【概要】夏の車中泊の暑さ対策として、車内の空気を循環させる方法を紹介。基本4原則や準備するもの、注意点など。

車内クーラーがない状態での車中泊の暑さ対策で、最も効果的な方法が、車内に空気の流れを作ること。限界はあるが、車中泊スポットと組み合わせれば効果は大きい。

車内の空気を循環させる方法を、車中泊専門誌『カーネル』&SOTOBIRAアンバサダーのruiさんに教えてもらった。

ruiさん

画像: ruiさん

フリーランス・サウンドデザイナー兼作曲家。ホンダ・N-VANを購入し4年ほど前から車中泊を始める。YouTube『rui vanlife』更新中。

車内空気を循環させれば体感温度は下がる!

画像: 車内空気を循環させれば体感温度は下がる!

走行時のクルマの場合、「前席の窓を片方だけ開け、対角線となる後席の窓を、前席よりも、ちょっと少なめに開ける」のが、最も換気効率がいいといわれています。

詳細は「流体力学のベルヌーイの定理が……」という難しい話になるのですが、車中泊においてもこの法則が役に立ちます。

駐車時のクルマで最も換気効率がいいのは、当然「すべてのドアを開ける」。しかし、車中泊でこれは現実的ではない。

そこで押さえておきたいポイントとして、「必ず2カ所の窓もしくはドアを開ける!」です。

実は窓を1カ所だけ開けても、入ってくる空気と出ていく空気がぶつかり合って、なかなか車内の空気は循環しません。

2カ所開けることによって、空気の入り口(吸気)と出口(排気)ができ、自然な空気の流れができるのです。

このとき、どちらか開口部を大きめに、もう片方を小さめにすることにより、大きな空気の流れをつくることができます。

さらに、開ける窓やドアも、運転席とリアゲートというように、車内で一番離れている2カ所を開けると、車内全体の空気が循環しやすくなります。

とはいえ、車外がまったくの無風の場合、それほど効果を感じられないかもしれません。そういうときは、車載扇風機やサーキュレーターを使って、強制的に空気の流れをつくるのもテクニックのひとつです。

扇風機も2台あれば、吸気用と排気用に使い分けられるし、換気扇がある場合は、併用すると効果バツグンです。虫の侵入もあるので、網戸やバグネットなどの併用もお忘れなく!

知っておきたい! 基本4原則

①換気の鉄則は「2カ所開ける」。窓をひとつ開けても換気にならない

②大きな空気の流れをつくろう!風が通れば体感温度も下がる

③扇風機は必須アイテム。できれば2個準備したい

④虫対策も忘れずに。侵入を許すと結局眠れぬ夜に……

画像: 知っておきたい! 基本4原則

「排気と吸気の流れをつくること」を意識するだけで換気効率がグッと上がる。今回は撮影のために助手席側のドアを全開にしているが、開口部の全面に虫対策をすることが難しい場合は、窓の開閉だけでの対処でも効果は高い。

準備するもの

画像: 準備するもの

車載用の扇風機は換気だけでなく、もちろん直接体を冷やすためにも、夏の車中泊には必須アイテム。虫よけ対策としてバグネットも重宝する。特にリア用は車種にあったものを調べて購入したい。

それと併用してリアを少しだけ開けるためのボーンバーも便利。100均アイテムでの自作も楽しいが、専用品ならまちがいない。

ここに注意!

画像: ここに注意!

窓やドアを開けるため、当然外から丸見え。夜間はカーテンなどで車内が見えないような対策も必要。さらに換気とは密接に関係してくる虫対策も必須。特に自作の網戸は隙間などもできやすい。

ポップアップルーフが装備されているクルマなら、シート就寝でもメッシュ状態にして寝ると風通しは悪くない。

写真、文:rui 
初出:カーネル2022年7月号vol.55

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