数あるキャンピングカーの活用法のなかでも、かなり特異な楽しみ方をしているオーナーではないだろうか。なんと母娘で「推し」のライブに行くために、バンコンを購入したという。まさに「行きたい旅をかなえるクルマ」とその旅のおおまかな流れを紹介しよう。
PROFILE
こっちゃんさん(母・後左)、かなさん(姉・前左)、ゆずさん(妹・前右)
夫婦+子ども3人という家族構成のこっちゃんさん家族。今回、息子さんは残念ながら体調不良で欠席となったが、家族5人で出かけることも多いという。お父さんは「追っかけ」には参加しないが、母娘のクルマ旅を温かく見守っているという。
愛車はFLEX DreamFDのFD-BOX!
購入して1年強のハイエースベースのバンコン。最大10人まで乗車できる。シンクなどが装備されていない2段ベッド仕様を購入。ボディカラーはこっちゃんさんが推すSnow Man・岩本照さんのイメージカラーだという。
車中泊だからこその奇跡にも遭遇!
車中泊やキャンピングカーを使ったクルマ旅には、まだまだ無限の可能性(大げさ!?)があると感じた、車中泊専門誌カーネル5月号の取材。
まさか「推し」のアイドルのライブに車中泊で向かう人がいるなんて! しかも母娘3人!! ということで、急きょ同行させていただいたのが、こっちゃんさん一家のクルマ旅だ。
現在では、ハイエースベースのバンコンで、各地のライブ会場に向かっているという。
「もともと旅好きだったんです。いまのクルマを買う前も、渋滞がきらいで、家族旅行でも夜に出て車中泊していました」
ハイエースがほしくて、ずっと探していたというこっちゃんさん。装備や金額が適合する車種を見つけ、仙台まで取りに行ったのが、現在の愛車だという。
「購入したのは1年ちょっと前です。シンクとかは必要なく、2段ベッドだったので決めました。クルマにはとっても満足しています」
さらに決め手となったのはボディカラー。こっちゃんさんが推すアイドルのイメージカラーが黄色だったからだ。
最近では、仙台や新潟までライブに行ってきた。
「仙台はSnow Man。新潟は娘だけがTravis Japanのチケットが取れたので、それを迎えにいきました」
そして、この新潟の旅でたまたま寄った道の駅で、奇跡に遭遇する。
「推しのライブの翌日に、なんと本人たちが道の駅に来て、実際に会うことができたんです」
このときの話をする母娘3人の緩んだ顔といったら!! そういった意味では、冒頭で書いた「車中泊の可能性」は、やはり無限大といえるのかもしれない。
「だって、道の駅で仮眠していたからこそ会えたんですからね」
こんな奇跡に遭遇したら、車中泊はやめられない……かも。
▼その②に続く▼
ウッド調&革シートのスタイリッシュなインテリア
2列目と3列目の背もたれを倒してフルフラットにすると、広々としたベッドが出現。左右の収納スペースから2段ベッド用ボードを取り出す。未使用時も場所をとらない。
母娘3人が快適に就寝できる2段ベッド。いつもは運転席側を頭にすることが多いというが、今回は撮影用に逆に寝てもらった。季節によって寝袋やブランケットなど、いろいろな寝具を使用する。
バンライフをイメージさせるウッディな内装がとてもスタイリッシュ。革張りのシートやペンドルトンの肘掛けなど、車内空間は高級感あふれる雰囲気。ちなみに10人乗車する場合は、1列目シートの背面に後ろ向きでふたり座る。
カーテンのデザインも女子のアレンジ。車内のサイドに装着されているバーには、さまざまなアイテムが掛けられる。
サブバッテリーがないため、ポータブル電源も活用。電気ケトルでお湯を沸かし、タブレットの充電などを行う。
寝袋やラグ、クッションなど多めに用意。
念のため、焚き火用チェアや小型アウトドア用コンロ・タフまるJr. も準備する。
基本、SAPA や道の駅での車中泊が多いため、サイドオーニングを開く状況があまりないという。
写真:逢坂 聡
文:大橋保之(カーネル)
初出:カーネル2023年5月号vol.60