは満開だ。桜の木の下に今日のお家が完成! こういうとき「やっぱりテントが好き〜!」って思うね♪
ちなみに、今回持参したのはノルディスクのユドゥンというテントだが、間違えてノルディスクの別のポールを持ってきてしまい、テントが建てられない事件発生(涙)
……と焦ったのだが、タープ設営用に持参していたキャプテンスタッグのブラックポールが奇跡的にシンデレラフィット(感涙)
なのでこの旅の間、ユドゥンはちょっと男前なブラックアレンジスタイルでございます(笑)
芝生が美しいカントリーパーク大川の広々としたフィールドには、竪穴式住居(!)や長〜いスライダーがあってワクワクする♪

満開の桜の横をスライダーで滑り降りる。

管理人さんが育てている立派な椎茸。
こんなに桜のきれいな時期で、天気のいい日だけれど、平日なので利用客はほとんどおらず、フィールドにはのんびりとしたときが流れる。
アリとおかあさんは、気さくな管理人のおじさまと管理人室でおしゃべりしたり、キャンプ場で育てられている椎茸を採らせていただいたり、なんだか親戚のおじさんの家に来たようなほっこり気分になった。
(因みに休日は常に予約が一杯で、予約開始日には電話が止まらないそうだ)
翌日は、カントリーパーク大川から20分くらい車を走らせたところにある忍者修行の里へ!

忍者修行の里赤目四十八滝。
忍者に絶大なる憧れを持つアリ。将来の夢は忍者だそうで、アリとおかあさんは日本全国の忍者体験スポットへいろいろ行ってみたのだが、ここの体験は他のスポットより抜きんでて本格的で、大人も本気で挑戦できる(この日はおかあさんも一緒に忍者服を着て修行に挑戦したよ。忍!)

好きな色の忍者装束を借りられる。カラフルでかわいいけど、こんな派手な忍者だったらすぐ敵に見つかってしまいそうだ! ちなみにこの日の参加者は、アリ以外は全員大人だった。
忍者修行の里へ出発する前、大川カントリーパークの管理人さんに修行へ行くことを話すと、修行の帰りにその近くで購入できる「へこきまんじゅう」を食べるのがオススメと教えてくれた。

へこきまんじゅうの買える「たまきや」。サツマイモの生地で作っているおまんじゅうだから「へこきまんじゅう」というそうだ。
帰りに食べてみると、噂どおりのおいしさ♪
アリとおかあさんはその場でぺろっと完食し、それから管理人さんへお土産のへこきまんじゅうも購入した。
「ただいまー!」とキャンプ場に戻って、管理人さんにまんじゅうをお渡しすると、私たちが撤収を終えてチェックアウトするとき、今度は管理人さんが「まんじゅうのお礼」だとイワシ缶をくださった。
こりゃ次は、東京土産を持ってまたここに来たくなってしまう。あれからもう1年半も経ってしまったけれど、私たちのこと覚えていてくださっているかしら……。

管理人さんにいただいたイワシ缶。
まあ、そんなことはどうでもいい。再訪できる日がきたら、お土産を持って「ただいまー!」と、また行こう!

管理人さんにサインしていただいた日本一周ボード。
前回の東北・北海道旅では、色を塗りつぶしていくだけだったが、この瞬間に“今回の旅からは出会った方々にサインをしていただこう”と決めた。記念すべきサイン1人目は大川カントリーパークの管理人さんがなってくださった。
親子旅の壁

大川カントリーパークを出発し、その日の夜休む場所に選んだのは奈良県のスーパー銭湯。
そこで、おかあさんは衝撃的なものを目にした。
「保護者のみなさまへ:年齢10歳以上または、身長120cm以上の男の子は男性浴場をご利用ください」
アリはまだ4歳だが、身長120㎝を越したら、女湯に入ることができなくなる。
120㎝まであとわずか!? 年齢の割には背が高めのアリだが、中身はまだまだ幼児なので、おかあさんはそこまで考えが及んでいなかった。
それからいろいろ調べてみると、地方自治体によって、またはその施設ごとに様々な決まりがあるようだ。
ただアリはまだ4歳なので、基本的には今回利用する施設のように、独自の決まりを作っているところ以外、女湯に入ることは可能のようだ。
しかし、異性の子どもの公衆浴場入浴に関しては様々な意見があるようで、インターネット上で討論が繰り広げられていた。掲示板などを読み漁ってみたら、やはり体がある程度発達していると、「他の利用者のご迷惑になる可能性」があり、特に年頃の女の子には、不快感を与えることになりかねない。
そんなことを知ったので、ご迷惑をおかけする可能性があるのなら、本人の年齢や意識、家族の事情などに関わらず控えなければならない。となると、せいぜい一緒に入れるのは今年いっぱいだろう。
アリと一緒に温泉や銭湯に入れるのもあと少しだと思うと寂しいし、さらに幼児を一人で公衆浴場の男湯に入れるのはまだ危険なので、旅の休憩地としてスーパー銭湯利用の選択がなくなるというのは、なかなか痛い事実だ。

休憩室でアリが寝たあとに仕事。でもこの雰囲気眠くなるよねー。コンセントが設置されていなかったのでモバイルバッテリー持参。
余談だが、「インターネット喫茶」はほとんどの場所で子どもの深夜利用が認められないので(保護者と一緒でも)、子どもを連れて夜休む場所に利用することはできない。
絶妙な年ごろのアリとおかあさんは、車旅人が頼りにする2大スポット「スーパー銭湯」と「インターネット喫茶」を今後しばらく利用できないことになる(ひゅるるる〜)

翌日はコインランドリーに洗濯物突っ込んでから、
奈良の大仏様に会い、鹿せんべいを手に持つと、突如凶暴化して突進してくる鹿におかあさんはお尻をかじられ(アリはいまでも鹿を見るたびに「おかああさんは鹿にお尻をかじられた」と言う)

人間がおせんべい持っていなければ、こんなに穏やかなのに……。
それから、コインランドリーに突っ込んでいた洗濯物をピックアップして、さあ、今日はこれから! ……どこへ行こうか、どこで寝ようか……そう。おかあさんはこの先のルートをまだ決めかねていた。
どの道が正解?

さて、この旅の目的はなんだったでしょうか
それは「アリとおかあさんの時間を楽しむこと」。日本一周はついでにプラスしたアリとおかあさんの時間をより楽しむためのオプション(Vol.3日本一周旅で3回目の車中泊)
それと実は今回、もうひとつ目的があり、2019年3月30日〜31日に岡山県の中世夢が原で開催される「WestsideOutdoorFestival」に出展するのである。

WestsideOutdoorFestivalの様子。
これは、わが家のエブリイさんの内装カスタムを手掛けてくれたクリエーターズユニット・シエルブルーの主催するイベント。
そこで美しく変身したエブリイさんの展示と、ワークショップの出展をさせていただくことになっているのだ。
そもそも、このイベントが岡山県で開催されるのであれば、そこへ行くことと合わせて近畿・四国地方にも行こう! というのが、この時期に、この地域をめぐることに決めた発端なのだ。
ということで、アリとおかあさんは3月30日までに岡山県に到着しなければならない。
ただいま3月27日14時。場所は奈良県。

このまま大阪府→兵庫県→徳島県→香川県→岡山県と進めばスムーズだ。
その後、広島県から四国へ入り、四国を出たら帰りは滋賀県へ向かいたい。
しかしそうすると、和歌山県の地を踏むことができないのである。
和歌山県内にも行ってみたい場所はたくさんある(できることなら紀伊半島の南端まで行きたい)
しかし、行ってみたいと思う場所はどこもかなり現在地から距離があり、この日程では明らかに無理。
日本地図のピースを塗るためには、一歩でも和歌山県に足を踏み入れたいが、ただピースを塗りつぶすためだけに移動するのは、アリとおかあさんの旅の本望ではない。
でもやっぱり和歌山県のピースも塗りたい……と葛藤しながら、スマホに表示したGoogleマップを何度も引き伸ばしては縮め、私の指はぐるぐると奈良と和歌山の県境を旅するのであった……。
つづく
★アリとおかあさんは、和歌山県に足を踏み入れるのか? そしてその後の日本一周旅はどんなことが待っているのか? 次回更新をお楽しみに!
著者プロフィール 三沢真実 mami misawa
クリエーターズユニットCAMMOC(キャンモック)にて「キャンプのある暮らし」をテーマに、情報発信、キャンプコーディネート、イベント企画、などを⾏うクリエイティブデザイナー。現在7歳の息⼦と2⼈で⽇本⼀周車中泊&キャンプ旅の途中。
Instagram @mamimisawa
CAMMOC Instagram @cammoc