DIYに挑戦&サポートするのは……
(右)ちょもかさん
車中泊やキャンプを楽しみながら、YouTubeやInstagramなどのSNSで情報を発信。自転車にも乗っていて、自転車&キャンプなど、独自の新しい世界観を展開する。
(左)鈴木大地さん
さまざまなバンライフ車両を作ってきたクルマ作りのプロフェッショナル。DIYアドバイザーとして、幅広いDIYのワークショップも行っている。株式会社earth代表。
モルモルを壁に塗り、ちょもかさん理想の空間へ前進
▼前回のDIY▼
きれいに整理されたちょもかさんのクルマ。以前に比べて荷物が少なくなっているような……。
実際、積み込む荷物を減らしているというが、前回、作ったベッド収納が大きな効果を発揮しているようだ。DIY作業のためにベッドをクルマから下ろしてみると、収納されていた荷物がたくさん出てきて少し安心。
前回の取材後、ちょもかさんは北海道へ約3週間の長旅をしている。その旅でもベッド下の収納が効果を発揮。
車中泊を続けていくと、どうしても車内に荷物があふれてしまうが、以前に比べれば、車内はスッキリしていた印象。荷物を移動することなく、ベッドエリアを確保できるのも、ストレスを軽減させている。
しかし、北海道の旅で課題も見えてきた。まずはベッドのフタ部分。開閉時、勢いよく閉じてしまうので、ダンパーを付けて、スムーズに閉まるようにしたいという。
また、新たな設備も欲しくなった。「ペットボトルに頼っていましたが、ゴミがたくさん出てしまうので困りました。水道設備があれば、もう少しボトルのゴミを減らせたのかもと思います。車内で歯を磨きたいというのもあって、簡単なシンクを考えています」
「あとはちょっとした収納があったら便利だなと思います。カップやメガネなど、さっと、置ける場所があると便利ですよね」
ということで、今回の作業は壁部分を予定していたが、収納スペースの確保も検討された。しかしまずは、やはりリア側面の加工からスタート。両サイドを同時にやってしまおうか、という意見もあったが、1面ずつ仕上げることになった。
長旅を終えて感じたこと
前回のDIYを終え、長期の車中泊旅に出かけたちょもかさん。ベッドと机が追加されただけだったが、車中泊ライフは大きく変わったという。ベッド下に空間が確保されたことで、収納力がアップして、室内の整理整頓に役立った。そして、テーブルの快適性を実感したという。しかし、課題も見えてきて、新たに追加したいアイテムなどが出てきた。
①下地の準備
前回、板で埋めた左リアウインドウ部の下地を準備する。ビス留めしたときにできた凹みをパテで修正。パテを盛って、乾燥したら削っていく。グラインダーを使って、効率よく作業を進める。
パテを削り終えると凹凸のない平面な下地が完成した。上下で板が2分割されていて、スジがあったが、下部は家具に隠れるので、そのままにしている。
②マスキング
車内にモルモルを施工するのは決まっていたが、どこまでを白くするかをしっかりと検討することになった。
その境目となる部分にマスキングテープを張っていく。パネルのつなぎ目、ネジ穴部分など、細かい作業が続いた。
③塗装前にひと手間
今回室内加工に使うのは、ニッぺホームプロダクツから販売されているモルモル(「手で塗るMORUMORU モルモル」)。
手で簡単に施工できて、漆喰風の壁を製作することができる水性シリコン室内壁用塗料。以前より、ちょもかさんが使用したいと考えていた素材だ。
室内用でビニールクロスやボードに塗るものなので、密着性を高めるためにニッペのマルチミッチャクプライマーを使った。
鉄の表面に吹きかけることで、下地が完成して、その後の塗料が密着しやすくなる。対応する素材は幅広く、ガラスや木材にも対応している。
スプレー塗装になるので、塗料が広がらないように専用のビニールで養生して、作業を進めていった。
④モルモルで壁作り
前回の作業で残ったモルモルを保管庫から出して中を確認すると、開封時と変わらない状態だった。その塗料を板に出して、ヘラで少しずつモルモルを重ねるようにして塗り始める。
最初は全面に塗料が行き渡るように塗って、ある程度塗り終えたところで、手でダイナミックに塗っていく。
手のあとをつけて、壁の表情を作っていくちょもかさん。笑顔で楽しそうに作業を行っていた。
車中泊DIY講座⑥-2につづく
写真:中里慎一郎
文:渡辺圭史
協力:日本ペイント nipponpaint.co.jp
初出:カーネル2024年9月号vol.68