【概要】北海道を拠点に車中泊旅を楽しむYouTuberの軽キャン女子・まるななさんと、日本を旅するうめのふたりが寒さ対策のポイントを紹介。FFヒーターあり、なしで冬車中泊の寒さ対策を比較。

車中泊グッズはどう変わる? 防寒対策、比べてみました!

文:日本を旅するうめの

冬の車中泊を考えるうえで、大きなポイントは2点あります。まずは車中泊する場所。

わたし、うめのは冬になると北海道を離れて暖かい関東以南で過ごし、桜前線とともに北海道に戻ってくる生活です。

でもこれって、寒さ対策としてできる人は限られますよね。そしてもう1点は、愛車にFFヒーターを装着しているかどうか。

エンジンストップ時でもヒーターが使えれば、車内で使用するアイテムは変わるし、車内での安眠度は変わってきます。

そこで今回は、寒さの本場・北海道に拠点を置きながら、クルマ旅を楽しむふたりの女性キャンピングカー乗りが寒さ対策のポイントを紹介。

FFヒーターを装備しているまるななさんの愛車と、FFヒーターが使えないうめのの愛車の、冬の寒さ対策を比べてみました!

キャンピングカー女子ふたりのプロフィール

まるななさん
愛車:バンショップミカミ・テントむし
軽キャンピングカーを駆って、北海道を自由に旅する軽キャン女子。登山やキャンプにも使えるコンパクトなギアと、FFヒーターを装備。夏はもちろん、極寒の冬でも車中泊を楽しむツワモノ。YouTube「まるななちゃんネル」は随時更新。

日本を旅するうめの
愛車:グローバルチャンプ
往年のキャブコンに年間300日住みながら、日本全国を旅するキャンピングカー女子。装備にFFヒーターはあるものの、LPガス仕様で、近年は使用困難に。防寒グッズと広い室内を活かして、冬の生活を楽しんでいる。YouTubeは同名ch.

FFヒーターあり! まるななさんの寒さ対策

車内は意外に薄着でOK!

FFヒーターでこんなに違う! コタツにもなる!

工賃含めて通常20万~30万円が必要なFFヒーター。エンジンオフでもヒーターが使用でき、車内はポカポカに。

ひと晩で燃料は1L前後の消費のみ。ただし、サブバッテリーや燃料タンクからの燃料管の設置などが必要で、プロショップやビルダーでの作業が必須。

FFヒーターの吹き出し口にダクトを取り付けて、温風を送り込めば立派なコタツになる! まるななさんならではの楽しみ方で、冬でも野外が楽しくなるはず。

最大の難敵・外気からの冷気を遮断すること!

カーテン&パネルでしっかりと窓をふさぎ、寝袋はふたつ使い。使っている寝袋などのアイテムは、冬用の登山&キャンプギアなので、高機能かつコンパクト。小柄な「テントむし」にもマッチしています。これはFFヒーターがあるからこそ!

❶キャンプ用テーブルに開いたシェラフとブランケットをかぶせてコタツに
❷シングルストーブはSOTO・ST-310を使用。コールマン・パックアウェイケトル0.6やお湯を保存するためのサーモボトルなどを愛用。その他、寒さ対策に日本酒もあり!?
❸シェラフはモンベル・ダウンハガー800#2にウォームアップシーツをプラス。耐熱ボトルはナルゲン
❹部屋着としてモンベルのフリースとダウンパンツ
➎ポータブルバッテリーはJoyzis BR1000
❻もこもこな肌触りでそろえた帽子、手袋、ひざ掛け。動物モチーフで気分も上がる
❼ヒーターの温風をコタツに送るダクト。「コタツホース」などの名で売られている

フロント部の窓には目隠し兼断熱効果が高いアイズ・マルチシェード。氷点下になると吸盤の付きが悪くなるのでテープなどで補強する。

断熱ボードで壁ごとふさぐ。寝室のボディに伝わる冷気をシャットアウトできる。季節で変えるので模様替えにもなる。

冷気は下からやってくる。床には特に気を使って断熱対策を。大判の断熱アルミシートは必須中の必須。ペラペラよりも厚みがあったほうが効果は高い。

コタツにも使用しているロゴス・丸洗いやわらかシュラフは、ひやりとしない肌触りがお気に入り。カバーに入れてクッション代わりとしても使用。

FFヒーターなし! うめのの寒さ対策

窓ガラスには断熱材とカーテン。首肩には温めてくれる電気マッサージ機。そして鍋料理とお酒で体の内側からポカポカに!

外気の冷気を遮断しながら体の保温も考えています!

FFヒーターが使えない半面、広い車内を活かして、家にいるのと同じ羽毛布団や防寒グッズを使用しているのが特徴です。

❶起毛のカバー付き羽毛布団
❷Jackery1000
❸ワークマン・メリノウールインナーと電熱線内蔵のWind Coreヒータープロコアジャケットとひざ掛け
❹電気敷き毛布と、オムロンのヒーター付きネックマッサージャー
➎100円均一でそろえた結露防止グッズ
❻お手軽サイズのソフト湯たんぽ
❼柔らかい肌触りのアームカバー、靴下、腹巻き
❽運転しない日に飲む辛口日本酒。麦やさとうきびが原料のお酒は体を冷やす効果があるので、寒さ対策には向かない
❾フリーズドライスープと鍋のもと。そしてカセットガスコンロと土鍋。土鍋は料理が冷えにくく、ゆっくり食事ができる

寒さ対策で暗くなりがちな車内。プチプチでできた断熱タイプの結露防止シートなら採光しつつ効果を発揮。

サッシにテープを貼って、二段構えのカビ防止を施している。

車中泊では定番のアイズのマルチシェード。日本車のほとんどを網羅するサイズがあるが、ベース車の型式をよく調べて購入したい。

体が暖かくても、PCに置いた手首から手が冷える。リモートワークをするなら、アームカバーはぜひともおすすめ!

寒さ対策の共通点もある!

ふたりの共通点は、窓ガラスの断熱。市販シェードとともに、パネルやカーテンなども併用して、冷気を遮断しています。これは防寒対策の基本中の基本。

そして、ふたりともポジティブに車中泊を楽しんでいます。冬の車中泊を「耐える」のではなく、「娯楽」として楽しむことも大切ですよ。

写真:逢坂 聡  
文:うめの  
出典:カーネル2022冬号vol.52