定番&最新ドリッパー徹底比較②
キャンパーに人気の定番ドリッパーから、おすすめの最新ドリッパーまで6モデルをピックアップ。こちらの記事では3モデルについて、各ドリッパーの特徴やコーヒーのレシピ、淹れ方、味わいについて紹介していこう。
▼キャンプで楽しむコーヒードリッパー徹底比較① 極上の一杯をキャンプで淹れたい!▼
カリタ/Drip Buddy 102
細口ドリップポットで数回に分けて注湯することなく、一気にシャワーポットへ湯を注ぐだけでコーヒーを淹れられるドリッパーセット。
カリタ独自の3つ穴式台形ドリッパーを採用しているので、コクのある濃厚な味わいが得られる。シャワーポットの目盛りは3カップと4カップが刻まれているので、3カップを抽出してみた。
価格:1万450円
サイズ:170×125×240mm
重量:700g
【問】カリタ 045-440-6444
〈レシピ〉
豆量:30粒g 粒度:中細挽き
湯量:450g 湯温:93℃
注ぎ方:一気に注ぐ
淹れ方の手順
①ペーパーフィルターは、台形タイプの2~4人用を使用。これをドリッパーにセットする。
②コーヒー粉は1杯分10gとして、3杯分30gのコーヒー粉をドリッパーに入れる。
③ポットの上にドリッパー、シャワーポットを順に載せ、シャワーポットに3杯分の湯を注ぐ。
④3杯分の湯およそ450gを一気に注いだらフタをする。蒸らす作業は行わなくてもOKだ。
⑤3杯分淹れたこともあって、1杯分淹れたコーヒーよりもやや濃いめに抽出された。
感想:酸味と甘み、苦みなどバランスのとれた味に
杯数分を多くするほど濃いめに抽出される傾向があるためか、今回使用した6モデル中、いちばんコクと苦みのあるバランスのとれた味わいに仕上がった。
ただし、一気に注げるからと沸騰直後の湯を入れると雑味が出るので、温度を測るかしばらく置いてから注ぎたい。
キャプテンスタッグ/フォルダブル ステンメッシュフィルター(フック付き) 1-2CUP
カップにセットするためのフックが取り付けられたステンレスメッシュ製フィルター。金属フィルターで抽出したコーヒーは、コーヒーオイルや微粉が含まれ、豆の味をダイレクトに感じられるのが特徴だ。
このほかに2~4カップ用、円錐タイプの1~2カップ用、2~4カップ用もある。
価格:2640円
サイズ:130×80mm
重量:15g
【問】キャプテンスタッグ 0256-35-3117
〈レシピ〉
豆量:10g 粒度:中細挽き
湯量:140g 湯温:93℃
注ぎ方:3投式
淹れ方の手順
①本体そのものが1~2杯用のフィルターなので、ペーパーフィルターは不要だ。
②ペーパーフィルターを使わずに直接コーヒー粉を入れる。使った粉の量は1杯分の10g。
③20g湯をコーヒー粉全体に染み込ませるように注いで、20秒間蒸らしを行う。
④「の」の字に湯を注ぎ、粉が膨らんだら止め、1/3ほど沈んだら再注湯。これを3回行う。
⑤140gの湯を注いだら1杯分の抽出は終了。120gのコーヒーができあがる。
感想:ペーパーフィルターに近い味わいに
思いのほか湯の落ちるスピードが速く、スッキリしていて少し酸味が立つ味わいに。非常に目が細かいので、金属フィルター特有のオイル感は少なめで、微粉も少ししか含まれなかった。
しかし飲み終えたあとには微粉の豆感があり、豆本来の味がよくわかる。
スタンレー/クラシックプアオーバー
ドリッパー内部に筒状のステンレスフィルターが装備された、ペーパーフィルター不要のドリッパー。大半のスタンレー製品にマッチするようにデザインされている。
コーヒー粉を蒸らしたら目盛りまで一気に湯を注いで成分を抽出する。目盛りは240㎖・350㎖・470㎖・590㎖と刻まれているので、今回は240㎖で抽出してみた。
価格:5500円
サイズ:129×110×120mm
重量:200g
【問】ドウシシャ stanley1913@doshisha.co.jp
〈レシピ〉
豆量:15g 粒度:中挽き
湯量:240g 湯温:93℃
注ぎ方:蒸らし後一気に注ぐ
淹れ方の手順
①フィルターは、本体中央にセットされている小さな穴が開いた筒状のステンレス製パーツ。
②ドリッパーに15gのコーヒー粉を入れる。中細挽きでは目詰まりを起こすので粉は中挽き。
③ドリッパーに15gのコーヒー粉を入れる。中細挽きでは目詰まりを起こすので粉は中挽き。
④フィルターに湯がかからないよう円を描くようにいちばん下の目盛りまで湯を注ぐ。
⑤フィルターに湯がかからないよう円を描くようにいちばん下の目盛りまで湯を注ぐ。
感想:金属フィルター特有の豆本来の味が楽しめる
思いのほかスッキリした味わいだけれど、コーヒーオイルが浮いていて、微粉もけっこう出るのでボディ感がある。
中挽きでも少し目詰まりしがちなので、説明書通りスプーンなどで攪拌するか、コーヒー粉を中粗挽きくらいにして淹れてもいいかもしれない。
執筆:牛島義之
アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーエディター&ライターとして独立。アウトドア業界歴30年以上、コーヒー愛好歴20年以上で、コーヒー関連の書籍や記事の執筆も行う無類のコーヒー好き。
写真:佐藤弘樹
文:牛島義之
初出:GARVY2022年12月号