【概要】アメリカ・ラスベガスで開催された世界最大のカスタムカーイベント「SEMAショー2023」(2023年10月31日~11月3日)レポート。新しいトレンドのトレーラーを紹介。

RVを牽引することが一般的なアメリカでは、トレーラーの需要は非常に高く、過去からさまざまなRVキャンパーが活躍してきた。新しいトレンドのモデルが登場したので、早速チェックしてみたい。

■SEMAショー2023レポート
序章 アメリカではバンライフ仕様が減っている。代わりに台頭してきたのは……
①米のショーで世界が注目!? トヨタ、日産…メーカー純正のカスタムモデル!
★いまココ→ ②トレーラーのトレンドは多様化+快適性向上。新モデルをチェックせよ!
③ルーフトップテントの需要が増加!? 快適を求め進化中

ARB EARTHCAMPER

オフロード名門ブランドが本気で開発したトレーラー

ARBが新開発したアースキャンパーと名付けられたトレーラーの完成度が秀逸。

大人2名がゆったりと就寝できるサイズの小型トレーラーながら、金属フレームに架装されたFRPボディが作り出す快適空間と各種装備は、ほしい機能のすべてを備えている。

さらにトレーラー後半の電動ハッチを開けると、ハッチそのものがベッドルームから連続するリビングルームのフロアとなり、備え付けのテントを展開することで簡単にゆったりとした広さをもつプラス1の空間を作り出すことができるという優れもの。

本体のさまざまな場所の外壁ハッチパネルを開けると、スライド式で登場するキッチンや冷蔵庫、大きく開くオーニングなどが展開し、簡単にベースキャンプが完成するのもうれしい仕掛け。

さらに悪路走破性の高いサスペンションを備え、ボディ本体が防水性のハードシェルであることから、多少の水深なら川を渡ることもできる。

USでは$75K程度のプライスが付けられているが、ここまで多機能であればその価値は十分にありそうだ。

ARBがもつノウハウが凝縮された新しいアースキャンパーは、スモールトレーラーのゲームチェンジャーになる予感。

画像1: ARB EARTHCAMPER

FRPシェルで構成された本体には複数のハッチドアが取り付けられる。各種収納スペースには専用のギアがバッグに入ってキチンと収納されていて、何もオプションを買い足す必要がないほど。

大型のウオータータンクや瞬間湯沸かし器も備えるので、温水シャワーも使える。

画像2: ARB EARTHCAMPER

後部ハッチを開いて展開するリビング・ダイニング・スペース。これだけでもかなりの広さがある。

画像3: ARB EARTHCAMPER

リビングルームの展開と格納は、慣れれば約3分で完了。システマティックな設計は感動ものだ。

画像4: ARB EARTHCAMPER

ベッドの下からテーブルがスライドアウトする仕組み。すべてがスタイリッシュかつ機能的にデザインされている。

画像5: ARB EARTHCAMPER

後部ハッチは電動で開閉する。ルーフから左右に展開しているオーニングは、すべて本体に内蔵されるスタイルだ。

画像6: ARB EARTHCAMPER

このサイズのキャンパーからフルサイズキッチンが登場するのは感動。サスペンション付きの乗用車サイズのタイヤのほか、ボディ右側のハッチ内に同サイズのスペアタイヤも備える。

CANYONLAND COACH

画像: 4色から選べるキャニオンランドコーチ社のホワイトリムというモデル。スライドアウト式のキッチンなどもインクルードされている。

4色から選べるキャニオンランドコーチ社のホワイトリムというモデル。スライドアウト式のキッチンなどもインクルードされている。

オーバーランド・トレーラーのベーシックモデル

アメリカの中でもオーバーランド・アドベンチャーが最も盛んなエリアのひとつ、ユタ。

そんな同州に本拠地を構えるキャニオンランドコーチ社はそれほど大きなメーカーではないが、最新トレーラーの基準モデルのひとつとして紹介しよう。

スチールフレームで構成されるシャシーは、現在数多く市販されているタイプのトレーラー。

60ℓ強のウオータータンクや電動ポンプ、プロパンガス周りの備品や、もちろん走行性能に関わるブレーキなどの基本装備を備えて、プライスは約$15Kから乗り出し可能。

テントやオーニング、パワージェネレーターなどを加えたフルオプション仕様で約$20Kとなる。

※$1K=1000ドル

SNO Trailers

用途に合わせて3種類のモデルを展開

ATVなどで手軽に出かけるデイキャンプから、Jeepなどの本格4x4で渓谷奥地の自然を楽しむ本格キャンプまで、アメリカではオーバーランディングの楽しみ方も多様化している。

そんなさまざまなニーズに応えようと、SNOトレーラーではシンプルなシェイプながら、多彩なニーズに対応したモデルをリリース。プライスレンジは$15Kから$30Kとなっている。

画像1: SNO Trailers

SNOトレーラーが展示していたのは、ALPINEという最も大きなモデル。左右独立したサスペンションをもち、軽微な岩場であればぐんぐん坂を登っていくこともできるタフなトレーラー。

画像2: SNO Trailers

メーカーからの提案としては、キャンプのために使うだけでなく、移動カフェやグループでのスポーツ観戦、野外パーティーの基地としてなどなど、普段使いにも積極的にどうぞ、とのこと。

画像3: SNO Trailers

引き出し式のフルキッチンを備えているのもうれしい。また備え付けられるオーニングはトレーラーの周り3方向270度に大きく展開する。

MDC USA

画像: 車名に入る数字は全長のフィート数。17フィートの車両でも、内部空間はさらに広く感じるレイアウトが印象的。

車名に入る数字は全長のフィート数。17フィートの車両でも、内部空間はさらに広く感じるレイアウトが印象的。

本格RVトレーラーはフル装備快適仕様

長期間にわたるトレーラー製造の実績を誇る、オーストラリアのMDC社。

本格的な快適トリップを約束するトラベルトレーラーと、コンパクトで安価ながら充実した装備が魅力のポップアップトレーラーを多彩なラインアップで展開するメーカーだ。今

回のSEMAにはトラベルトレーラーの上位2機種、XT17とXT16を持ち込んでその魅力を披露。

共に室内の広さやバスルームのつくりなどがとても実用的で、スッキリしたインテリアも好感がもてるデザイン。

プライスも最上級のファミリー5人向けのもので約$84Kと、つくりを考えると決して高価過ぎるプライスではない印象。新しいアドベンチャーに出かけてみたくなる本格キャンパーだ。

画像1: MDC USA

木目パターンのフローリングとシンプルな白い壁で、広さと落ち着いた雰囲気を演出するインテリアデザインが魅力。

マスターベッド以外にもバンクベッドを巧みに配置し、快適な居住空間を得ている。外部キッチンを備えたモデルは、室内居住スペースをさらに快適なレイアウトにすることに成功している。

画像2: MDC USA

外部キッチンの装備も本格的。大きな車両なのでウオータータンクの容量も十分あり、余裕をもってトリップを楽しめる。

画像3: MDC USA

最大サイズのXT17はダブルアクスルとなっていて、それぞれにヘビーデューティーなショックアブソーバーが装着される。

Turtleback Trailers

用途や走行性能を考慮し、3モデルをラインアップ

いまやオーバーランディング用のベーシックスタイルともいえるシェイプのキャンピングトレーラーは、多岐にわたるデザインが発売。

そんななか、タートルバックトレーラーが提案するモデルは3タイプ。単純に積載能力だけではなく、移動中の安定性を重視したロープロファイルタイプなどをリリースするのも同社独自のコンセプトだ。

ガッチリとしたスチールフレームに組み合わされるアルミ合金製のシェルは、多彩な使用目的に合わせてデザインされたユーザーフレンドリーなもの。

走行用タイヤだけでなく背後のスペアタイヤも本格的なグラベル仕様で、同ブランドが車両としてのパフォーマンスを重視していることがうかがいしれる。

画像1: Turtleback Trailers

フラッグシップモデルのEXPEDITIONは積載容量、各種オプション装備などのどれをとっても最上級モデルにふさわしい仕様。引き出し式トレイのギミックもおもしろいのだ。

画像2: Turtleback Trailers

ミドルグレードのGETAWAYは全体の高さを抑え、高速安定性を重視した仕様。ストレージ本体も引き出し式ではなく、大きなリッド開閉式とすることで、コンパクトながら大容量を誇る。

THULE Outset

ヒッチに固定する簡単ポップアップテント

スーリーから登場したのは、ヒッチに取り付けるだけで簡単に持ち運ぶことができるポップアップテント。

サイトに到着したらテントを展開して、クルマから切り離すのも簡単。ヒッチから取り外したあともキャスターがついているので、たたんだテントの移動も楽と、簡単づくしだ。

日本市場には2024年春以降に登場予定とのこと。

画像1: THULE Outset

4本足で支えられ、テントの下はフラットになっているので、快適性は抜群。スーリーらしく、シックなカラートーンもいい。

画像2: THULE Outset

1分もあれば簡単に展開・収納が可能。外したパーツもピッタリと収納することができるのもうれしい配慮だ。

画像3: THULE Outset

格納後の最後端ユニットには、テールランプとライセンスプレートホルダーが取り付けられていて、安全面にもキチンと配慮。

写真、文:Yusuke Makino, June(カーネルUSAブランチ) 
初出:カーネル2024年1月号vol.64

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