【概要】バンライフ仕様のクルマをサポートを受けながらDIYできる「ditto」の組み立てレポート。製品詳細、サービスの特徴やセット内容、製作フロー、費用など。住友商事とキャンピングカーメーカー・RVランドの新プロジェクト。

憧れのバンライファーのクルマを手に入れたい。そう思っていても、なかなか理想通りのクルマを作ることはできません。

いざ、ベース車両を買ってきても、そこからどうやってクルマを作っていけばいいのか、途方にくれてしまう人も多いはず。

画像: 【実録レポ】バンライフ車DIYキット、本当に簡単に作れるの?クオリティは? 実際に組み立ててみた!

そこで、誰でも簡単に憧れのバンライフ仕様のクルマを手に入れられるように開発されたのが、この「ditto」というスタイル。

住友商事とキャンピングカーメーカー・RVランドが開発したキットを使って、ワークショップで作り出すニュースタイルのキャンピングカーです。

今回は、そのキットの特徴、どのように組み立ていくのかをレポートします。

RVランドが考えた誰でも簡単に作れるDIYキャンパーキット

画像1: RVランドが考えた誰でも簡単に作れるDIYキャンパーキット

まずそのキット内容を見てみましょう。用意された材料は、

  • 天井
  • シートカバー
  • 家具
  • ベッドマット
  • ネジ

でした。ほかにも工具が少し必要ですが、日曜大工レベルのドリル程度です。

それぞれ、パーツはクルマのサイズにカットされているので、材料を改めて加工する必要はありません。

実はクルマ作りで最も苦労するのが、材料の切り出しです。クルマの形に合わせてパーツを用意するだけで時間もかかるし、きれいに仕上げるのが大変。

このような無駄のないきれいな曲線は完成したときの満足感も高めです。

画像2: RVランドが考えた誰でも簡単に作れるDIYキャンパーキット

形状だけでなく、失敗しないように素材が加工されているのもポイントです。

天井板、壁板などは、木材を組み合わせた美しいテクスチャーがみられますが、これを素人が再現するのは難しい作業になります。

そこで、薄い板に木材を貼り合わせて、パーツをユニット化。このセットされた状態であれば、バンライフ車両でよく見かける、ウッディな車内を簡単に作ることができるのです。

画像3: RVランドが考えた誰でも簡単に作れるDIYキャンパーキット

天井、壁、床はクルマのボディに近い位置にあるので固定しやすいのですが、車内にせり出す家具類は、その固定方法に頭を悩ませるところです。

RVランドでは誰でもしっかりと家具を固定するために、車体に付いているアンカーポイントという穴を活用することにしました。

荷室の荷物をタイダウンするときのアンカーとして利用されるネジ穴を使っているのです。家具をこのアンカーポイントに、リア左右それぞれ2カ所へボルトを固定するだけです。

住友商事×RVランドのdittoを実際に作ってみる

画像: 住友商事×RVランドのdittoを実際に作ってみる

実際にDIY初心者のふたりが、ノーマルのハイエースをキャンピングカーにする工程を詳しく追っていきましょう。

全体の大まかな流れはこちらです。

  1. 天井を張り付ける
  2. ボディへの加工
  3. 側面の板張り
  4. プレートを取り替える
  5. 床に板を敷く
  6. フローリングを張る
  7. 家具を組み込む
  8. シートを戻す
  9. シートカバーを取り付ける

この工程をワークショップという形で、ものづくりのプロフェッショナルの指導を受けながらキャンピングカーを作るのが、dittoという商品になります。

キャンピングカーを買うだけでなく、作る楽しみも体験できるのが特徴といえるでしょう。

それでは各工程を見てみましょう。

1.天井を張り付ける

画像: 1.天井を張り付ける

手順の基本は上から下へ。最初に天井を取り付けます。

ハイエースの天井には鉄の梁があります。この梁に木材を固定して、その木材を使って天井の板を張っていきます。

天井のユニットは3分割されていて、まずは中央のパーツから取り付けます。車体のセンターにくるように、左右の長さを測りながら、左右の空きを同じにします。

ひとりがパネルを抑えて、もうひとりが電動ドライバーで固定すれば、作業もスムーズ。

本来であれば、天井張りだけでも相当時間がかかりますが、このユニット化によって、天井の板張り工程があっという間に終わってしまいます。

2.ボディへの加工

画像: 2.ボディへの加工

車内の内装を作る際、少しだけボディへの加工が行われます。なるべくボディへの加工は少なくするようにキットは工夫されていますが、天井や壁など、強度が必要な場所で行われます。

DIYに慣れていない人が作業すると、どの程度の強度が必要か不安になってしまい、たくさんのネジ穴をボディに空けてしまう傾向がありますが、キットでは穴を空ける場所も指定されているので安心。必要最小限の加工でしっかりと固定できるのです。

ユニットに付いている目印を使って、ボディへ穴を空けます。金属部分にビスを固定するため、事前に穴を空けておくのです。

下穴を空けなくても、そのまま固定できるドリルビスというものがありますが、穴の精度も悪く、再加工に適していないので、RVランドではあえて、このドリルビスを使わないようにしているそうです。

3.側面の板張

画像1: 3.側面の板張

天井の板を張り終えたら、次は壁の板を固定していきます。左側の壁は窓の下にプレートを固定するので、事前にボディ加工で空けた穴を使って、ビスを留めていきます。

右側は窓をカバーするため、プレート取り付け位置が高くなります。それぞれ取り付ける場所に合わせて、木材がカットされているので、それほど苦労はありません。

シートベルトの接続部分などと木材の切り欠き部分を合わせて、壁をセットしていきます。

画像2: 3.側面の板張

右の壁はボディに最初から付いているサービスホールというものを使います。クルマの純正オプションなどを固定するため、クルマ製造の時点でネジ穴が空いているのです。

ホームセンターなどで販売されている規格ネジがそのまま使えるので、キャンピングカーなどの内装架装では利用されることが多いネジ穴です。

4.プレートを取り替える

画像: 4.プレートを取り替える

リアハッチの内張、サイドスライドドアの内張には、いかにも商用車といった素材のプレートが取り付けられています。せっかくウッディな雰囲気になっても、内張部分が全体のイメージを台無しに。そこで、この内張もすべて取り替えます。

用意されたパーツは薄い板なのですが、表面が木材のようなテクスチャーで、インテリアに一貫性をもたせるデザインです。固定方法は既存の内張と同じようにピンで固定していきます。

5.床に板を敷く

画像: 5.床に板を敷く

天井、壁が完成したら床の作業です。ここまでの工程で車内が汚れているので、一旦、クリーニングしておくのがポイント。

見えなくなる部分もしっかりときれいにしておけば、完成したときの気分も違ってくるはずです。

床板もボディの形状に合わせてカットされていて、作業しやすいように分割されています。板と板がずれやすい個所には、爪が加工されていて、ずれないような工夫が施されていました。

床板は事前にボディに張っておいた板へネジで固定します。その場所も床板に目印が付いているので、場所を探すことなく、簡単に作業を進められます。

6.フローリングを張る

画像: 6.フローリングを張る

床板が固定できたら、フローリングを敷きます。こちらもボディ形状に合わせてカットされているので、ただ置くだけで気持ちいいくらいフィットします。

フローリングは、最終的にシートや家具で固定されるので、この段階ではリアゲート部分、サイドスライド部分のみを固定します。

フローリングのカラーも数種類のなかから選ぶことができるので、自分好みのカラーにしてアレンジするのもいいでしょう。

7.家具を組み込む

画像1: 7.家具を組み込む

室内空間がほぼ完成したら、次に家具を組み込んでいきます。この家具は事前に車外で組み立てておきます。

家具も木材のカットは一切なく、カラーボックスなどの組み立て家具と同じように、穴を合わせる程度で完成します。

リアの両サイド、セカンドシートの前、計3つの家具を作っておきます。でき上がった家具を車内へ積み込んで、次は固定です。

画像2: 7.家具を組み込む

家具の固定には大きめのボルトを利用します。このボルトをハイエースに最初から付いている、アンカーポイントのネジ穴へ入れます。

リア両サイドのふたつの家具は2本のボルトで固定されているだけですが、ガタつきもなく、しっかりと固定されていました。

さすが、キャンピングカービルダーの作った家具といった印象です。素人ではこの美しさと高い剛性を同時に出すことは難しいのではないでしょうか。

8.シートを戻す

画像: 8.シートを戻す

家具を取り付けたら、一番最初に取り外したシートを戻します。

シートはフロント側が大きなネジで固定されていて、リア側は跳ね上げできるようなフックで固定されています。簡単なシート構造なので作業もしやすいです。

9.シートカバーを取り付ける

画像: 9.シートカバーを取り付ける

シートにカバーを取り付けていきます。セカンドシートはリビングレイアウトで後ろ向きシートとしても使うので、ちょっとした加工が必要です。

純正シートは背もたれ部分が倒れて、後ろ向きベンチのような形状になりますが、座面となる部分に強度がありません。

そこで、ベンチの座面となるように、木材のプレートを仕込みます。このプレートのおかげで、しっかりとベンチとして機能してくれるようになりました。

 * * *

これでDIYキャンピングカー作りは終了です。おそらく、プロフェッショナルが作ったような完成度の高さに驚くことでしょう。

完成した車内を見て、誰もが「手作りでここまでできるとは」と感じるのではないでしょうか。

RVランドが考えた、失敗しないキャンピングカーの車内家具

画像1: RVランドが考えた、失敗しないキャンピングカーの車内家具

バンライファーのようなクルマでありながら、キャンピングカービルダーが作ったような家具との組み合わせ。これをDIYで手に入れることができるのがdittoです。

その家具は本格的な作りで、バンライフを始めても、使いやすそうです。

大きな収納スペースを確保して、ベッドの状態でも荷物が取り出しやすい構造。広いカウンタートップは小物を並べたり、リラックスタイムのドリンク置き場にも使えるでしょう。

また、就寝時にスマホを置いておくのにもいいのでは。起きたらスマホが見当たらない、ということもありません。

画像2: RVランドが考えた、失敗しないキャンピングカーの車内家具

ベッド下にも収納スペースを確保しています。リアゲートを空けてすぐの場所にあるので、メンテナンスツールを収納するのにも便利。

画像3: RVランドが考えた、失敗しないキャンピングカーの車内家具

セカンドシートの前方に取り付けられたのが、このような家具です。フロントシートとセカンドシートの間に段差があるのですが、この家具できれいにカバーされています。

商用車のセカンドシートにはない、ドリンクホルダーも設置されているのは、ファミリーで使うときなど、うれしい仕様です。

この家具の固定はボディ側にアンカーボルトを仕込み、側面中央のノブで固定するだけ。シンプルでしっかりとした作りのカウンターが完成しました。

画像4: RVランドが考えた、失敗しないキャンピングカーの車内家具

バンなどでスペースが限られている場合、リビングとベッドのスペースを共有しなければなりません。

日中にリビングとして使っていた場所を、夜はベッドとして利用するのです。なので、ベッド展開の方法がバンのキャンピングカーのキモとなります。

このdittoのキットでも、キャンピングカービルダーらしいプロフェッショナルな仕組みが隠されていました。

それが、家具に取り付けられた、ベッドマット受けの延長できるバー。この仕組みがあることで、セカンドシートと後方のベッドを簡単に連結することができるようになりました。

やはり、素人のDIYではなかなか再現することのできない、利便性の高さがこのキットにはたくさん隠れているようです。

自分で作って、自分好みのカラーリングを選んだdittoのキャンピングカーは自分にとって特別な1台となります。

でも、クルマが完成しただけではdittoのストーリーは始まったばかり。

実際にクルマを使ってみて、好きな雑貨を追加したり、アレンジすることで、自分らしいスタイルが完成していきます。このように自分で育てていくことができるのも、dittoの魅力といえるのです。

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