冬から春に向けての車中泊では、まだまだ気温が低く、寒さを感じる季節といえる。では、そんな季節に暖かな睡眠=暖眠するには何をしたらいいか?
その基本のひとつが体の保温だろう。こだわりたいのは、まずウエア類、そして就寝用マット、寝袋などの寝具、最後は飲食。
保温ウエアは、体を守るために必要不可欠。アウトドア・アクティビティのように、運動して汗をかいたり、風や雨にさらされるわけではないので、登山のようなレイヤリングの基本は必要ない。
保温重視でOKだが、重ね着は車中泊でも便利なので、ぜひとも活用したいところ。
さらに、車中泊の就寝中にトイレなどで車外に出ることを考えると、あまりにパジャマ然としたものではないほうがいいだろう。
ウエア
自宅なら体が保温できればどんなウエアでも問題ない。しかし車中泊では、少し選ぶポイントが変わってくる。
保温性のあるウエアであることは大前提だが、狭い車内で動きやすく、コンパクトに収納できるもの。登山などで使用するインナーダウンやフリースなど、高性能なアウトドアウエアがおすすめ。
マット
高性能な登山ギアを活用することが多い車中泊だが、マットだけは該当しない。なぜなら車内に保管できれば、厚くて寝やすい中綿のマットのほうが、暖かくて寝やすいから。
車中泊専用マットも人気だが、最近ではカインズやニトリなど、量販店のマットを愛用する人も多い。アウトドアギアならキャンプ用を選びたい。
寝袋(布団)
保温性でいえば羽毛布団でも暖かい。しかし収納性を考えるなら、やはり寝袋。コンパクトになる登山用ダウンがおすすめだが、収納スペースに余裕があるなら封筒型でもOK。
注意点は、寝袋に設定されている「快適睡眠温度域」。FFヒーターなどがない場合は、車内でも冬のテント同様に冷えることを想定して選びたい。
飲食など
保温は体の内側からも考えたい。冷えた食事よりも、鍋料理のような温かいものを。飲料水も、「アイス」より「ホット」がおすすめ。
さらに、食材にもこだわりたい。唐辛子に含まれるカプサイシンや、加熱したショウガに含まれるショウガオールなどを意識的に摂取すると、冷え性に効果があると言われている。
文:大橋保之(カーネル編集部)
初出:カーネル2024年3月号vol.65