赤い景色に囲まれ自然の宝庫アリゾナ
今回の大陸横断ロードトリップ。立ち寄りたい場所がたくさんあり過ぎてなかなか家路につけないが、カリフォルニアに隣接するアリゾナ州まで戻ってくると、そこそこホームが近くなってきた感覚になる。
西海岸まではまだ優に1000kmもあるのだが、全行程で1万2000kmも走っているのだから、残り1000kmはなんでもないというふうに感じ、自分の基準が狂ってきているのもおもしろい。
アリゾナに入ったら最後のステイはパワースポットといわれているセドナでと思っていたが、直前にメテオ・クレーターがあることを思い出し久々に立ち寄ってみた。ここは5万年前に隕石が落ちてできた、巨大なクレーター。隕石に関するさまざまな資料も展示されていて、それを見ているだけでもロマンがあり楽しい場所だ。
続いては予定通りI-40のフラッグスタッフから少し南にはずれてセドナに移動。自分たちにとってはパワースポットというより、純粋に空気が澄んでいて気持ちのいい場所、そして赤い岩の中に造られたすてきな建造物がある大好きな街という存在だ。
でもこの場所が気持ちいい、ということがパワースポットなのかな? と少し考えながらも岩山の中のお気に入りルートをトレイルして楽しんだ。
Check! お気に入りのスナックはガスステーションで
日本では道の駅や高速道路のパーキングエリアの充実が進んでいるけど、アメリカではガスステーションでいろいろなものが手に入る。もちろんスナック系も充実していて、いわゆるチップス系もいいけど、ドライブ時にはクラッカー類がおすすめ。
なかでもクラッカーにクリームチーズやピーナッツバターを組み合わせたものや、ハムやチーズが組み合わされているものがパックになって売られている。もちろんガスステーションではなく事前に大きいスーパーなどで買い出しをすれば、いろんなバリエーションをそろえておける。
大陸横断トリップもいよいよ終盤 カリフォルニアに入れば、ゴールまで450km!
3週間以上にわたりアメリカ大陸を放浪した今回のトランス・アメリカン。のべ18回州境を越え、自分たちのクルマで大陸の反対側まで走った記憶はとても楽しい思い出。
仕事の都合でなかなか実現できることではないけど、周りの協力でこのスーパーロングバケーションを実現できたことに感謝! もちろん毎日楽しい時間を共有し、そして支えてくれたパートナーにも大大感謝だ。
そんなことを考えながらアリゾナからI-40を走ってカリフォルニアに再突入。今回いろんな州に行ったけど、農作物の輸送に関してカリフォルニアには法律的に規制があり、州に入った場所にチェックポイント(検問)がある。1台ずつ停止させられて農作物を持っていないか? と尋ねられるだけだけど、交通量の多いときにはこの検問で渋滞が発生してしまうのでちょっと厄介な存在だ。
最終日はスタート地点と同じサンタモニカ・ピアを目指したいが夕刻までに間に合うか? なんて考えているのに、せっかくだからI-40から少し外れて写真映えするルート66上の有名なポイントに立ち寄った。
ロイズは古くから栄えたカフェ&モーテルで、時代感のあるサインが青空に映える! 現在は休業中だが新しいオーナーが購入し、復活の予定があるらしい。
I-40からI-15に乗り継いで南下し、最後は西に向かうI-10に入り一路サンタモニカを目指す。ロサンゼルスに近づくにつれ、おなじみの毎日繰り返される大渋滞。でもなんだかこの渋滞も数週間ぶりだと懐かしく感じてしまうのだから、人間とは勝手なものだ。
夕闇が迫るなか、サンタモニカ・ピアに到着した。最高のサンセットを楽しめるマジックアワーを満喫できるウエストコーストの魅力にも改めて気付かされた旅のゴールとなった。
道路さえつながっていればどこにでも旅ができるロードトリップ。1万2000kmという馬鹿げた距離を走って帰ってきたばかりなのに、もう次の旅を計画している。ロードトリップの魅力は尽きないなーと考えつつ、来年の夏に備え、すでにアラスカまでのルートを検索中だ。〈完〉
※記事中で紹介しているルートや場所は、事前に安全を確認し行動しています。慣れない場所でのトリップは治安面を含めた安全をしっかりご確認のうえ、計画行動することをおすすめします。
写真、文:Yusuke Makino, June(カーネルUSAブランチ)
取材協力:ミシシッピ・リバー・カントリー、カリフォルニア観光局
初出:カーネル2023年11月号vol.63