愛車:ホンダ アクティ2012年式
亀谷さん
●車中泊歴:2年
●主な車中泊スポット:特にはないが、一度行ってみた場所は重複しないように、初めての出会いを大事に各地へ出かけている。
●これから行ってみたい車中泊スポット:最遠方が熊本県なので、もっと南の沖縄県や鹿児島県の徳之島には行ってみたい。
会社は子どもにまかせて、悠々自適の生活を送っている自営業の亀谷さんだが、ある出来事(後述)をきっかけに、それまで子どもが使っていたクルマを自分専用車に仕立て上げたという。
車中泊ルーム前方のバンク部分に注目。走行時の風の影響を考え、フロントウインドウに合わせて傾斜をつけている。また、ルーム自体の高さは地上から2,420mmに抑えているのだが、関係各所に問い合わせてこの数値に決まったとのこと。
住宅用の設備・建材でDIY。取り外しも自在
熊本県で起きた震災で、多くの人が車中泊で避難生活を余儀なくされていることに心を痛めて、ボランティア活動に出かけたという亀谷勝信さん。
家族の使用していた軽トラをベースに、荷台に車中泊ルームを製作。でき上がると、ただちに現地へ。「軽トラなら身近にあるし、すぐにできると思って作った」そうで、現地の人には参考にしてほしいという思いもあった。
仕事柄、設計・建築は得意で、細部まで綿密に作られている。驚きなのが、設置や取り外しも容易なこと! 荷台へ「載せている」ので、フォークリフトを使って簡単に降ろすことができるのだ。
荷室サイズから部屋の大きさを設計
おおまかな長さを割り出した設計図。当初は2段ベッドとし、ギャレーなどの構想もあった。ちなみに荷台の長さは標準で1,940㎜。そこから室内の長さを設定している。
室内の高さや地上からの高さも、この時点で決めている。
寒さ、暑さ対策も完璧! 設置・取り外しはフォークリフトでお手軽!
内装には断熱材を埋め込んで、暑さ寒さ対策も完璧。
ベニヤを張り付け。ベニヤは自身と一緒に体重計に乗せて一枚ずつ計量。そして、床下の構造に注目。
床下を中空にしたことで、フォークリフトで簡単に設置・取り外しができるのだ。
室内へ乗り降りするときは脚立を使う。リアとサイドゲートには、縞鋼板のステンレスを使用。カラビナとチェーンを使って、ゲートを開いたままで固定できる。
あちこちにナイスなDIYアイデア!
ドアは住宅用の建材を採用。重量が軽い製品ということもあり、操作性も良好。開口部も広い。
ドアにはクローザーを装着。ストッパーが付いているので開放・固定することもできるのだ。
室内の左右には小窓があり、網戸が付いた住宅用のサッシを導入。滑り出しタイプの窓は上に開くので、雨の日も便利。
室内には外気導入の換気口を設定。
外壁には木材を使って自身の名前のロゴを装着。家のデザインがかわいらしい!
軽量化には苦心! -30㎏もダイエット
車中泊ルームには住宅用の建材を惜しみなく使用。外壁は耐候性に優れたガルバニウムを採用し、内装はベニヤ板に落ち着いた色合いの壁紙を組み合わせている。
ちなみに室内の高さは1,800㎜もあるので、移動も余裕。寝る場所と自転車置き場の広さも、ほどよいスペースだ。
この車中泊ルームを製作するのに、一番苦心したのが重量。「荷物扱いなので積載重量は守らなければならない。製作した当時は想定重量から30㎏も超えていたけど、外装の厚さを薄いものに変更。入り口のドアもガラスからプラスチックに変えて大幅に軽量化を施した」とのこと。
室内高1,800㎜でゆとりの広さ
室内の高さは1,800㎜以上あるので、着替えなども余裕でこなせる。寝床のマットはニトリ製で、リクライニングの角度が調整できるタイプ。
腰に持病があるというので、電動マッサージ器を常備する。
快適装備も抜かりなし!
近所の量販店にて購入した1800円の車載用冷蔵庫はコストパフォーマンス最強! 落下防止のためゴムバンドが装着されている。中身は意外と大容量!
棚もコンパネにアングル材を付けたシンプルなもの。
DVDプレーヤーを設置。車中泊時はお気に入りのDVDを見て過ごすという。下は別体のスピーカー。
インバーターとイルミが付いた別体のスピーカー。スピーカーの前には各機器のON/OFFスイッチ。
釣り竿。海辺の近くでは釣り糸を垂らすこともあるという。
アウトドア用のテーブルと調理器具なども備える。
実は床は大理石。大理石のパネルの下には12mmの合板が敷いてあり、さらにその下にプラスチックのパネルを敷いて剛性を確保している。