EVキャンピングカーに期待⁉

電池で稼働するキッチンや冷蔵庫などを備え、雪のなかでも快適なキャンプライフが可能(写真はe-NV200 Winter Camper concept)

日本は世界でも有数のEV先進国だ。昨年(2021年)に販売されたEVは、約2万1000台。乗用車全体の2%にも満たない、わずかな数だ。

しかし、10年以上も前から量産EVを販売しており、全国約7700カ所に急速充電装置を用意する。万単位でそろえる中国やアメリカには劣るけれど、日本の数は欧州と比べればトップクラス。

日本の高速道路のSAを見れば、そのほとんどにEV用急速充電装備が備わる。ロングドライブできるように充電インフラは整っているのだ。

そうした日本の環境下であれば、EVキャンパーを所有しても、十分に楽しく使うことができるはず。今は、まだEVの人気は低いけれど、ムードひとつで世の中が激変するのが、日本の特徴でもある。

気が付けば、あっという間に、EVキャンピングカーが大人気になる可能性はある。なんといっても改造キットはあるし、インフラもそろっている。EVキャンピングカーの未来に注目だ。

・〈コラム〉EVキャンパーのコンセプトモデル e-NV200 Winter Camper Concept

e-NV200 Winter Camperconcept

2021年1月に発表されたコンセプトバンが「e-NV200 Winter Camperconcept」だ。「e-NV200」をベースに欧州で製作された。

「e-NV200」に欧州限定の「Nissan Camper Technology Luxury Kit」を架装している。

狙いは、あらゆる環境下でもアウトドアライフをEVで楽しむこと。電化されたキッチンと冷蔵庫、折りたたみ式ベッド、断熱ガラスを装備。ソーラーパネルから充電も可能。高めた車高によって雪道での走行性能もアップしている。

〈コラム〉EVの給電能力の注意点

停電時に、EVと家庭をつなぐV2H。家庭で使う電力をEV が賄うという考えだ。

EVはハイブリッドカーやPHVとは比べものにならないほどの大きな電力を蓄えている。ただし、蓄える電力が大きく、しかも直流ということで、100V交流に変換するための専用の外部給電装置が必要だ。

コンパクトな「パワームーバ―」を使ってEVの電気を家電などに利用することができる。

装置の価格は50万~100万円といったところ。ただし、そうした外部給電装置には統一規格があるため、複数のメーカーのEVに利用できる。家庭用と持ち運び可能なタイプが存在する。