津軽海峡フェリーが、今年10月に青森〜室蘭を就航すると話題になっている。
いままでは、青森港から北海道行きフェリーは、函館行きのみだったが、今後室蘭行きが就航することにより、青森から道央圏のアクセスが格段と楽になる。
ちなみに道央とは、石狩・空知・後志・胆振・日高地域をさすが、ざっくり言うと、札幌から南側の太平洋までをイメージしてもらえばいい。
今回紹介する道央旅は、新千歳空港よりもさらに南側。ここは比較的、真冬でも積雪が少なく温暖な地域で、雪が降り積もる前に北海道の旅をするなら10〜11月がおすすめ。
10月には、道央各地で紅葉が見ごろとなり、そのなかでキャンプが楽しめる。
11月は、冬季休業する施設が多く閑散期を迎えるが、静かな旅を楽しみたい人にとっては、ベストシーズンともいえるだろう。道央の雪が少ない地域なら、通年営業で楽しめる施設も少なくない。
また、道央エリアで外せないのがなんといっても温泉だ。登別温泉をはじめ、ニセコ温泉郷、洞爺湖温泉、支笏湖温泉と日本有数の温泉地が多数点在する。
秋のピンと張り詰めたような冷気のなか紅葉を仰ぎ見て、夜は星の輝きを楽しみつつ浸かる温泉は極上の癒やしだ。
さらに、地元の人に愛されているソウルフードやここでしか味わえない絶品グルメ。自然、歴史、文化を学べ、北海道をより深く知ることができる施設が多数ある。
今回は10月に訪れたいニセコのおすすめスポットを紹介しよう。
北海道を代表する紅葉スポット ニセコは絶景と温泉の天国
ニセコの地名は、ニセコアンヌプリというアイヌ語に由来しており、これは「切り立った崖(とその下に川)がある山」の意味。ニセコ連峰の主峰で、山腹には4つのスキー場をもつ、世界的に有名なスノーリゾートだ。
スキー場側は、おしゃれなホテルやレストランが立ち並び、まるで外国のような雰囲気だが、その反対側は、昔のままの秘湯やキャンプ場が残っている。
10月に見ごろを迎える紅葉を求め、道内外から多くの観光客が訪れる。シラカバやダケカンバの白い幹と淡い黄色や朱色のコントラストは見もの。雪が多い地域なので10 月中に訪れるのがよいだろう。
ニセコ野営場
極上の温泉と山間の静かなキャンプ場
北海道には「野営場」と名の付くキャンプ場があり、利用料はリーズナブルなところが多い。
ニセコ野営場は、炊事場、トイレ、キャンプサイトのみで、クルマをサイトに横付けできないが、駐車場で車中泊が可能(要清掃協力金)。
目の前には、ニセコアンヌプリの登山口と「ニセコ五色温泉」がある。キャンプ場は、例年10月下旬まで営業。
登山・散策・ドライブがおすすめ! ニセコの紅葉を堪能しよう
ニセコアンヌプリ
登山装備は必要だが、ゆっくり登っても2時間ほどで山頂に行くことができる。山頂からは、パッチワークの田畑と蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山が目の前。後方は、ニセコの山並みが広がる。
また、キャンプ場のすぐ近くのイワオヌプリでも登山が楽しめる。
ニセコパノラマライン・神仙沼
北海道道66号の一部は、通称「ニセコパノラマライン」と呼ばれ、赤や黄色に染まるワインディングロードは、絶好のドライブスポット。
途中の「神仙沼」は、神秘的で美しい姿から名付けられた沼があり、20分ほどの木道散策が楽しめる。10月下旬に冬季通行止め。
ニセコの温泉ならココ!
ニセコは北海道有数の温泉地
ニセコエリアは、無色透明、緑色、茶色、白濁など多種多様な泉質の温泉が点在する温泉天国。ニセコ湯めぐりパスを使えば、お得に温泉が楽しめるので、活用したい。
ニセコ五色温泉
「泉質が5種類ある・湯の色が日によって五色に見える」が名前の由来。源泉掛け流しで、ほんのり硫黄の香りが漂うお湯が特徴。
ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯
ニセコ駅前にあり気軽に入れる日帰り温泉。フィンランド式サウナでは、ロウリュが楽しめ、サウナーにもおすすめ。
ニセコ湯めぐりパス
1冊2100円で、ニセコエリアの温泉に最大3カ所までお得に入浴できる。複数人でも利用可能。詳細は公式サイトでチェック!
ニセコならでは! 絶品グルメ
ニセコエリアは、酪農や農業も盛ん。地元の新鮮な食材を活かした絶品グルメを紹介。
ニセコ カリー小屋
スープカレーは、スパイスが効いたスープに大ぶりの野菜が特徴の札幌発祥グルメ。創業35年で全国にファンが多いスープカレー老舗店。
大心 ニセコ店
あっさりとしたなかにもコクのある味噌ラーメンは、札幌ラーメンらしい王道のスープが特徴。チャーハンや坦々麺もおすすめ!
ヴィラ ルピシア
お茶・紅茶の専門店「ルピシア」がプロデュースするレストラン。北海道の新鮮な食材を使ったランチをルピシアのお茶とともに楽しめる。
執筆者プロフィール
まるなな
2017年に中古で購入した軽キャンピングカー・テントむしで登山、キャンプ、車中泊旅を楽しむ北海道在住の軽キャン女子。学校が休みのときは、祖父母がいる室蘭で過ごしていた。現在は、北海道を飛び出し日本各地に出没中。
写真・文:まるなな
写真提供:北海道観光振興機構、ニセコリゾート観光協会、国立公園支笏湖運営協議会
初出:カーネル2023年11月号vol.63