キャンピングカーの購入を検討する際、車種選びと同時に悩むのが「新車」を買うのか「中古車」を買うのかということ。
「新車を購入したいけど、価格が高いし納車まで時間がかかる……」
「中古車は安く購入できるけど、故障やアフターサービスが心配……」
そんな悩みを抱えるユーザーのために、今回は新車と中古車のメリットとデメリットについて解説する。
それぞれの特徴を理解して、新車・中古車のどちらが自分に合っているのかをじっくり検討しよう!
新車キャンピングカーのメリット
新車を購入する最大のメリットは、「自分が初めてのオーナー」になれること。キャンピングカーのように趣味性が強いクルマの場合、所有することで得られる満足感も重要なポイントとなる。
高額な買い物だからこそ、まっさらな新車でイチからキャンピングカーライフをスタートできる喜びはひとしお。車両や架装部分の故障リスクが少なく、安心して乗り回せるのも魅力だ。
もうひとつのメリットは、「自分好みのキャンピングカーに仕上げられる」ことだ。
キャンピングカーは、職人が1台1台仕上げるオーダーメイド品のようなもの。様々なユーザーの使い方やライフスタイルに対応できるように、多彩なオプションパーツが用意されている。
オプションの内容は、快適装備から外装のドレスアップパーツ、足回りパーツまで多種多様で、なかには内装のファブリックや家具のカラーを選べるモデルもある。
自らがチョイスしたオプションパーツを組み込むことで“自分仕様のキャンピングカー”に仕上げられるのが、新車を購入したユーザーに与えられる大きな特権だ。
新車キャンピングカーのデメリット
新車のデメリットは、ズバリ「価格が高い」こと。とはいえ、未走行の車両をベースに新品パーツで架装した「新車のキャンピングカー」が高額なのは当たり前。
費用面に大きなデメリットを感じるなら、中古キャンピングカーを検討してみるのも手だ。
価格以上に大きなデメリットが、「注文してから納車されるまでの期間が長い」こと。
もともとキャンピングカーの納期は、1年待ちが当たり前。ここ数年のキャンピングカーブームで納期がさらに延び、ビルダーや車種によっては2~3年待ちも珍しくなくなった。
ワクワクしながら納車を待つ期間も楽しみのひとつではあるが、「今すぐ使いたい」という人にとって、新車キャンピングカーの納期の長さは大きなデメリットだ。
中古キャンピングカーのメリット
ひと昔前は、アフターサービス面の不安があった中古キャンピングカーだが、現在はキャンピングカーのノウハウを持つ専門店が増えたことで、安心して中古車を購入できるようになった。
中古車の最大のメリットは、「納期が短い」ことだ。イチから製造する新車は早くて1年待ち、遅ければ2~3年の納車待ちとなるが、すでに現車がある中古車なら即納も可能。
「とにかく早く使いたい」という人にとって、中古キャンピングカーの納期の短さは大きなアドバンテージとなる。
「オプション装備を満載した出物がある」のも、中古キャンピングカーのメリット。運がよければ、快適装備のほかにレカロシートや足回りパーツなどがフル装備された中古車に出会える可能性もある。
自分が欲しいオプションパーツが装着済みなら後付けする手間もなく、価格面のお得感も大きい。
中古キャンピングカーのデメリット
コロナ禍をきっかけにキャンピングカーの需要が高まったことで、以前と比べて中古キャンピングカーの価格が高騰しており、程度のいい中古車が新車よりも高い価格で販売されているケースもある。
「前オーナーの生活感・使用感が出やすい」のも、中古キャンピングカーのデメリット。
クルマ自体が中古なのはもちろんのこと、ベッドやキッチン、トイレなどの生活装備もすべて中古となるため、生活臭やペット臭、傷や汚れによる使用感が普通車以上に目立ちやすい。
「人が使ったベッドで寝たくない」「人が使ったトイレは嫌」という人は、新車を購入するのが無難だ。
中古車の場合、前のオーナーが「どのように使っていたか」「どのように管理していたか」がわからないため、新車と比べて故障やトラブルのリスクが高くなる。
また、キャンピングカーの知識を持たないお店で購入すると、故障時に的確な対応をしてもらえない可能性もあるので注意が必要だ。
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新車と中古車にはそれぞれにメリットとデメリットがあり、どちらを選ぶかはユーザーのニーズや考え方次第。両方の特徴をしっかり理解した上で、新車を購入するか、中古車を購入するかを決めよう。
執筆:岩田一成
キャンピングカーライフ研究家/ライター。新車のキャンピングカーを3台乗り継ぎ、家族と一緒に1000泊以上のキャンプ・クルマ旅を経験。雑誌、書籍、新聞、WEB、イベント、テレビ、ラジオなど、様々な形でキャンピングカーの魅力を発信している。著書「人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門」(グラフィス刊)
文:岩田一成
写真:中里慎一郎ほか