車中泊専門誌『カーネル』誌上初めての韓国レポートは、釜山で開催された「韓国キャンピングカーショー2023」を紹介しよう。
釜山は、韓国の中でも日本に近い半島の南東部に位置する。ソウルに次ぐ韓国第2の都市で、繁華街や観光地も多く、にぎやかな雰囲気が楽しい街だ。
そんな釜山が誇る大型国際展示コンベンションセンター・BEXCO(べクスコ)釜山国際展示場にて、6月8日(木)~11日(日)の4日間開催されたのが、韓国キャンピングカーショー2023だ。
今回、同イベント内のレセプションパーティにて、日本RV協会(JRVA)と韓国RV産業協会(KRVIA)が協定を締結することもあり、一路、韓国・釜山へ向かうこととなった。
さて、今回初めて訪れた韓国キャンピングカーショー。金曜日と土曜日に会場を訪れたのだが、やはり平日と休日では会場の活気が違う。週末は家族連れも多く、会場内はとてもにぎやかだった。
韓国でもアドリアを販売するLACグループ・山田社長の話では、やはり日本とは人気のカテゴリーが大きく異なるとのこと。キャラバンと呼ばれる大型のトレーラーが、韓国では人気だという。
今回は同イベントが初めてということもあり、興味深く会場内をまわったが、韓国でしか見ることのできない車種も多数展示されていた。その一部を紹介していこう。
日本では見たことない!? 釜山で気になった8台をピックアップ
流行の外付けモニターを装備したビッグサイズSUVキャンパー!
軍隊をイメージさせるカラーリングを施したEMPERORは大型SUV キャンパー。ベースは韓国車とのことだが、迫力あるボディフォルムとボディカラーにより、会場内でも大きな存在感を放っていた。
さらに車内を見てびっくり。電子レンジの位置がシート下とは。日本ではたぶん考えられないレイアウト。
コンパクトなボディにさまざまな装備を詰め込んだBANDI
リアゲートを開けると、2段のテーブルとともにシャワー&シンク、テレビなどがギュッと詰め込まれたコンパクトカー。
そもそもがツーシーターで、運転席&助手席がクルっと回転して、車内をオフィスとしても活用できる。どうやって車内で寝るかは「?」だが、近未来的な装備がおもしろい。
BANDIの車中泊モデルに装着されたルーフトップタープ!?
韓国で人気の「スモールキャンピング」とは、ショートステイで手軽に楽しむ車中泊&キャンプのこと。そんなスモールキャンピングにぴったりなのが、このBANDIの車中泊モデル。
ルーフトップテントではなく、ルーフトップタープ(!?)が装着されており、屋根の上でくつろげる。フラットな車内ベッドも寝やすそう。
ポップアップルーフを装着! ヒュンダイがつくった純正キャンパー
以前なら、どう見ても商用車にしか見えなかったというボディデザインを一新。ヒュンダイが手がけた純正キャンパーがこのスターリア。
いまでは「家族が乗るバン」= ファミリーカーとして広く認知されているという。
ポップアップルーフにフラットな車内ベッドは、まさに韓国版「カーネル」といえるかも。
高級トレーラーとして人気が高いアドリア製キャラバンのフラッグシップモデル
大型トレーラー= キャラバンのなかでも、高級マンションのようなスタイリッシュな車内が魅力的。
特徴としては開放感抜群の大きな入り口で、ドアが広く開くため、まるで家のように出入りできる。
韓国内の運転免許としては、小型けん引免許(3tまで)でけん引が可能。いつかは乗りたい憧れの一台だという。
まるで西部劇の幌馬車のよう⁉ けん引車両の上部を開くとテントが出現
多くの来場者でにぎわっていたのが、このBellaというモデル。荷台のようなけん引車両の上部を開くと、なんとその上にテントが出現。
しかも「前後」ではなく「横」に開くので、広々としたリビング&ベッドルームとして使用できる。デザインもポップで、子どもが喜ぶことまちがいなし。
中国の電気自動車・マサダRVバンを、スペースモービルがキャンピングカーに
韓国では中国の電気自動車を購入する際、購入金額の5割前後、国から支援金が出るとのこと。
そんな中国の電気自動車・マサダRVバンをベースに、キャンピングカーメーカー・スペースモービルがカスタムしたモデル。
車内も広く2名ならゆったり寝られそう。今後、韓国で主流になりうるのか? 要注目だ。
韓国のキャンピングカーとして初めてキャラバンサロンに出展決定
韓国のキャンピングカーメーカーであるソミットが、フォード・トランジットをベースにキャンピングカーに架装したバンコン。
なんとドイツ・ドュッセルドルフで開催される世界最大のキャンピングカーショー「キャラバンサロン」に、韓国のキャンピングカーとして初めて出展するとのこと。記念すべき一台。
写真、文:大橋保之(カーネル編集部)
初出:カーネル2023年9月号vol62