【概要】ポータブル電源における近年のトレンドを4つのポイントに分けて解説。

ポータブル電源の性能は日進月歩といえ、新製品が次々に登場。1年間でそのラインアップは大きく様変わりする。そこでそのトレンドの移り変わりを、4つのポイントに分けて紹介しよう。

ポイント1
車中泊の便利アイテムとして人気を集める

画像: 2018年12月発売号に掲載した『カーネル』初のポータブル電源特集の写真。当時とは製品の顔ぶれが大きく変わったのがわかる。

2018年12月発売号に掲載した『カーネル』初のポータブル電源特集の写真。当時とは製品の顔ぶれが大きく変わったのがわかる。

近年のアウトドア・ブームにともなって、車中泊やキャンプで人気を集めているポータブル電源。いまでは家電量販店に専用コーナーができ、十数社の製品がズラリと並ぶこともあるほど。

テレワークの普及や防災意識の高まりも相まって、単にレジャー用品としてだけではなく、仕事や生活に密接した存在になってきている。

また、その進化のスピードも速く、ここ2~ 3年でガラッと製品が様変わりし、何を買ったらいいかわからないという声もよく耳にする。

ポータブル電源は今まさに進化の過渡期にあり、最もアツい市場ともいえるだろう。

ポイント2
「大容量」から「急速充電」へ。「専門機器」から「家電」へ

画像: “充電時間”競争のきっかけの一端となったエコフローのデルタプロは、『カーネル』vol.52で掲載。

“充電時間”競争のきっかけの一端となったエコフローのデルタプロは、『カーネル』vol.52で掲載。

内蔵バッテリーの小型化により、各社がこぞって大容量ポータブル電源を発売する「大容量競争」時代がまず到来。

サブバッテリーと違い、買ってきて車内に置けばすぐに使えるポータブル電源は、初心者でも手軽に扱えるので導入する人が増えているという。

その後、満充電まで一晩かかっていた充電時間が、たった1時間弱で充電できる製品をエコフローが開発。以来、各社も後に続き「急速充電競争」時代へと突入していく。

それと同時に、コンパクト化や、「映える」デザインの製品も増えていき、女性でも使える家電としてユーザー層の裾野を広げていった。

ポイント3
注目の新素材・リン酸鉄は世界を変えるか?

画像: リン酸鉄を採用したゼンデュアのスーパーベースプロ1500。2000は三元系を採用しており、ゼンデュアは容量によって内蔵バッテリーの素材を使い分けている。ユーザーが選べる時代になったということ。

リン酸鉄を採用したゼンデュアのスーパーベースプロ1500。2000は三元系を採用しており、ゼンデュアは容量によって内蔵バッテリーの素材を使い分けている。ユーザーが選べる時代になったということ。

急速充電時代に突入すると、リチウムイオンバッテリーの安全性について再び注目が集まることとなる。

発火や爆発の危険性に対する不安や、バッテリーの寿命が短くなっているのでは? といった疑問が出てきて、それを解決する素材として、より安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーへ移行するメーカーが増加。

業界全体の移行期間が1年とかからないほど、進化のスピードは目まぐるしく、いま、何を買っていいかわからないというユーザーの悩みは、ポータブル電源業界自体の進化の速さ、その映し鏡といえる。

ポイント4
まだまだ素材競争中! 周辺機器も含めてさらに進化

画像: サブマのポー タブル電源。性能の高さはもちろん、スタイリッシュな外観と使いやすいインターフェースも魅力。

サブマのポー タブル電源。性能の高さはもちろん、スタイリッシュな外観と使いやすいインターフェースも魅力。

バッテリー内部の素材は、鉛、リチウム、リン酸鉄、三元系などがあり、それぞれ特色がある。

安全性や利便性など、どこを重視して何を犠牲にするかで選択肢が分かれているのが、現在のポータブル電源。

これからクルマのEV化によって、クルマ自体が走るポータブル電源になる可能性もある。ソーラーパネルの進化によっては、キャンプ場や山の頂上でも手軽に電源が取れるようになるかもしれない。

そうなってくるとポータブル電源の立ち位置もまた大きく変わっていくだろう。新製品の開発サイクルが目まぐるしいいまが、ポータブル電源の一番おもしろい時代なのかもしれない。

文:rui 
初出:カーネル1月号vol.58 

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