快適な車中泊旅をしたいならキャンピングカーが最適!
車の中で寝るだけだったら、どんな車だって寝ることはできる。でも、軽自動車や普通乗用車では限られたスペースで窮屈な体勢を強いられることもあり、快適な睡眠がとれないことも多々ある。
当たり前と言ってしまえばそれまでだけど、快適な車中泊を行うなら、やはりキャンピングカーの利用が一番なのだ。
とはいえ、キャンピングカーとひと口に言っても種類はさまざま。ということで、そもそも一般乗用車と何が違うのか、そしてキャンピングカーの種類と装備品を解説していこう。
キャンピングカーは「8ナンバー」の特殊用途自動車
消防車、救急車、パトカー、霊柩車、散水車など、特種な用途に使用する“特種用途自動車”に区分される8ナンバー登録車両。
我々とは縁遠いものに思えるが、じつはベッドやキッチンなどを装備するキャンピングカーもこの区分に含まれる。税制面で優遇されるなど有利な点もあるが、その反面、キャンピングカーとしての8ナンバー取得は、かなり厳格化されてきているのが現状だ。
キャンピングカーの種類は大きく6種類
詳しい内容は下で説明しているので参照いただきたいが、キャンピングカーは大別すると6種類。
ピックアップトラックをベースにしたものから、マイクロバスをベースにしたもの、ミニバンやワゴンなどをベースにしたもの、さらにはトレーラータイプなどがある。それぞれに一長一短があり、『これがオススメ!』とは一概にはいえない。
使用目的、予算、乗員数、居住性&取り回し性などを加味したうえでレンタル、もしくは購入するのが一般的といえるだろう。
キャブコン(キャブコンバージョン)
居住性 〇
取り回し 〇
価格 〇
ピックアップトラックやバンをベースとしたキャブ付きシャシー(荷台を架装する前の貨物自動車)の上に、キャンピングカーの設備を有したキャビン(居室)を、架装メーカーが製造したもの。扱いやすく設備も充実。
バンコン(バンコンバージョン)
バンコン(バンコンバージョン)
居住性 〇
取り回し ◎
価格 ◎
ミニバン、バン、ワゴンなどをベースに、車内がキッチン、サニタリー、就寝スペースなどに重点をおいて、改造されているモデル。ボディサイズがベース車とほぼ変わらないので、日常でも使いやすく、人気が高い。
フルコン(フルコンバージョン)
居住性 ◎
取り回し △
価格 △
自動車メーカーから供与を受けた専用ベアシャシー(フレーム、駆動系、エンジンなどのみ)に、キャビンのすべてを架装メーカーが製造したモデル。走行性に優れており、快適な装備も充実している。
バスコン(バスコンバージョン)
居住性 ◎
取り回し △
価格 △
バスやマイクロバスをベースにしたキャンピングカー。高級志向のモデルなので居住性は秀逸で、長期滞在、大人数での車中泊に最適。ベース車両が大きいので日常の取り回しは、やや苦労するかも。価格も高い。
ピックアップキャビン
居住性 △
取り回し 〇
価格 〇
ピックアップトラックの荷台に着脱可能なキャビンを載せたもの。一体化されていないので、整備のときなど降ろすことができる。ピックアップトラック自体が少ないので、搭載するキャビンは限られるが、使い勝手は上々。
トラベルトレーラー
居住性 〇
取り回し △
価格 ◎
エンジンを搭載しないキャビンのみのモデルで、牽引して移動する。重量によって牽引免許が必要だが、居住スペースの快適性は高く、コストパフォーマンスもいい。切り離せばクルマのみで移動できるのも利点。
キャンピングカーってどんな装備があるの?
こちらもキャンピングカーの種類によって変わってくるが、共通していえることは”快適な車中泊をサポートするためのさまざまな装備が用意されている”ということだ。
今回の取材に協力いただいたマクレントのコンフォート・スタンダードモデル“マクレントライト”も充実の装備がテンコ盛り!
お風呂やトイレこそないものの、それ以外の装備はワンルームのアパートなみ(?)と思えるほど。これを見てしまうと……キャンピングカーで車中泊したくなる!?
ミドルサイズのキャブコンで、キャンピングカーの装備をチェック!
装備をチェックするキャンピングカーは、はマクレントの「マクレントライト」。
サイズは全長4800mm、全幅1890mm、全高2700mmと、高さ以外はトヨタ・アルファードなどの高級ワンボックスカーと同等の数値であり、扱いやすく運転が楽な人気のライトキャブコンだ。
そのコンパクトさは写真を見ても一目瞭然だが、リアタイヤの中心からリアエンドまでの距離(オーバーハング)が長いことと、背が高いことが普通車との大きな違いとなる。
キャンパーシェルの中の装備を見ていくと、あまりの充実ぶりに驚くことばかり! これだったら、いつでもどこでも快適に過ごせるのはまちがいないだろう。
インテリア
キャンパーシェル内にはシューズボックス、各種収納棚、洗面台(水まわり)、クーラー、電子レンジ、冷蔵庫など、生活に必要なものがひととおり揃っている。
スイッチ類は室内灯用、キャンパーシェルの天井に設置される換気扇用、給水タンクから水をくみ上げるためのポンプ用の3つを装備。
出発前に給水用のポリタンクに水を入れておけば、シンクも利用可能。
ポリタンクは2個あって、ひとつが給水用(右)で、もうひとつは排水用(左)。
大人4人がゆったりとくつろげるリビングスペースも確保されているから驚き! ソファの座り心地もグッド。テーブルの向きも任意に変更でき、スペース活用の自由度が高いことも魅力のひとつ。
さっきまでリビングとして活用していたスペースだが数分もあればベッドルームに変更可能!
運転席の頭上スペース(バンク部)もベッドルームとして利用できるようになっていて、撮影車両のマクレントライトでは上に3名、下に3名のトータル6名の就寝が可能だ。ルーフには室内喚起用の換気扇も装備されている。
エクステリア
キャンパーシェルの外側には外部電源入力口を用意。ここに電源用ケーブルを接続すれば、車内の家電製品にAC100Vを供給できる。電源容量が大きいクーラーや電子レンジも使用可能に。
キャンパーシェルの入口扉には網戸も設置されている。
キャンピングカー選びのポイント
年間10泊以上の車中泊をする人は、キャンピングカーの購入を検討したほうがいいかもしれない。居住性がかなり高く、車中泊の快適度は抜群!
キャンピングカーを選ぶ際のポイントは、就寝定員と客室レイアウト。実際に寝る人数よりも1〜2名ほど余裕があると、広々とした空間で就寝できる。
またレイアウトはキッチンやテーブルまわりの配置をチェックして、スムーズな動線かどうか見極めるのが大切。
キャンピングカーはレンタルもあるので、まずは自分にどんなキャンピングカーが合うのか、試してみるのもおすすめ!
写真:鈴木信行ほか
文:加藤文晶、カーネル編集部
取材協力:マクレント平塚
出典:カーネル vol.44 2020冬号、車中泊の新基本