Q.肝心の冷却能力は?
A.かなり冷えます! 湿度も下がって快適!
エアコンの冷房能力を表す指数でいうと、6畳用の家庭用エアコンで2.2kWくらい。それに対してWAVE2は1.5kW(前モデルは1.2kW)。車内を冷やすには十分なパワーといえるだろう。
実際に、排気ダクトのみ車外に出した状態のN-VANで、風量を「強」にして30分稼働させてみたところ、温度は3℃、湿度は7%下がった。
窓パネルを使用していないので、少し窓が開いた状態でもこれくらいすぐに冷える。温度だけでなく、湿度も下がることによって不快感が軽減されて、快適度も大幅アップした。
Q.気になる消費電力は?
A.パワーアップに比例して消費電力もアップ
設定にもよるが、冷暖房ともに平均して300〜400Wほどで稼働するので、消費電力はそこそこ大きい。
バッテリーパックではなくポータブル電源で稼働させるなら、出力が700W以上のものが必要で、おのずと中堅クラスのポータブル電源が必須になってくる。
ちなみにバッテリーパックの充電はAC入力で約2.5時間。さすが急速充電の得意なエコフローといえるだろう。
ソーラーパネルからの入力も、前モデルの2倍となる400Wに上がったので、電源環境が整っていれば無敵のポータブルエアコンになる可能性を秘めている。
総評
まずは大きさや重量なのだが、前モデルに比べてひと回り小さく、軽くなった。それでいて冷却能力が上がり、静音性もアップしてより静かになった。
スタート時のMAX状態は大差ないが、その後のアイドリング状態だとその差がはっきりする。小型軽量化したのにもかかわらず、ここまでスペックが上がっているのは驚きだ。
気になる消費電力だが、別売りのバッテリーパックを装着すると、最大8時間連続で使用できる。就寝時におやすみモードで使うなら、ひと晩は使えそうだ。
冷却性能に関しては、今回のテストでは十分に実感できた。まさに夏の車中泊を変える一台となる可能性あり!
あとは吸排気のダクトの処理、そして大きさや重量をどう考えるか。愛車に積載した場合をイメージして参考にしてほしい。
結論:現時点では最強といえるかも
決して「パーフェクト!」とまではいえないが、性能面を総合的に見ても、現時点ではこのWAVE2がベストチョイスではないだろうか。
コストに関しても、夏の車中泊は熱中症などのおそれもあることを考えると、むしろお手頃価格。
このWAVE2をきっかけに、ポータブルエアコンがもっと進化する未来も見えてくる、そんな期待のアイテムだ。
※今回の結果は独自のテストに基づいたもので、状況により変化することもあります。
写真、文:rui
カーネル2023年7月号vol.61