車中泊避難の際、エコノミークラス症候群にならないために、原因と症状、予防法を紹介。被災時などのいざというときのために、ぜひ参考に。

上の写真は熊本地震で車中泊の避難所となったグランメッセ熊本の駐車場。

2016年4月に発生した熊本地震。クルマで避難する方々が非常に多く、連日のように「車中泊」という言葉がメディアを賑わしました。

熊本地震で倒壊した家屋。多くの被災者が車中泊で避難生活を送った。

車中泊=エコノミークラス症候群=危険という被災時の方程式が、あたかも「正解」のように報道された当時。しかし、わが編集部は声を大にして言いたい! 「車中泊が悪いわけではない。“正しい寝方”を伝えきれていないだけ」なのだと。

ということで、緊急時に役立つ「車中泊避難の基本」を紹介するシリーズ第1弾。まずはエコノミークラス症候群にならないために、知っておきたい原因、症状、そして予防策を紹介しましょう!

まずは発症の原因を知る!

長時間この姿勢で寝るのは絶対に避けたい

エコノミークラス症候群(急性肺動脈血栓塞栓症)というのは、長時間同じ体勢で過ごしたあと、歩き始めた時に、急に呼吸困難やショックを起こす病気です。

具体的には、狭い椅子に座ったまま、足を下にした状態でいると、足の血液の流れが悪くなり、血管(静脈)の中に血液の固まり(血栓)ができることがあります。この血栓が、歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、肺の血管を詰まらせてしまうのが原因だといわれています。健康な方でも発症しますが、動脈硬化などの疾患を有する方や高齢の方は特に注意が必要です。

こんな症状が出たら要注意!

呼吸困難がおもな症状ですが、血液の固まりが小さい場合、症状を感じない場合もあります。初期の症状は、下肢の赤み、腫れ・むくみ、だるさ、などです。

「ならない」ための 覚えておきたい3大予防法

実際に熊本地震で車中泊避難していた車内。就寝時の姿勢に気をつかっているのがわかる。

予防1:就寝時の姿勢に気をつける

何はともあれ足を上げて、少しでもフラットな寝床を!

狭い車内で同じ体勢で長時間に渡って滞在することが多くなると、体内の血流が悪くなります。特によくない姿勢は、足を下にして長時間寝ることです。足は心臓から最も遠い部位ですが、そこを下にしていると、血液が足に滞ってしまいます。可能であれば、足を心臓と同じ高さくらいにして過ごすことや同じ向きで寝ないこと。そして適宜、体勢を変えることをお勧めします。

また、足の血液を心臓に循環させるために、とても重要な働きをする筋肉がふくらはぎで、ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれています。長時間同じ体勢で、足から心臓への循環がうまくいかなくなった際は、ふくらはぎの働きを助ける「サポートソックス」などを着用することもお勧めです。日ごろからふくらはぎがむくみやすい人は、クルマのなかに準備しておくといいかもしれません。

予防2:体を動かすことを心がける

ふくらはぎを中心としたマッサージも効果的!

血液の循環が悪くなることが、発症の大きな原因なのは先に書いたとおり。そこで、血液の循環をよくするためには、日中に適度な運動を行うことも大事です。また、マッサージを行うことも効果的。特に「予防1」でも述べたとおり、ふくらはぎは第2の心臓ともいわれています。重点的に行ってください。さらに、狭い車内でもできる運動としては、靴を脱いで、足首の曲げ伸ばしを行ったり、足の指でじゃんけんを行ったりしましょう。固まった筋肉をほぐすことで、血流は改善します。

予防3:水分補給を怠らない

熊本地震後、長期による車中泊避難をされている方のなかには、エコノミークラス症候群を意識して、水を常備している被災者も。

車中泊が多くなると、トイレの問題などがあり、水分摂取が足りなくなります。水分摂取が不足してくると、血液の中が脱水状態となり、血液が凝固しやすくなります。これもエコノミークラス症候群の原因です。夜間も車内で水分補給ができるように、飲み物を保管しておくことが大切です。

特に女性の場合、トイレのことを考えて水分補給を抑えることが少なくありません。そんなときに、あると便利なのが簡易トイレ。簡易トイレは、エコノミークラス症候群の予防のためにも、ぜひとも「車内緊急アイテム」に加えておくといいでしょう。

日本RV協会ではエコノミークラス症候群防止のチラシも配布!

イラストも交えて非常にわかりやすく書かれているのが、日本RV協会が配布したエコノミークラス症候群防止のポイント集。こちらもぜひ参考に!!