初めての冬キャンプで失敗しがちなのは、やはり防寒。「寒くてジッとしていられない!」「体が冷えて寝られない……」なんてことがないように、テントと寝袋の防寒Tipsを紹介しよう!
テント編
夏用テントは寒すぎるのでNG
通気性を第一に考えて作られている夏用のテントは、インナーテントがフルメッシュのものも多い。この仕様で冬にキャンプをしては、冷気がテントに入り込んでしまい寒くて寝られない。
冬キャンプに挑戦してみたいけれど、夏用テントしか持っていないという人は、4シーズンテントの購入を考えたほうがいいだろう。
冬も楽しむなら4シーズンテント
一年中キャンプを楽しむ人なら、テント購入のタイミングで4シーズンテントを検討してみよう。
風や冷気の侵入を防ぐ「スカート」、テント内の結露を軽減する「ルーフフライ」などを装備しているモデルが多いので、冬でも快適にキャンプを楽しめるはずだ。
もちろん“4シーズン”なので、夏でも快適に過ごせる機能も装備している。
2ルームテントで寝室を暖かく
リビングと寝室がつながっている2ルームテントは、リビングで過ごしていたときの暖かい空気が寝室を暖めてくれるので、タープとテントを別々に設営したスタイルに比べれば、多少は暖かくなっているので寝やすくなる。
ただし寝室を暖めようと、バーナーや燃焼式のランタンを使うのはNG。テント内は火気厳禁だということを忘れずに。
重要なのはテント内レイヤード
テントのフロア全体にテントマットを敷いて、その上にスリーピングマットを敷く。そしてその上にシュラフを置けば、地面からの冷気を遮ることができる。これがテント内レイヤードの基本だ。
テントマットは薄手のものでもかまわないが、フォーム材が入った厚手のものなら断熱性が高いので、地面からの冷気の侵入を押さえてくれるので安心。
段ボールを敷いて断熱効果アップ
冬キャンプを続けるかどうかはわからないので、厚手のテントマットを新調するのは躊躇してしまう。そんな人は、テントマットの下に段ボールを敷いてみよう。
段ボールには空気の層があるので断熱性が高く、地面からの冷気の侵入を軽減してくれる。ただしフロアが広い大型テントの場合、段ボールの量が多くなってしまい、荷物がかさばってしまうので注意しよう。
厚手マットで地面の冷気を防ぐ
最近多くのメーカーから登場している、厚さ10cm前後の分厚いインフレーターマットが注目されている。エアベッドのように朝起きたら空気が抜けていたということもなく、ポンプで空気を注入する必要がないので手軽だ。
シングルサイズだけでなく、ダブルサイズも市販されているので、子ども連れのファミリーは、ダブルのほうが使いやすいかもしれない。
寝袋編
4シーズンのマミー型寝袋で安眠を
冬の快眠の秘訣は寒さから体を守ること。ホットカーペットなどで暖を取るのもいいけれど、停電なども考えて冬用寝袋を使うことが基本だと考えよう。マミー型がコンパクトで保温性も高いのでおすすめだ。
寒い夜は湯たんぽも効果的
寒いときには寝袋の中に湯たんぽを入れて眠るのも効果的。プラスチック製やゴム製、金属製などさまざまな種類がある。ただし湯たんぽは、低温やけどの恐れがあるので、カバーやタオルなどで包んで使おう。
インナーダウンを着て寝るのも◎
持ってきた寝袋の保温性が心配だという人は、インナーダウンやフリースなどのミドルウエアを着たまま寝るのもおすすめ。とくに肩口の冷えが気になる封筒型は、この方法なら冷える心配はない。
寝袋に毛布を入れて保温を
ウエアを着込んで寝るのは窮屈でちょっと……という人は、家から毛布を持参して、寝袋内に入れれば暖かく過ごせる。毛布が大きめの場合は寝袋にかけたり、くるんだりしてもOKだ。
ただし、ファミリーキャンプなど人数が多い場合は、かなりかさばってしまうので、ほかの荷物を減らすなどの工夫が必要になる。
インナーシュラフの追加で冬用に
3シーズン用寝袋を持っているけれど、4シーズン用を買うのは予算的に難しい。そんな人は、寝袋の中に入れて使用する「インナーシュラフ」を用意するといいだろう。
今ある寝袋を活用できるし、4シーズン用を買うよりリーズナブルだ。単体で夏用寝袋として使用できるモデルもある。
封筒型はタオル&帽子で暖かく
封筒型の寝袋は肩口が大きく開いているので、首や肩から体を冷やしてしまうことがある。そんなときはタオルを縦長に折りたたみ、肩に巻いて寝ると肩口から体温が逃げにくくなる。
また、封筒型にはフードがないので、頭から体温が逃げないよう、ニット帽など保温性の高い帽子をかぶって寝るのもおすすめだ。
レイヤーシュラフで一年中快適に
快適温度域の異なる複数の寝袋を組み合わせることで、オールシーズン快適に寝られる「レイヤーシュラフ」が注目されている。
これなら夏用、冬用と季節ごとにいくつも寝袋を買う必要がないし、外気温に合わせた組み合わせにすることで、簡単に温度調整ができるので便利だ。一年中キャンプをする人にはおすすめ。
文:牛島義之
イラスト:岡本倫幸
写真:佐藤弘樹
出典:GARVY2020年12月号