第二章 電気の本命はPHV(プラグインハイブリッド)

画像: 三菱自動車 アウトランダーPHEV

三菱自動車 アウトランダーPHEV

実際の使い勝手やコストなどを考えると、実のところ、最もキャンプに向いている電動車は、PHV(プラグインハイブリッド)ではないだろうか。その特徴やEVとの違い、どんな車種があるのかを紹介しよう。

HVやPHVの増加でコンセント付きが増えている

PHV(プラグインハイブリッド)とは、ハイブリッドカーに外から充電できるようにプラグを追加したモデルだ。

駆動用の二次電池の容量は、EVほどではないが、HVよりは大きなものが搭載されている。そのため、EV走行できる距離がHVよりも大きい。

人気のアウトランダーであれば、最新モデルで87㎞ほどもEV走行ができてしまうのだ。しかも、プラグを使って充電ができる。毎晩、家で充電しておけば、新型アウトランダーPHEVであれば、朝には87㎞走れる電力を蓄える。もしも、その日の走行が87㎞未満であれば、EV走行だけで済んでしまう。

いわばEVと同じに使えるのだ。それでいて、エンジンもあるのだから、EVよりも遠くまで走っていける。近場はEVのように、遠出はエンジン車、という使い方がPHVはできるのだ。

また、自宅に充電設備がなければ、充電しなくてもよい。ハイブリッドカーと同じように使うこともできる。

そして、駆動用二次電池は非常に高価な部品だ。その電池がEVよりも少ないということは、車両価格もEVよりも安くなる。ハイブリッドカーよりも、PHVは高いが、EVよりは安いというポジショニングだ。

〈コラム〉最新モデルが登場した三菱自動車のフラッグシップ アウトランダーPHEV

画像: エンジンでの走行、電気だけ(EV)、電気とエンジンのハイブリッドの3種の走行モードを使用。

エンジンでの走行、電気だけ(EV)、電気とエンジンのハイブリッドの3種の走行モードを使用。

2013年に登場したアウトランダーPHEVは、これまで世界中で約29万台も販売されてきた。その三菱自動車の誇る人気PHEVが昨年12月にフルモデルチェンジ。

画像: PHVシステムを一新。搭載する電池を20kWhに増大させ、EV走行距離を87kmに拡大。

PHVシステムを一新。搭載する電池を20kWhに増大させ、EV走行距離を87kmに拡大。

PHVシステムと前後モーターの4WD制御を進化させ、3列シートとなって使い勝手も向上している。もちろん最大1500Wの2つのAC100Vコンセントを装備。価格は約462万~532万円。

PHVはキャンプや車中泊に最適なのだ

画像: トヨタのPHV用プラグ「ヴィークルパワーコネクター」。車内のコンセント以外にも、外部の充電用ジャックから外部給電するアイテムだ。充電口に差し込めば、100Vコンセントをつなげられる。

トヨタのPHV用プラグ「ヴィークルパワーコネクター」。車内のコンセント以外にも、外部の充電用ジャックから外部給電するアイテムだ。充電口に差し込めば、100Vコンセントをつなげられる。

最後に重要なのが日本メーカーのPHVは、そのどれもがAC100Vの給電機能をもつこと。電池の容量はEVほど大きくないが、発電するエンジンがある。つまり、発電機付きの電池ということで、非常に長い時間、電力を供給することもできるのだ。

実際に、台風などの自然災害で停電した地域の人が、PHVを使って家庭の電化製品の電力を賄ったこともあったという。

もちろん、災害時だけでなく、楽しいキャンプや車中泊に、電気を使うのだっていい。というか、そうした使い方のほうが、頻度は多いはず。

つまり、PHVとは、EVよりも航続距離が長く、長時間可能な給電機能があり、そしてEVよりも安い。しかも、アウトランダーPHEVやRAV4 PHVのようなSUVも存在している。その特性を吟味してみれば、PHVは、キャンプや車中泊にぴったりなのだ。

ちなみにトヨタのハイブリッドは、AC100Vの給電機能を用意しているモデルが多い。ノアやヴォクシーのようなミニバンにもハイブリッドがあるので、そうしたモデルで給電機能を利用するのもいいだろう。

クルマの電動化は、この先もまだまだ続く。ハイブリッドカーは、さらに増えてゆくはず。それに伴いキャンプや車中泊に向く、給電機能付きのクルマは、今後、増える一方なのだ。どしどし利用しよう!

This article is a sponsored article by
''.