【概要】ハイエースで車中泊旅を楽しむオーナーを取材。軽自動車からハイエースに乗り換えた理由、車内DIYや愛犬のための仕様など。

DIYや快適アイデアで、クルマ旅を楽しむ「車中泊の達人」。今回は軽の車中泊カーからトヨタ・ハイエースに乗り換えて、夫婦+愛犬と車中泊旅を楽しむ達人を紹介。DIYテクニックは必見です!

車中泊の達人プロフィール

鎌田さん

●愛車:2016年式スーパーGLワイドミドルルーフ
手に入れたときは走行距離53,000kmだったが、いまは75,000kmという現愛車。ワイドボディを手に入れたことで、高速道路を走行時の横風にもあおられず、安定した走りを披露してくれるという。

●車中泊歴:30年以上
●これから行ってみたい車中泊:いまの愛車になってからは、四国まで出かけることが多くなったという。「四国、特に香川県は魚介類が豊富で新鮮。味もピカイチ。小豆島などの島々も数多くあり、奥が深い」とのこと。

軽自動車での車中泊、ベッドメイキングが面倒になってきて……

前車は2015年式 ダイハツ・ウェイク。後席のリクライニングをDIYで細工。前席から後席までフルフラットを実現して、快適な車中泊空間を作り上げた。いまは奥様が愛用しているそうだ。

トヨタ・ハイエースに乗る鎌田和好さんは、軽自動車からハイエースに乗り換えて、車中泊を楽しんでいる達人。

前車はダイハツ・ウェイク。いつも一緒に出かける奥さんのゆかりさんと、夫婦で車中泊できるように、車内は豊富なDIYが施されていたという。しかし、少なからず不満はあったようで……。

「車中泊するときに一度、車内のモノを外に出して、ベッドメイキングしなければいけませんでした。撤収もそう。回数を重ねていくうちに、面倒と感じてしまう」

雨が降っていると、さらに面倒に感じてしまったという鎌田さん。

「ウチはワンちゃんもいて、寝るときはケージをリアシートから運転席側に移動する必要もあったからね」

荷物を載せたままにできるから、前よりもっと出かけるようになった!

そんななか、中古車で欲しかったタイプのハイエースが販売されているのを見て、買い替えを決意。

 <ハイエースを選んだポイント>

・前車と比べると圧倒的な広さ
・ベッドを展開するときも車外に出なくてもよい
・お出かけセットを積んだままなので、思い立った時に出かけられる

それからの行動は早かった! 納車される前に、ベッドキットは購入済みだったという。

納車されて、実際に使ってみると、車内の広さには大満足。

市販のベッドキットに改良を加えてテーブルを設置。以前は小さいテーブルだったが、今の大テーブルにしてから快適に。

「やっぱり車内が広いのはいいね! なんといっても、ベッドを展開したままでOKだからね。これまでのクルマだと、出かけるときは荷物を積み込む作業で、家と車を2往復くらいしないといけなかったから」

車体に穴開け加工を施さず、DIYを行っている。ワンちゃんのケージも床板とロープで共締めしているだけ。

「今は荷物を積みっぱなし! 準備もしないで、思い立ったときに出かけられるようになったから、ホンマに楽! おかげで出かける回数も増えたし、キャンプ道具を広げてオートキャンプも楽しめるようになって、車中泊のバリエーションが増えました」

テーブルにイレクターパイプの脚を装着。

車を変えて、車中泊ライフそのものが大きく変わった鎌田さん。走りも満足なようで、ディーゼルエンジンは、低速からでもアクセルを少し踏み込むだけで、グイグイ前に出てくれる。運転も楽になったとか。燃費は平均11km/ℓぐらい。

テーブル展開時は後部のベッドマットをシートにして使用。これでもずれないそう。

前車では、軽自動車のコンパクトな空間を、DIYを駆使して効率よく室内をまとめていた鎌田さん。

「これだけ広かったら、自由にDIYに取り組めるよね。でも、近々の課題はサブバッテリー。容量の大きいものを再搭載したい」

工具箱にインバーターやバッテリーを内蔵した自作のサブバッテリー。工具箱をDIYするのは、もはやおなじみのテク!

スイッチは車内の壁に設置。扇風機や室内灯などを操作する。

まるで、大きなおもちゃを手に入れた子どものような笑顔。次の『カーネル』登場時、車はどう変わっているのか? 期待したい!

ワンちゃん用にヒーターの風を導風!

ワンちゃんのケージ近くにヒーターからの風がきてしまうため、住宅用のダクトで送風管を製作。

この位置にリアヒーターの吹き出し口を設けた。接着は両面テープを使用。

車中泊旅が楽しく、快適になる車内空間!

ピラーにLEDの間接照明を後付け。ムードある空間に。

自作のスペーサーで足下の空間を確保している。

プラダンで製作した、はめ込み式のメッシュの網戸。

出典:カーネル 2018秋号 vol.41
取材・文:野里卓也