北海道の長期旅は、キャンピングカー乗りの永遠の憧れ。
道が広くてクルマが少ないので大型キャンピングカーでも快適にドライブでき、どの施設にも広い駐車場が完備されているのでクルマを止める場所に困ることもない。
スケールの大きな絶景スポットや北海道ならではの絶品グルメを満喫でき、最高のロケーションに囲まれながらキャンプを楽しめ、真夏でも朝晩は涼しいのでクーラーがなくても快適に就寝できる……。
キャンピングカー&車中泊ユーザーにとって、北海道はまさに「天国」だ!
ただし、北海道は本州から陸続きではないため、「自分のクルマで旅をするには、車両ごとフェリーに乗船する必要がある」「北海道までの往復に時間がかかるため、旅の行程が長期になる」など、初心者にとっては敷居が高い……。
だからこそ、「いつかは北海道!」と夢見るオーナーが多いのだ。
6~9月が北海道クルマ旅のオンシーズン!
北海道クルマ旅に最適な季節は、ズバリ「寒くない時期」。北海道では10月下旬~11月上旬に初雪が降り、ゴールデンウイーク前後まで雪が残っている地域もある。北海道でクルマ旅を楽しみたいなら、過ごしやすい気候の6月から9月がおすすめだ。
本州以南で夏にクルマ旅をする場合は、「エンジン停止状態で使えるクーラー設備」が必須となるが、夏でも涼しい北海道ならクーラーがなくても車内で快適に就寝できる。そのため、「暑さから逃れるために、夏は北海道で過ごす」というユーザーも多い。
サマーシーズンは、美しく咲き誇る花畑や、青空の下に広がる大絶景、豊かに生い茂る木々の緑など、北海道の魅力を満喫できる要素がいっぱい。6月から9月の暖かい季節は、北海道クルマ旅のオンシーズンなのだ!
北海道を楽しむなら、1週間以上の旅行期間が◎
北海道でクルマ旅を楽しむには、最低でも1週間以上の旅行期間が必要となる。その理由は、北海道までの往復に「フェリーの乗船が必須」になること!
東京からクルマで北海道に渡るには、どの行程でも移動時間がほぼ丸1日かかる。旅の始めと終わりで移動時間に1日ずつ取られるので、例えば4泊5日の旅行期間があっても実際に北海道をまわれるのは2日半ほど。
せっかくフェリーに乗って渡道するのに、短期間の旅ではもったいない。北海道の旅では、往復の移動時間も考慮して、できるだけ長く旅の日程を確保するのがポイントだ。
長い旅行期間が必要なもうひとつの理由は、北海道の広さにある。例えば、人気観光地の函館から札幌まで移動する場合。地図で見ると、函館と札幌は比較的近いように思えるが、実は東京~名古屋に匹敵するほどの距離があり、クルマでの移動は4時間以上かかる。
ちなみに、函館から日本最北端・宗谷岬までの距離は約650km。移動にかかる時間は、ノンストップで9時間以上だ!
本州と同様の感覚で「あれもこれも」と無理な行程を組むと、移動ばかりで非常にせわしない旅になってしまう。北海道を旅する際は可能な限り日程を長く確保して、できるだけゆとりのある行程を組むのがおすすめだ。
フェリー選びは北海道クルマ旅の重要項目!
前述したように、自分のクルマで北海道を旅するには、必ず愛車と一緒にフェリーに乗船しなくてはならない。
北海道クルマ旅を計画する際は、まず「旅行期間を決める」ことが第1段階。
そして、旅行期間が決まったら、次に「往復のフェリーを予約する」のが第2段階。
それさえ決まってしまえば、あとはじっくり時間をかけて「北海道でどのように動くか」を出発日までに決めればOKだ。
ちなみに、東京から北海道に行く際のフェリーは下記がある。
・青森~函館航路の「青函フェリー」
・青森~函館・大間~函館航路の「津軽海峡フェリー」
・八戸~苫小牧航路の「シルバーフェリー」
・仙台~苫小牧航路の「太平洋フェリー」
・大洗~苫小牧航路の「商船三井フェリー」
・新潟~小樽・新潟~秋田~苫小牧東航路の「新日本海フェリー」
基本的に、フェリーの予約は乗船日の2か月前から受付を開始するので、お盆や夏休みなどフェリーが混雑する観光シーズンに旅をする場合、まずは乗船を希望する往路と復路のフェリーを確保することからスタートする。
航路によってフェリーの運賃や乗船時間、フェリーターミナルまでの自走距離などが大きく変わるため、「どのフェリーを選ぶか」は北海道クルマ旅でもっとも重要な要素のひとつ。
この「フェリーの選択」が、初心者をもっとも悩ませる難題でもある。
次回は、北海道フェリーの選び方やフェリー旅の魅力、船内での過ごし方などについて詳しく解説するので、北海道クルマ旅を夢見るキャンピングカー&車中泊ユーザーは要チェックだ!
写真、文:岩田一成
岩田一成 プロフィール
キャンピングカーライフ研究家/ライター。新車のキャンピングカーを3台乗り継ぎ、家族と一緒に1000泊以上のキャンプ・クルマ旅を経験。雑誌、書籍、新聞、WEB、イベント、テレビ、ラジオなど、様々な形でキャンピングカーの魅力を発信している。著書「人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門」(グラフィス刊)