地震や豪雨などの自然災害に備え、車の中に用意しておきたい「避難用車中泊グッズ」とその使い方、テクニックを紹介。被災時に車中泊避難の準備があれば、きっと心強い味方になってくれるはずだ。

ふだんから「車中泊避難」の準備をしておく

1月17日で阪神・淡路大震災から26年。その後も、東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨など、大きな自然災害は絶えません。

家には戻れない、でも車はなんとか使える……。

そんなとき、「車中泊避難」の準備があれば、きっと心強い味方になってくれるはず。ここでは、車に準備しておくと被災時に役立つ、車中泊避難用グッズとその使い方を紹介します。

防寒&着替え用の衣類を圧縮袋に詰めて、車に積んでおく

画像: できれば、家族の人数×救援物資が届くまでの3日分の衣類を準備。冬は防寒、夏は着替えとして使用できるように、3月と9月に衣替えをしたい。

できれば、家族の人数×救援物資が届くまでの3日分の衣類を準備。冬は防寒、夏は着替えとして使用できるように、3月と9月に衣替えをしたい。

圧縮袋などを活用して緊急用の衣類を入れておけば、汚さず、そしてかさ張らずに車載しておくことが可能です。

普段あまり使用しないラゲッジ下の収納スペースのような、小スペースに積んでおくことができ、日常の荷物の出し入れの流れで、車から下ろしてしまうことも減るでしょう。

被災時、このような予備の衣類があると、緊急時の着替えや防寒で使用できるだけでなく、余った衣類は下記のようにシートの段差を解消する際にも使えます。

ただし、注意してほしいのは、成長期の子どもや乳児などが家族にいる場合。体の大きさにあった衣類でないと、せっかく準備していても着れなければ意味がありません。

1~2年(例えば車検時など)に衣類のサイズをチェックして入れ替えるなど、「衣替え」とともに、積んでおく衣類の「メンテナンス」もお忘れなく。

就寝時はタオルや毛布を活用して、「フラット」を心がける

画像: 積んでおくタオルや毛布は、衣類同様、圧縮袋に入れておくと、汚れず、コンパクトに保管可能。

積んでおくタオルや毛布は、衣類同様、圧縮袋に入れておくと、汚れず、コンパクトに保管可能。

震災などの緊急時に車中泊を行う場合、自分の車がラゲッジで寝られるタイプか、シートでしか寝られないタイプかで、就寝人数や快適さは大きく変わります。

まずはマイカーのシートアレンジを事前に復習しておくことが大切。そのシートアレンジによって、何人まで車中泊できるかが把握できます。

被災時、誰が車中泊で、誰が避難所へ行くのか?などのシミュレーションは、やはり事前に行っておくべき。

また、一般車のシートやラゲッジは、最近の一部の「車中泊仕様」をうたったモデル以外、基本的には「就寝時の快適性」は考慮されていません。シートやラゲッジを最大限に倒しても、思った以上に凹凸があるもの。そのまま寝ると、体に負担がかかってしまうこともしばしば。

そこで、タオルや毛布、そして上記のように保管していた衣類などを使い、へこみやすき間を埋めると、ぐっと快適になるはずです。

タオルや衣類は、窓の目隠しとしてもおすすめ

画像: 洗濯ひもや洗濯ばさみなども、車載しておきたいおすすめグッズ。

洗濯ひもや洗濯ばさみなども、車載しておきたいおすすめグッズ。

窓に目隠しをすることは、プライバシーを確保できるだけでなく、防犯面においても非常に重要。車内のグリップにロープを渡し、大きめのタオルや上着をかけて洗濯ばさみなどで留めるだけで、簡易的な目隠しに。窓にタオルを挟むなどの方法もあります。

車内が外から見えないというだけで、就寝時のリラックス度は大きく変わります。避難時、すべての窓をふさぐことが無理な場合は、人通りの多い側面のみでも構いません。

「外からよく見えない」=プライバシーの確保が少なからずできるはず。特に女性や小さな子どもがいる家族は、着替えや授乳などを車内で行えるだけで、心の余裕が生まれることも。

さらに、仮設トイレが避難所に準備されるまでに多少の時間がかかります。目隠しさえしていれば、簡易トイレを車内で使用することもできます。

水分と非常食の準備もしっかりと

画像: 保管しておく水や非常食は、家族の人数分×救援物資が届くまでの3日分を目安に。水も非常食も消費権限があるので注意したい。

保管しておく水や非常食は、家族の人数分×救援物資が届くまでの3日分を目安に。水も非常食も消費権限があるので注意したい。

避難生活のなかで、食料や水が避難所に届くまでの期間を考えて、非常食と水の準備も必須。準備する水分は、スポーツ飲料や栄養ドリンクなどよりも、ペットボトルの「水」がベスト。非常食を調理したり、ケガの傷口を流したり,顔や手を洗ったりするなど、汎用性が高いからです。

そして、熊本地震で大きな注目を集めたエコノミークラス症候群。その予防のひとつとしても、水分は欠かせません。避難中の女性のなかには、トイレ状況を考えて、水分摂取を抑える人も少なくありませんが、これは非常に危険です。

もちろん、不便な避難生活のなかで潤沢に水があるとは限らないので、水分摂取するペースを考えたうえで、水と非常食の数量を計算し、しっかりと準備しておきたいところです。

工具などは常備しておく

画像: 工具などのほかに、乾電池で動くラジオ、ヘッドライト、乾電池の予備、ライターなどもあると便利。

工具などのほかに、乾電池で動くラジオ、ヘッドライト、乾電池の予備、ライターなどもあると便利。

ふだんから車の中に工具を積んでおくことができれば、非常時の様々な状況に対応可能になります。工具といっても、ペンチやドライバー、カッター、ひも、ガムテープなど、家にあるもので大丈夫。それだけでも、あるとないとでは大違いですよ。

代用トイレも考えておく

画像: 付属の液体や袋などを準備しておけば何度も使える簡易トイレ。ただし、車に積んでおくと場所をとる。使い捨てトイレのほうがコンパクトではあるが、その場合も家族の人数×救援が来るまでの3日間を考えて準備したい。

付属の液体や袋などを準備しておけば何度も使える簡易トイレ。ただし、車に積んでおくと場所をとる。使い捨てトイレのほうがコンパクトではあるが、その場合も家族の人数×救援が来るまでの3日間を考えて準備したい。

車内にトイレが確保できれば、安心感はぐっと上がります。写真のようなしっかりした簡易トイレがあればベターですが、量販店などで購入できる使い捨てトイレのほうが保管するスペースは小さく、便利な場合もあります。車内スペースや家族構成なども考えて準備したいところです。

また、市販のトイレが準備できなかった場合、手軽に自作することも可能。バケツや段ボール箱にビニール袋をかぶせて、子ども用紙おむつか新聞紙を丸めたものを入れれば用は足せます。

荷物の移動を面倒くさがらない

画像: 緊急時には心強いキャンプ道具。車内で寝る際は外に出すことも考えたい。

緊急時には心強いキャンプ道具。車内で寝る際は外に出すことも考えたい。

おすすめグッズというわけではないが、少しでも体をリラックスして寝るためのテクニックをひとつ。荷室や後部座席の荷物を一時的にでも車外などに置ける場合は、寝る前に荷物を移動し、体を横にできる就寝用のスペースをできるだけ広く確保すること。移動は手間だが、その手間を惜しまないことで、体への負担を段違いに減らすことができます。
 

      

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