【概要】エコフローのポータブルエアコン「WAVE2」の使用レビュー。ホンダ・N-VANをDIYして、年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiがチェック。

ポータブル電源メーカーとして人気のエコフロー(EcoFlow)が、昨年ポータブルクーラー 「WAVE」を発売。大きな話題を呼んだのは記憶に新しいところ。その「WAVE」が、一年で早くもリニューアルした。

ユーザーアンケートをもとに、大幅に改良が施されたという「WAVE2」。

高さが8cm低くなり、重量は約3kg軽くなったのにもかかわらず、暖房機能までついて「ポータブルクーラー」ではなく、「ポータブルエアコン」として生まれ変わった。

画像: ホンダ・N-VANをDIYして、年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiがチェック!

ホンダ・N-VANをDIYして、年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiがチェック!

現状は、エンジンオフでも使える「FFヒーター」に比べて、車載用クーラーの設置率はまだまだ低い。

しかも寒さ対策に比べて暑さ対策には限界があり、熱中症などのリスクもあるので、クルマに載せるだけで使えるエアコンがあれば、夏の車中泊の強い味方となる。

そこで、ホンダ・N-VANをDIYして年間300日以上車中泊しながら日本全国を旅するruiが、エコフロー「WAVE2」の実力を試してきた。

WAVE2 スペック

画像: WAVE2 スペック

新世代ポータブルエアコンの代表モデル・エコフローのWAVE2。昨年のモデルより小型軽量化、静音性アップ、そしてなんと暖房もついた。

タイプ:コンプレッサー一体型
消費電力:700W
重さ約:14.5kg
冷却能力:5100BTU
本体サイズ:幅518mm×高さ297mm×奥行336mm
価格:14万3000円

気になる6つのポイントをチェック! 

画像: 気になる6つのポイントをチェック!

人気軽バンであるホンダ・N-VANで「WAVE2」の使用感をチェック。車中泊した場所は、静岡県伊豆地方のRVパーク伊豆黒根岬。この日の日中の気温は27℃で蒸し暑かった。

気になる6つのポイントについて、Q&A形式でレビューしよう。

Q.クルマの中に入れたら意外と大きい?

A.軽バンだと助手席は潰れるくらいの大きさ

画像: Q.クルマの中に入れたら意外と大きい?

前モデルに比べて奥行きは変わらず、横幅は1cmほど、高さは8cm低くなったので全体的な印象はひと回り小さくなった。

単体で車内に置いても圧迫感はそれほどないが、実際に使用する際は排熱ダクトを装着する必要があるので、それなりにスペースは占有する。

ダクトをどこから出すか、AC電源を使用するならどの経路でケーブルを回すかなど、車内での置き場所やレイアウトは少し考える必要がある。

また、送風口にダクトを取り付けることもできるので、場合によってはWAVE2をクルマの外に置いて使うこともできる。

Q.持ち運ぶにはちょっと重くない?

A.バッテリーパックを外せばなんとかなる

画像1: Q.持ち運ぶにはちょっと重くない?

重量はWAVE2本体のみだと14.5kg、専用バッテリーパックは7.5kg、ふたつを接続するケーブルなどを込みで合わせると22.3kgとなる。

前モデルから比べると3kgほど軽くなったとはいえ、ひとりで持ち上げて運ぶとなるとそれなりに重い。

画像2: Q.持ち運ぶにはちょっと重くない?

持ち運び用の取っ手がないので、本体のどこかに手をかけて、もしくは本体を抱えて持ち運ぶことになるのが重く感じる要因のひとつかもしれない。

バッテリーパックは持ち手が付いているので、移動する際は外して持ち運ぶと楽だし、腰にもやさしいかもしれない。

Q.設置が大変じゃない?

A.置くだけでも使用は可能だが……

画像: Q.設置が大変じゃない?

車載エアコンのなかには取り付け工事が必要なモデルも多いが、ポータブルエアコンの魅力はクルマに載せるだけで使えるところ。

WAVE2もバッテリーパックが付いていれば完全に単体で使用することができるので、かなり手軽。

ただし、効率よく使いたいとなると、排気・吸気ダクトを車外に出すため、窓用のパネルをDIYする必要があり、そのパネルの設置にひと手間かかる。

だが、排気処理をせずに使っても、送風口からの冷気に当たっていればそれなりに涼しい。とはいえ、やはり気温の上がる夏はしっかりと準備してほしい。

Q.稼働時はうるさくて寝られないのでは?

A.おやすみモードは本当に静か!

画像: Q.稼働時はうるさくて寝られないのでは?

静音性がアップしたWAVE2。おやすみモードで44dB、風量MAXで56dB。

数字だとピンとこないのであくまで目安だが、静かな図書館が40dBくらい、掃除機が60dBくらいといえば、なんとなく伝わるかもしれない。

おやすみモードで使用した場合、狭い車内なのでもちろん空気の流れる音は聞こえるのだが、ファンの形状のせいか耳につく嫌な音ではなかった。よほど敏感な人でないかぎり十分に寝られるくらい。

これは風量MAXでも同じで、「大きい」とは感じるが「うるさい」とは感じないタイプの音だ。

Q.肝心の冷却能力は?

A.かなり冷えます! 湿度も下がって快適!

画像: Q.肝心の冷却能力は?

エアコンの冷房能力を表す指数でいうと、6畳用の家庭用エアコンで2.2kWくらい。それに対してWAVE2は1.5kW(前モデルは1.2kW)。車内を冷やすには十分なパワーといえるだろう。

実際に、排気ダクトのみ車外に出した状態のN-VANで、風量を「強」にして30分稼働させてみたところ、温度は3℃、湿度は7%下がった。

窓パネルを使用していないので、少し窓が開いた状態でもこれくらいすぐに冷える。温度だけでなく、湿度も下がることによって不快感が軽減されて、快適度も大幅アップした。

Q.気になる消費電力は?

A.パワーアップに比例して消費電力もアップ 

画像: Q.気になる消費電力は?

設定にもよるが、冷暖房ともに平均して300〜400Wほどで稼働するので、消費電力はそこそこ大きい。

バッテリーパックではなくポータブル電源で稼働させるなら、出力が700W以上のものが必要で、おのずと中堅クラスのポータブル電源が必須になってくる。

ちなみにバッテリーパックの充電はAC入力で約2.5時間。さすが急速充電の得意なエコフローといえるだろう。

ソーラーパネルからの入力も、前モデルの2倍となる400Wに上がったので、電源環境が整っていれば無敵のポータブルエアコンになる可能性を秘めている。

総評

まずは大きさや重量なのだが、前モデルに比べてひと回り小さく、軽くなった。それでいて冷却能力が上がり、静音性もアップしてより静かになった。

スタート時のMAX状態は大差ないが、その後のアイドリング状態だとその差がはっきりする。小型軽量化したのにもかかわらず、ここまでスペックが上がっているのは驚きだ。

気になる消費電力だが、別売りのバッテリーパックを装着すると、最大8時間連続で使用できる。就寝時におやすみモードで使うなら、ひと晩は使えそうだ。

冷却性能に関しては、今回のテストでは十分に実感できた。まさに夏の車中泊を変える一台となる可能性あり!

あとは吸排気のダクトの処理、そして大きさや重量をどう考えるか。愛車に積載した場合をイメージして参考にしてほしい。

結論:現時点では最強といえるかも

決して「パーフェクト!」とまではいえないが、性能面を総合的に見ても、現時点ではこのWAVE2がベストチョイスではないだろうか。

コストに関しても、夏の車中泊は熱中症などのおそれもあることを考えると、むしろお手頃価格。

このWAVE2をきっかけに、ポータブルエアコンがもっと進化する未来も見えてくる、そんな期待のアイテムだ。

※今回の結果は独自のテストに基づいたもので、状況により変化することもあります。

写真、文:rui 
カーネル2023年7月号vol.61

This article is a sponsored article by
''.