車と体、そして凍結。 抜かりない対策が冬車中泊のコツ
これからの寒い季節。車中泊で冬の寒さを乗り切るには、「車自体と体の防寒対策が必須」と話してくれたのは、車中泊歴20年以上のベテランでクルマ旅専門家である稲垣朝則さん。
では具体的に、どのような車中泊グッズ&テクニックが必要なのか、「車の防寒対策」と「体の防寒対策」に分けて紹介しよう。
教えてくれた人:稲垣朝則さん
クルマ旅専門家。車中泊雑誌『カーネル』にて車中泊ガイド「車中泊で旅する」「車中泊で攻略する」を連載。日本全国を車中泊でめぐり、情報発信している。
http://auto-packer.com/blog/
まずは車の防寒! 冬だからこそ起きる事例を想定し、対処できるグッズ備える
稲垣さんの愛車は、アネックス社のキャンピングカーWiz。FFヒーター完備で真冬でも暖かく過ごせ るが、いざというときの備えも怠らない。
「冬は日没が早く、夜明けが遅い。車内で過ごす時間が増えるから、夏感覚でいるとすぐに電気がなくなります。サブバッテリーが止まったら、FFヒーターも当然使えない。だからダウンの寝袋やブランケットなどを多めに用意しています。そういういざというときの備えも、冬車中泊には必要です」。
また、冬車中泊の「大荷物問題」も、収納性を高めて対策している。ちなみに稲垣さん、撮影に使ったアイテムは間髪入れずに丁寧に、決められた場所に片づけていく。こういうマメさも、荷物問題をクリアする秘訣であろう。
車の防寒対策、稲垣流4つのテクを紹介しよう。
①シェードで窓からの冷気侵入を防ぐ
「冷気は窓から車内に伝わります。それを防ぐには、断熱シェードで窓をふさぐのが効果的」。使用しているのは、アイズのマルチシェード。「多少、値は張るけれど、断熱性が高く、車の防寒対策に効果あり。愛車に長く乗るなら、買う価値は十分にあると思います」。
②FFヒーター完備だけれど、なくても過ごせる装備は必須
いざというときのため、装備している寝袋は、ダウンに防水加工が施されたスノーピークの「セパレ ートオフトンワイド」。使用時は、さらにブランケットを上にかけると暖かい。寝袋もウエアのように「重ね着」するのがポイント。
③冷えと汚れ対策にマットとシートを利用
車内のフローリング床が冷えるので、ラグマットを敷いて足元の寒さ対策。ラグマットの下にはフロアシートが敷いてある。雪などで靴が濡れたり汚れたりしたままでも、ラグマットを外すだけでスムーズに車内に入れるようにしたそうだ。
④冬の大荷物問題を乗り切るには整理整頓&一石二鳥アイテム
寒さから逃れるため、あれこれ荷物が増えるのが冬車中泊の問題点。そのため、荷物の省力化と整理整頓を心がけている。
天井空間を生かすため、ハンギングバーにハンモックを取り付けて窓上に収納スペースを確保。重い荷物は載せられないが、州能力は格段にアップする。
食器や小物はスタッキングできるものや、ひとつでなん通りにも使えるものを持参。また荷物は小分けにしてトー トバッグにしまい、デッドスペースに収納している。
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体の防寒は、とにもかくにもレイヤリング! アウトドア製品×お手頃製品をミックス!
「車中泊ウエアの基本は重ね着。登山でよく聞く『レイヤリング』と同じ考え方ですね。でも車中泊 の場合は、そこまでシビアになら なくても大丈夫」と稲垣さん。
登山のレイヤリングは簡単にいうと、機能性の高い吸湿速乾インナー、保温素材、防寒・防風素材のウエアを重ねて着ること。汗冷えなどからくる低体温症といった体へのリスクを減少するためのものだ。けれど、運動量の少ない車中泊は、その考えをもとにした「重ね着」で十分という。
「僕の場合は素肌に発熱インナー、その上に暖かい空気をまとえるフリース。外側はさらに膨らみの大きいダウンジャケットを着用。中の 2枚は安価なものでいいけれど、ダウンは信頼性の高いアウトドア製品がいい」。稲垣さんの車中泊ウエアをチェック!