今回の選者/カーネル編集長・オオハシ
『カーネル』編集長にてしてカーネル株式会社の代表も務める。取材と称して日本全国を旅するなかで、各地の麺類(特にうどん)を食べるのが現在の楽しみ。47都道府県制覇まで長崎県を残すのみ。
つぶれたグラタンピザパンはウェストファリアの味
まだまだ紹介したい人と朝ごはんがたくさんあるにもかかわらず、諸事情により同企画2回目の登場となった編集部・オオハシです。
今回の朝ごはんは、愛知県豊橋市の「道の駅とよはし」で購入したモーニングセットを紹介しよう。
今年の3月に食べた朝ごはんなのだが、とても印象深く、思い出に残っている。それはなぜか? とても過密スケジュールの出張で買った朝ごはんだったから。
このあとのページで、レポートを掲載しているイベントもあるが、ざっとそのスケジュールを書いてみる。
■3月3日(金)18時:東京都町田市で打ち合わせ。深夜に終了。
■3月4日(土)10時:愛知県豊橋市で防災イベント取材&ステージ登壇(ここで、今回紹介する朝ごはんを購入)。
■3月4日(土)お昼過ぎ:豊橋での取材終了後、埼玉県秩父市へ移動。
■3月4日(土)17時前後:RVパークみどりの村で、埼玉キャンパーイベントとインタビュー取材。その後、深夜に横浜へ移動。
■3月5日(日)9時:神奈川県横浜市のアピタで開催された防災イベントへ。日本RV協会の防災ブースなどを取材。お昼過ぎに終了。その後、東京都品川区のカーネル編集部に出社してデスクワーク。
念のため書いておくと、決して「忙しい」自慢をしたいわけではなく、たまたまこの週末に取材が重なってしまっただけ。いつもはこれほどではなく、ちゃんと余裕をもって取材している。
だがしかし。この過密スケジュールが、朝ごはんを思い出深くすることに。
ちなみに、紹介する朝ごはんは、「道の駅とよはし」内にある「コッぺとサンド オリーブの風」というパン屋さんで買ったグラタンピザパン+コーンポタージュのセット。
「道の駅とよはし」では、ステージ登壇前に打ち合わせがあったので、遅れるわけにはいかず。そのため、深夜に到着して車中泊をしていた。
ふと気づくと、クルマのまわりがとてもにぎやか。到着時の深夜はスカスカだった駐車場が、ほぼ満車。順番待ちをしているクルマもいるほど。
ハッと時計を見ると、約束の時間の10分前! 急いで身支度を整えて、打ち合わせへ。そのままステージに出て、その後イベント取材とあいさつまわり。
気がつけば、もう豊橋を出発しないと次の埼玉の取材に間に合わない時間に。
休憩を取りながらも埼玉県秩父に到着。取材を済ませて、深夜移動。一度帰宅すると、朝起きる自信がなかったため、またもや取材地近辺で車中泊。
そして、日曜日の朝を迎えたのだった。正直、もう心身ともに疲れ果てており、早く取材を終わらせて、さっさと休みたかったのが本音。
前夜の埼玉では、「顔が疲れている」と指摘されるほどで、いま思えば情けない限りだ。
さあ、最後の取材ということで準備をしていると、見慣れない紙袋が助手席のカバンの下からチラリ。なんだろう……と手に取ると、豊橋で買った朝ごはん!
買ったけど時間がなくて食べられず、忘れられていたパンは、カバンの重みでペチャンコに。コーンポタージュは辛うじて、こぼれていない状況だった。
ちょうどお腹が減っていたこともあって、「これでいいや」と食べた一日遅れのモーニングセット。嚙むほどにべたべたで、もうきっと本当のグラタンピザパンの味はしていない。
だけどね。だけどさ。なんだかよくわからないけど、おいしかった。がんばった自分へのご褒美みたいで、胸がいっぱいになってしまった。
そんな取材の成果がいっぱい詰まった今号(※2023年5月号vol.60)の『カーネル』。ウェストファリアの表紙を見る度に、潰れたグラタンピザパンの味を思い出すんだろうな、きっと。
「道の駅とよはし」コッぺとサンド オリーブの風
モーニングセット グラタンピザパン+コーンポタージュ
好きなパン1個+110円で飲み物が付けられるモーニングセット。グラタンピザパンはイートインなら209円だったがテイクアウトにしたので205円に。合計315円。
※記事の内容は取材当時のものになります
写真、文:大橋保之(カーネル編集部)
初出:カーネル2023年5月号vol.60